日本海軍はなぜ過ったか(岩波現代文庫)

海軍反省会四〇〇時間の証言より

フォーマット
単行本 岩波現代文庫

勝算もなく,戦争へ突き進んでいったのはなぜか.海軍エリートたちの生の声.その衝撃的な証言をめぐる白熱の鼎談.

ジャンル
書籍  > 岩波現代文庫  > 社会
日本十進分類  > 歴史・地理  > 日本歴史
通し番号
社会288
刊行日
2015/07/16
体裁
A6・並製・カバー・222頁
ISBN
9784006032883
Cコード
0121
在庫
在庫あり
この本の内容
目次
著者略歴
勝算もなく,戦争へ突き進んでいったのはなぜか.「国の将来なんか考えるよりも」「どんどん勢いに流されていった」――.太平洋戦争の作戦立案をした海軍トップエリートたち.その生の声を記録した「海軍反省会」録音テープによって,はじめて明かされる日米開戦の内実.その衝撃的な証言をめぐる白熱の鼎談を収録.


■内容紹介
「あなたは戦,勝つと思ったですか.」
「それはわからないですよ.」
「しかしね,勝つとは思わないでしょ.」
「勝つつもりでやっているわけですよ.」(笑)
――「海軍反省会」証言より

 戦後35年を経て密かに始められた「海軍反省会」.それは,旧日本帝国海軍の元将校たちが,「海軍は美談も多かったが,反省すべきことも少なくない」として,上司,先輩,同僚,すべての者への批判も含め,忌憚なく意見を交わしあう場として設定されました.会は毎月1回,10年以上にわたり,130回を超えて開催されましたが,それが部外者に公開されることは決してありませんでした.
 その反省会を記録した録音テープが残されていることがわかり,収集されたのが2006年.最後の反省会から15年余経ってのことです.録音テープの長さは合計400時間.そこには,これまで知られることのなかった海軍トップエリートたちの実像,そして戦争突入への実際の経緯が生々しく語られていました.
 本書では,それらの肉声の証言がもたらした衝撃をめぐって,戦争を実際に経験し,あるいは長く取材をおこなってきた三人の著者たちが,白熱の議論を繰り広げます.戦争を知らない若い世代にもぜひ読んでいただきたく,脚注を施して作りを工夫しました.また,現代文庫に収録するにあたり,戦後70年にあたっての著者たちの言葉が加わりました.
 勝算もないまま,なぜ日本は戦争に突き進んでいったのか? 海軍反省会の「反省」が本当に活かされるために,あらためて読み直したい一冊です.
 はじめに――「海軍反省会」と私たち  藤木達弘
 海軍反省会と,その記録については  戸髙一成

1 海軍反省会,生の声の衝撃
 取材で関わった海軍の人々
 反省会を構成したメンバー

2 海軍という組織
 軍令部総長,伏見宮
 開戦前の日本をめぐる国際情勢
 第一委員会の問題
 軍事予算と軍備計画
 海軍の作戦構想

3 海軍はなぜ過ったのか
 長期展望の欠如
 「それで勝てると思っていた」
 排除の論理
 組織の思考能力
 エリートたちの過ち

4 戦争を後押ししたもの
 日露戦争以来の大国意識
 開戦のための計画
 国民の熱狂
 一銭五厘の葉書
 特攻計画への決断

5 海軍反省会が伝えるもの
 責任の所在
 歴史を学ぶということ

次世代へ伝えたいこと――私の戦争体験
 歴史から人間を学ぶ――東京大空襲の夜
 無知なる恥ずかしさ――満州からの引き揚げ
 中継ぎ世代の任――代わりに言う
 戦争体験の物語化への危惧

 おわりに  半藤一利・澤地久枝・戸髙一成

 特集番組「日米開戦を語る 海軍はなぜ過ったのか~400時間の証言より~」番組スタッフ
澤地久枝(さわち・ひさえ)
1930年東京都生まれ.敗戦で旧満州より引き揚げ,のち中央公論社勤務を経て,ノンフィクション作家.主な著書に『妻たちの二・二六事件』,『火はわが胸中にあり』(日本ノンフィクション賞),『滄海よ眠れ』『記録ミッドウェー海戦』(ともに菊池寛賞)など.

半藤一利(はんどう・かずとし)
1930年東京都生まれ.文藝春秋で「週刊文春」「文藝春秋」編集長,取締役などを経て作家.主な著書に『日本のいちばん長い日』,『ノモンハンの夏』(山本七平賞),『昭和史』(毎日出版文化賞特別賞),『あの戦争と日本人』,『十二月八日と八月十五日』など.

戸髙一成(とだか・かずしげ)
1948年宮崎県生まれ.財団法人史料調査会理事,厚生省所管「昭和館」図書情報部長などを経て,呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)館
長.著書に『聞き書き・日本海軍史』,『海戦からみた日露戦争』など,編書に『証言録 海軍反省会』など.
岩波現代文庫

1,309

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