「スター・ウォーズ」シリーズおなじみのプロトコルドロイド「C-3PO」ですが、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」では左腕が赤くなっていたため、一瞬別人だと思った方もいるかもしれません。
なぜC-3POの左腕が赤くなっていたのか? は長らく謎でしたが、ついにMarvelのコミック「Star Wars; C-3PO #1」でその理由が明らかになりました。
以下、コミックのネタバレがありますので、これから読む方はご注意ください。
実は赤い腕がどこから来たのか? については「Star Wars: The Force Awakens Visual Dictionary」にも記されています。それによると、この赤い腕は犠牲となってしまったあるドロイドのもので、その思い出のため、C-3POは自身に装着したとのこと。一方で、この件に触れるとC-3POは柄にもなく静かになる、とも書かれています。
そして今回のコミック版で明らかになった、C-3POが赤い腕を装着した理由の全貌は以下の通りです。
C-3POとレジスタンスのドロイドたち、そしてレジデンスが捕らえたファーストオーダーのRA-7プロトコルドロイド「Omri」ら一行は、とある惑星に不時着。同乗していた人間の乗組員たちは全滅してしまいます。
Omriはファーストオーダーによって捉えられたアクバー提督の居場所に関する情報を知っており、レジスタンスは処刑される前にアクバー提督を助け出そうとしていました。アクバー提督の名台詞からもお察しの通り「It's a trap!」(これは罠だ!)だったわけですが、そうとは知らない一行は惑星の反対側から発信される撃墜されたTIEファイターからの救難信号をたどった時間との戦いに挑みます。その道中で仲間のドロイドたちは次々にやられてしまうのです。
Omriはかなりのニヒリストで、「ドロイドなのになぜどちらの側につくなどという概念があるのか?」、「ドロイドに人間のような勇敢さや自己犠牲が可能なのか?」などの疑問を投げかけてきます。
また、「スター・ウォーズ」の世界でドロイドに対して時折行われる「メモリーの削除」についてもOmniは話題にしています。
C-3POはエピソード1~3でR2-D2とともに活躍し、オビ=ワン・ケノービらとも知り合いでしたが、エピソード4ではケノービらを知るそぶりを見せません。これはベイル・オーガナ(レイアの養父)によって、エピソード3の後にメモリーを消去されているからです。
こうしてメモリーを消され、幾度もの人生をプログラムされ、自らが誰であるかを書き換えられているにも関わらず、時折過去の出来事の断片がフラッシュバックとしてよみがえるため、ドロイドたちは自らの過去に対する答えの出ない疑問を持ちます。
Omniは高い感覚性を持つプロトコルドロイドとして生み出されたため、他のドロイドよりもこれを強く認識してしまい、「私たちプロトコルドロイドの呪われたさだめ」と「メモリーの削除」に関して語っています。
結局、救出に向かったドロイドたちはみんなを逃がすために巨大なスパイス・スパイダーの群れに餌食となったり、流砂のようなオイルに飲み込まれたり、ハエのような生き物に連れ去られたりしてしまい、物語は一気に暗いムードに……。
そんな中、C-3POは腕をもぎ取られてしまうもののなんとか助かり、最終的にはニヒルなOmriと2人きりになります。Omriはこの旅で倒れていったドロイドたちが、自分たちよりも新しいモデルであることに気づき、これが彼らの「最初の人生」だったのだろうか? と問うのでした。
しかし、そこへ酸性の雨が襲い、2体とも助かるのは無理な状況に。OmriはC-3POにアクバー提督の居場所を伝えると、勇敢にも酸性の雨へと足を踏み出し、自らを犠牲にするのでした。
酸性の雨に打たれて黒光りするOmriの塗装が剥げてあらわになったのは、Omriの「過去の人生」での色でした。
「……しばらくつけておくよ。覚えておくために」
こうして、C-3POは自らを犠牲にしたプロトコルドロイドの「赤い腕」とともに「フォースの覚醒」の作中を過ごすことになったのです(感極)。
なお、その後C-3POが酸性雨の惑星から助け出され、アクバー提督が救出される場面はユーモアたっぷりなレゴアニメ「Lego Star Wars: The Resistance Rises」で描かれています。
James Whitbrook - Gizmodo io9[原文]
source: Wookieepedia - Wikia
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