カレー好きならあらためて「スリランカカレー」の魅力についておさらいしておきたい【10種類盛りスリランカカレープレート】

ここ数年、ブームとなったスパイスカレー。そのルーツのひとつとしてスリランカのカレーからの影響があると言われています。今回はその味でカレーマニアから絶賛されるバンダラランカさんを紹介します。

パワーチャージしたい時のファーストチョイスはこの一皿

ここ一番に備えて元気をつけたい時、真っ先に向かうレストランがあります。

四ツ谷の閑静な住宅地にたたずむ瀟洒(しょうしゃ)な建物の1階にあるスリランカ料理レストラン・バンダラランカ(BANDARA LANKA)。

東京メトロ丸の内線四谷三丁目駅、JR信濃町駅からそれぞれ徒歩8分ほどです。

 

住宅地を歩いていると、アートコンプレックスセンターという美術館風の建物が突然現れます。その建物の1Fにバンダラランカがあり、2階には複数のギャラリースペースがあります。いつもいろいろなジャンルの興味深い展覧会が行われているので、食事の前後に見て回るのも毎回の楽しみです。

 

ランチタイムのメニューは、スリランカカレープレート1種類。デザートとセイロンティー付きです。

 

入り口にはテイクアウト用のメニューがあります。テイクアウトはランチタイムでも他のメニューがあります。チキンカレーセット、ビリヤニ、おつまみセット、海老カレーセット。ランチを食べた後にテイクアウトして夕食にするのもありですね。

 

東京都心に突然現れるスリランカのリゾート

オーナーのBANDARA(バンダラ)さんとシェフの皆さんが出迎えてくれました。

店内もキラキラでゴージャスです。

物腰がシュッとしていて日本語も上手なバンダラさんにお話を伺いました。

 

バンダラさん:日本の皆さんに、本物のスリランカ料理を味わっていただきたいです。私は以前、一流ホテルで働いていたので、そういう雰囲気になるようにしています。うちのスタッフは全員ホテルのスタッフ出身です。お店の雰囲気もスリランカのリゾート地のようにしています。
ここに来てスリランカを味わってほしいのです。そして「スリランカいいな、行ってみたいな」とそこまで思ってもらうのが私の考えているコンセプトです。

 

自然光の差し込む店内はインテリアも凝っていて美しく、スリランカのリゾート地に来たような気分になれます。

 

──スリランカをよく知らなかった人でもここに来るとすてきなところだと思いますよね。

 

バンダラさん:そうなんです。「これからスリランカに行きます」とか「スリランカに行ってきました」っていうお客様も多いです。

 

──バンダラさんはどういう経緯で日本にいらしたのですか?

 

バンダラさん:2002年に留学生として日本に来ました。その前はスリランカでホテルマンとして働いていました。日本で日本語学校に入って、その後、日本でもホテルで働きたいと思ってホテルスクールに入りました。
卒業後は日本のホテルで働いていました。外資系の一流ホテルばかりです。そして、本当は日本で事業をしたかったので勉強の意味もあって、インターセクト バイ レクサスで4年間勤めました。

 

──どうして日本を選んだのですか?

 

バンダラさん:日本の文化に興味がありました。スリランカには日本の車がたくさん走っているんですよ。ほとんど日本の車。

 

スリランカが詰め込まれたワンプレートランチ

さて、お待ちかねのスリランカカレープレート、バンダラさんが持ってきてくれました。

 

▲スリランカカレープレート(デザートとセイロンティー付き)/2,300円

 

──2018年に開店した時、ランチはビュッフェでしたね。

 

バンダラさん:そうです。最初はビュッフェだったんですが、その後コロナ禍の時期にワンプレートに切り替えたんです。その時にテイクアウトも始めました。

 

──今、日本ではビリヤニがちょっとしたブームなのですが、テイクアウトだけなのですね。

 

バンダラさん:ビリヤニは他の国からスリランカに来た料理なので。スリランカ料理というと、こういうワンプレートのものになります。ディナーメニューにはビリヤニもあります。

 

ソフトドリンクもスリランカらしいものがあります。

 

▲EGBジンジャービア/770円

 

EGBジンジャービアはノンアルコールのスリランカのジンジャーエールです。香りが良くておいしいので、スリランカ料理店にあると喜んでオーダーします。

 

アルコールドリンクもライオンビール、蒸留酒のアラックなどスリランカのものがあります。

 

スリランカカレープレートは2種類のライスの上に10種類のおかずがのっています。

 

バンダラさん:うちはおかずの種類が多くて10種類くらいあります。お客様にたくさんの種類の料理を楽しんでいただけるようにと考えて、このようなワンプレートのランチになっています。スリランカといえば紅茶なので、紅茶とデザートもつきます。コーヒーはないです。

 

──10種類のおかずは季節によって変わるのでしょうか?

 

バンダラさん:そうです。季節によっても日によっても何種類か変わっています。夏だったら夏の野菜という感じで。ジャックフルーツは日本のお客様には珍しいと思うのでいつも入れるようにしています。

 

写真の上部3種類は左から、パリップ(レンズ豆のカレー)、鶏肉のカレー、ポルサンボル。

ポルサンボルはココナッツとモルディブフィッシュの鰹節のようなものを使ったふりかけ、その横に隠れているのがミックスマッシュルームとジャックフルーツのカレー。ミックスマッシュルームとジャックフルーツが同じような茶色なのでよくわからなくなっています。

真ん中に立っているのはパパダン(豆のスナック)、パイナップルです。

 

バンダラさん:うちは味付けをスリランカのままで変えていないんです。なので、結構辛いです。辛い時にはパイナップルを一緒に食べるといいですよ。

 

おかずはまずは1種類ずつ味わってみて、その後は少しずつお好みで混ぜていただきます。鶏肉のカレーは濃く深くスパイシー、結構辛いです。

優しい甘さのパリップやかぼちゃも入っていて、味のバランスをとってくれます。

全体的にスパイシーで、辛さも日本のカレーの基準でいうと辛口です。

 

──肉のカレーは1種類ですね。

 

バンダラさん:はい、肉のカレーは1種類で、いつも鶏肉です。鶏肉なら、国籍や宗教など、さまざまなバックグラウンドの人が食べられるから。

 

──ディナーでは他のお肉も使いますか?

 

バンダラさん:はい、ディナーだと他の肉もあるし、魚とか海老、シーフード料理もあります。スリランカはシーフードもよく使います。

 

左から、ビーツのカレー、ケールのココナッツ和え、大根のスパイス炒め、ココナッツミルクをベースにしたかぼちゃ。

一つ一つがまったく違う味付け、食感なのでワンプレートの中でさまざまな料理をフルコースでいただいているような感覚です。そして、全体的に油が少なく、すっきりさっぱり! ややもすればカレーライスには太るイメージがありますが、このプレートなら毎日食べたくなりますね。

 

バンダラさん:うちの料理はカレーではなくスリランカ料理なんです。カレーを食べる、という感じではなく、スリランカ料理を召し上がっていただきたいです。

 

これがジャックフルーツ。フルーツですが未熟な実を使っているので、甘くはなく、やや酸味がある爽やかな野菜という感じです。食感はパイナップルに似ていて、味付けはこれもキリッと辛口です。

 

バンダラさん:ジャックフルーツなど日本であまり食べない材料は、スリランカ食材の専門店から仕入れています。

 

ライスは2種類が盛り合わされています。どちらもスリランカの米です。黄色いものはキーリサンバというスリランカの米をターメリックで炊いたもの、赤いものはラトゥキャクルという赤米です。どちらもパラリとしていて、微妙な食感の違いと香りを楽しめます。

全部いただくとかなりの満足感。

時間の余裕がある時に、お酒やジンジャービアをお供にくつろいだら、そのままスリランカのリゾートにいる気分になれますよ。

 

食後にはデザートとセイロンティー。スリランカは紅茶の産地として有名です。こちらでもこだわりの紅茶を何種類も用意しています。

 

▲(左上から時計回りに)ココナッツのトフィー、セモリナ粉のロランケーキ、バナナケーキ

 

手作りのデザートは日替わりです。上品な甘さで、紅茶に合います。

 

紅茶とはちみつが購入できます。紅茶はもちろんスリランカ産、はちみつはなんとこの建物の屋上で取っているものなのです。

 

スリランカといえば、ハーブとオイルを使ったマッサージトリートメント、アーユルヴェーダも有名です。バンダラランカが手掛けるアーユルヴェーダサロン・Samadhi Lanka Ayurvedaは店から徒歩5分くらいの場所にあります。

アーユルヴェーダ&スリランカ料理の組み合わせで、全身でスリランカを感じられると思いませんか?

 

午後のひととき、一瞬でスリランカ気分になれるバンダラランカ。

日本の夏に疲れたら、四ツ谷でスリランカのリゾートに癒やされに行ってみましょうか。

 

お店情報

BANDARA LANKA Sri Lankan Cuisine & Ceylon Tea

住所:東京都新宿区大京町12-9 アートコンプレックスセンター1F
電話番号:03-6883-9607
営業時間:ランチ11:00〜14:30(LO.14:00) ディナー17:00〜21:30(LO.21:00)
定休日:月曜日 第2、第4火曜日

www.bandaralanka.jp

書いた人:工藤真衣子

工藤真衣子

カメラマン。美しい人が好きなのでグラビア、音楽が好きなのでライブ写真、映画やドラマが好きなのでスチール写真、美味しい食べ物が好きなのでグルメ写真。雑誌、WEBなど各メディアで活動中。趣味は美味しい料理を作って食べること。子供写真スタジオ「アトリーチェ」の経営もしております。

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