AppleはMacBookを見放すの?
今か今かと「MacBook Pro」や「MacBook Air」の新発表を待ちながら、本日の「WWDC 2016」基調講演を眺めていた皆さま、本当に残念な限りでしたよね。WWDCがMacの祭典だったのなんて、今は昔の話。OS Xが「macOS」にネーミング変更になった以外、Macのハードウェアに関する発表はなく、iOSの新発表に終始したWWDCに終わってしまいそうです。
しかしながら、MacBookまわりの新発表が欠落していたことには、大きな疑問符を投げかけざるを得ません。そもそもWWDCの会場では、9割9分のプログラマーがMacBookを持ち込んでいるのを目にするのが普通なのです。そして、その多くが新モデルを出せば速攻で買い替えたいと考えていることでしょう。
ちなみに、直近でMacBook Proの新モデルが発売されてから、すでに390日が経過しました。さらにMacBook Airにいたっては、前回の新モデル発売から460日が経過してしまっています。つまり、もう優に1年以上もの間、なんのアップデートもなされていないということなんですよね。その間、OLEDディスプレイやタブレットになる2in1モデル、USB type-CにThunderbolt 3などなど、ほかのラップトップでは、続々と新たなデザインや仕様が採用されてきたというのに…。
はっきりと言いましょう。今MacBook ProやMacBook Airを購入する人は、高いお金を払って、時代遅れなガラクタを手に入れるようなものです。たとえば、15インチのRetinaディスプレイを搭載したMacBook Proなんて、搭載されているプロセッサは3年落ちのまま! これに数千ドル(日本の定価だと税別224,800〜282,800円)も注ぎ込む価値なんてあるでしょうか?
ワークステーション級のハイパフォーマンスを求めてMacBook Proを購入してきた人にとって、WWDCでティム・クックCEOの語った「コンピューティングの未来」が、とても今のMacBookのハードウェアにあるとは感じられなかったことでしょう。同じように、非力な型落ちのMacBook Airを買うくらいなら、Googleの「Chromebook」でも買うか、iPadで満足しているほうがマシかもしれません。
Appleが、デスクトップから離れ、モバイルのiOSに全力投球するのは仕方がないでしょう。だって、結局儲かっているのは、macOSよりiOSという紛れもない事実があるのですから。
このまま永遠にMacBook ProやMacBook Airの新モデルの発表がないと決まったわけではありません。でも、このタイミングを逃したAppleにとって、ユーザー離れは避けられず、Appleにもユーザーにも残念な現状が続きそうです。少なくとも今の段階で、MacBook ProもMacBook Airも買ってはいけないというアドバイスは間違っていないでしょうから。
Alex Cranz - Gizmodo US[原文]
(湯木進悟)