ファンにも、環境にもうれしい選択。
6月上旬、イギリスのロックバンドRadiohead(レディオヘッド)ボーカルのThom Yorkeのミニディスクが盗まれ、ハッカーから身代金を要求されていたことが明らかになっています。アーカイブ(1.8GB)には、OK コンピューターの時期の音源(18時間分)が収録されていました。
音源リークの噂がたったのは先週、redditの掲示板でのこと。その後、バンドは噂を認め「15万ドルを支払わない限り音源を公開する」とのメッセージも受けていたようだと発表しています。
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— Jonny Greenwood (@JnnyG) 2019年6月11日
...と、ここまで聞くとバッドニュースのようですが、Radioheadはもちろんハッカーに屈することはありませんでした。彼らがとった対応はというと「文句を言ったり無視したりする代わりに、環境市民運動団体 Extinction Rebellion(エクスティンクション・レベリオン)へのサポートとして、18時間のアーカイブすべてをリリースする」だったのです。18日間という期間限定で、現在Bandcampにて18ポンド(2500円弱)で販売されています。
アーカイブの中身は人気曲のレコーディングなど
18時間という長さにも及ぶアーカイブで『Paranoid Android』などのヒット曲や、『Lift』などファンに人気の曲(でしかも、レコーディングから20年後に公式リリースされた)の複数のレコーディングを聞けるのはファンにとってもまたとないチャンス到来です。
売上は環境団体に寄付
今回の売上については、Extinction Rebellionに全額寄付することを明らかにしています。 同団体は、今年初旬にロンドンを大規模閉鎖して英国議会に世界初の気候非常事態の宣言を促したことで知られていて、プレスリリースではRadioheadへの感謝の意を示しつつ「言葉では不十分なことも、行動することで世界は変えられる」とメッセージを打っています。
Radioheadは、これまでにも音楽を通じて気候変動に関して人々の意識を高めようとする活動を行なってきました。今回の音源リリースは、Radioheadのファンで、かつ環境問題をどうにかしたいと考えていた人には最適なお金の使い方といえるかもしれません。