ブロッコリーのような天然パーマがトレードマークの主人公、久能整(くのうととのう)が事件の謎に迫る映画「ミステリと言う勿(なか)れ」。田村由美さんによる人気漫画が原作で、2022年にフジテレビで連続ドラマが放送され、翌23年に俳優の菅田将暉さんがドラマと同じく整役を演じる映画として公開された。
原作の「広島編」を基にした物語で、広島県を訪れた整が代々遺産争いで死者が出るという名家「狩集(かりあつまり)家」の相続事件に巻き込まれていく。狩集一族を町田啓太さん(東吾妻町出身)、原菜乃華さん、柴咲コウさんらが演じ、脇を固めた。
狩集家の邸宅シーンは岡山県、神奈川県など複数の場所で撮影した。一部のロケが前橋市の臨江閣(国重要文化財)、甘楽町の楽山園(国名勝)などで行われ、県発行のロケ地マップで紹介された。
整は独特の語り口で事件の真実に迫りつつ、登場人物の悩みさえも解決していく。県内の舞台を訪れ、庭園の穏やかな景色や歴史的な建築に触れると、気持ちがほぐれていった。