普段ジャンプは「少年ジャンプ+」というスマホアプリで読んでいて『ワンピース』と『BLEACH』『こち亀』くらいしか読んでなかったのですが、たまたま暇な時にこの『ハイキュー!!』『火ノ丸相撲』を流し読みしたら「これやってることはめちゃめちゃ面白いのはわかるけど主人公どいつだよ」ってなってKindleで買って読み返してみたら本当にめちゃくちゃ面白かったという話でした。
『ハイキュー!!』は背は低いが運動神経抜群の主人公・日向翔陽の烏野高校が高校バレー日本一を目指すバレーボール漫画、一方『火ノ丸相撲』はこれまた背は低いが極限まで心と技と体を鍛えた主人公・潮火ノ丸の大太刀高校が高校相撲の日本一を目指す相撲漫画なのです。
ここで俺はある法則を発見しました。それは『少年ジャンプ』という雑誌は定期的に「チビの主人公を起用する」ということです。今連載している漫画で言えば、先ほど紹介した『ハイキュー!!』『火ノ丸相撲』を筆頭にさらに遡れば『黒子のバスケ』『テニスの王子様』『ホイッスル!』『ライジングインパクト』『アイシールド21』『みどりのマキバオー』などなどスポーツ漫画の多くの作品の主人公が「チビ」呼ばわりされているのです。これはジャンプだけに限ったことではなく、例えばマガジンの『はじめの一歩』や『あひるの空』など「現実世界」とは違い、低身長男性キャラの需要は高いのです。
ここまでチビの主人公が多いと正直既視感がハンパないはずなのですが読んでいる読者にそれを感じさせないというのはおそらく読者一人ひとりが心のどこかで「チビ」を求めているということになるでしょう。それに小さくてかわいい男の子を主人公にすることで本来スポーツ漫画で得られにくい女読者の獲得、というのも理由の一つだと考えられます。逆に大きくてかわいくない山田太郎を主人公においた「ドカベン」を読んでいるという女を見たことがありません。おそらく一人もいないでしょう。
では、先に挙げた主人公達が一体どのくらい低身長なのでしょうか。
ハイキュー!! / 日向翔陽...162.8cm
火ノ丸相撲 / 潮火ノ丸...152cm
黒子のバスケ / 黒子テツヤ...168cm
黒子のバスケ モノクロ版 30 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 藤巻忠俊
- 出版社/メーカー: 集英社
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テニスの王子様 / 越前リョーマ...151cm
ホイッスル! / 風祭将...150cm
ライジングインパクト / ガウェイン七海...121cm
アイシールド21 / 小早川瀬那...155cm
アイシールド21 21 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 稲垣理一郎,村田雄介
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- 発売日: 2014/03/19
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みどりのマキバオー / ミドリマキバオー... 100cm
はじめの一歩 / 幕之内一歩...身長159cm
あひるの空 / 車谷空...149cm
スポーツ漫画だけではなく『ONE PIECE』のルフィもあの世界では決して大きい方ではないですし『こちら葛飾区亀有公園前派出所』『ダイの大冒険』『HUNTERXHUNTER』など基本的に主人公は低身長の傾向にあります。現実世界では「3K」すなわち「高身長、高学歴、高収入」の男性が求められていますが、この「漫画」という世界の中では「3T」すなわち「低身長、低学歴、定収入」のキャラクターが重宝されているのは人をステータスだけで判断してしまう現代社会に対する漫画界の「現代社会クソ食らえ」という皮肉か、はたまたアメリカの日本に対する「ジャップはチビでマヌケ」という隠れたメッセージが込められているのでしょうか。そんなわけない。