子どもがよその子におもちゃを貸さない時の対応【究極の“待つ”子育てシリーズ⑪】貸し借り編

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こんにちは、kokokakuです。

 

今日は『おもちゃの貸し借り編』です。

 

「貸して」

「はい、どうぞ」

 

単純に見えるこのやり取りも、深~く見てみると、ママ・パパにとっても子どもさんにとっても『自分』というものを育てる大切な気づきの宝庫だったりします。

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「貸して」

「はいどうぞ」

できたら楽しく気持ちよく遊べます。

ママとしても助かります。

 

幼児番組でも、こどもちゃれんじのしまちゃんも、みんな上手に「貸して」が言えて「はいどうぞ」ができる。

そして一緒に仲良く遊んでる。

 

私もこれが普通だと思ってました。

でも実際はそうはいきませんでした。

しまちゃんを読んで、

「クマノミくん(息子)も『はいどうぞ』できるよね~」

と言ったけど・・・

 

貸しません。

 

たしか、2さい前後の頃までは、ほかの子がおうちにきて自分のおもちゃを触ったり使ったりすることに、抵抗を示したことがありませんでした。

それが、少し大きくなると『自分のもの』という意志が出てきて、おもちゃを貸すのが嫌になったのです。

 

そこで【究極の“待つ”子育て】のタイトル通り、「貸さない」問題は徹底して待つことにしました。

 

どうやって待ったのか

待つことでトラブルは?

待った結果はどうなのか?

 

お伝えします。

 

なお、初めてご覧いただく方には、第一回目の記事にてこのシリーズのコンセプトをご理解のうえ読み進めていただけると安心です。

www.kokokaku.com

 

どうやって待ったか?

公共の場では

児童館や支援センター、ショッピングセンターなどのキッズコーナーといったところでは、自分の持ち物に限らず、提供してあるおもちゃもありますよね。

ここでは一番に普段のしつけが試される場所、であるかのように、わが子がちゃんと譲り合いできてほしいところではないでしょうか。

三輪車

砂場セット

パズル

ブロック

本

などなど。

 

クマノミくんの場合、自分の持ち物でなければさほど執着せず、譲ることが多かったと思いますが、それでも「貸して」と言われて「貸したくない」時、どうしてもそれがうまく伝えられない場合は、私は相手の子に次のようなことを伝えるようにしていました。

 

自分のおもちゃの場合:「これ使いたいんだ。そっかぁ。あのね、これクマノミくんがおうちから持ってきたおもちゃなの。でね、クマノミくん、自分のおもちゃを人に貸すのが今はイヤなんだって。だからいつも、『貸してあげられないんだ、ごめんね』ってママが言うように約束してるの。何か他にもいいおもちゃがあるかもしれないよ。どうかな~」

 

公共のおもちゃの場合:「これ使いたいんだね。今ちょうどクマノミくんが使ってて、まだもうちょっと遊びたいみたい。使わなくなったらどうぞって交代するから待っててもらっていい?」

 

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相手の子どもさんはちゃんと聞き入れてくれました。

 

よそのおうちでは?

よそのおうちでは、必然的にほとんど「借りる」立場になります。

クマノミくんは自分が貸したくない派だからか、必ず「これ使っていい?」と尋ねていました。

「ダメ」と言われたことももちろんあります。

それで泣いたこともあります。

自分は貸さなくても、「借りたい」

小さいうちはそんなもんだよね。

そんな時は、相手の子が罪悪感を負わないように、「大丈夫だからね」と言ってクマノミくんの気持ちが治まるまでその場を離れるようにしていました。

そしてその経験から、自宅では「断る」状況を作らない工夫をすることになりました。

 

自分のおうちでは?

2歳後半からは「自分のもの」という意識が強まったクマノミくん。

おうちにくるのは来客やクライアントさんの子どもさん。

クマノミくんに聞くと、

  • 自分のものはどれも貸したくない
  • お客さん用のおもちゃを準備する→それもイヤ

その後家族で話し合い、来客のある空間にはおもちゃを置かないことにしました。

これが「断る」状況を作らない工夫です。

 

The おもてなし女子だった私にとって、おもちゃを提供しない空間にすることは最初はすごく居心地が悪かったけど、誰も嫌な思いすることないし、クマノミくんの気持ちの尊重になることがわかっていくと平気になりました。

何よりママの私が楽になりました。

 

なぜママが代わりに伝えるのか

「自分のことは自分でやりなさい」と、早い自立をモットーとする家庭で育った私は、

  • 「貸す・貸さない」のやり取りは、親が口出しせずに子どもどうしでさせるべき
  • そうやってコミュニケーション力を獲得していくことが大事

と無意識に思っていました。

でもこれが正解とは限りませんでした。

なぜなら

  • 子ども同士のやり取りやトラブルに常に本人が対応しないといけない責任なんて、言語力・コミュニケーション力が十分に身についていない年齢の子どもにはない
  • 「子どもが自力で乗り越える力や解決する力を身につけるチャンスという意味で親が手を出さない」姿勢は大事だが、子どもが助けを必要とするのであれば応じていい

年齢や性格、気質の違い、相性など、様々な要因やケースからそう思いました。

そして、それよりも大きい理由は、(工夫次第で回避できることだけに)おもちゃの貸し借りでお互いが悲しい気持ちになる必要はないと思ったことです。

 

「おもちゃの貸し借り」の場面で、コミュニケーション、つまり社会性を学ぶことよりももっと大切なことは、

  • 「貸したくない」「貸さない」で罪悪感を植え付けないこと
  • 「貸したくない」「貸さない」という意志を持っていいということ

 

子どもは親の反応や対応をよ~く見聞きしています。

自分が「貸したくない」と言ったら、ママやパパはどう思うのか感じ取ります。

ママ・パパが自分の気持ちや意志を肯定的に受け止めてくれたら・・・

子どもは「自分の尊厳を守ってもらえた」みたいな感覚の安心を感じるのです。

それは相手の子も同様で、伝え方次第でこちらの尊重を感じ取って、悲しい気持ちにならずに納得してくれるのです。

 

待った結果現在は?

6歳頃、急なお子様連れの来客あった時、クマノミくんは同じ年の女の子に

「使いたい時はボクに聞いてね」

って自分から言いました。

おぉぉぉ~~~!

女の子は時々聞くのを忘れるけれど、クマノミくんの「これは良いよ」「これはダメ」を確認しながら、仲良くお店屋さんごっこをしていました。

 

6歳なら普通の光景なのかもしれませんが、私にとっては驚きの光景でした。

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7歳10か月の現在、

慣れたお友だちの時はゆとりの対応でほとんど何でも貸します。

初めての子がくる時は、おもちゃを片づけます。

馴染んできたら自然と相手が喜びそうなおもちゃを選んで貸します。

 

すべて自分で感じて自分で判断し、自分の意志で決めます。

 

自分は何者か

日頃のカウンセリングでは、

「自分が本当は何を感じているのかわからない」

「自分は何を考え、どうしたいのかわからない」

「自分はいったい何者なんだろう」

といった言葉をよく耳にします。

 

  • 心・意志 より しつけや教育
  • 感情 より 思考(理性)
  • 自分 より 相手

が優先され続けると、自然な感情が抑圧され、

『本当の自分の感情・気持ち・意志・ニーズ』

がわからなくなってしまいます。

 

わからなくなった

『本当の自分の感情・気持ち・意志・ニーズ』は、

子どもさんの目線に降り、尊重する子育てを通じて育てなおすことができるのです。

 

『おもちゃは貸さなくていい』

もちろんお断りする相手への配慮をすることが前提ですが、この選択肢はきっと人生の質を豊かにする効果があると感じています。

 

以上でした。

さいごまでお読みくださりありがとうございました。