絶滅の日は近い? バンクーバーがドアノブ禁止令

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絶滅の日は近い? バンクーバーがドアノブ禁止令

握れるうちに握っておきましょう。

くるっと回すドアノブ…が、カナダのバンクーバーで全面禁止になりました。

9月に建築基準法の改正案が市議会を通過し、新築の建物からドアノブは全面撤廃になり、ドアも蛇口もレバー取り付けが義務化されたのです。

施行前に取り付けたドアノブはそのまま使っていいらしいんですけどね。

撤廃の理由は、誰でも平等に使える「ユニバーサルデザイン」を優先するためです。ブリティッシュコロンビア大学ソーシャルワーク学部長のティム・ステイントン(Tim Stainton)教授はバンクーバー・サンの取材にこう語ってます。

要するに、万人が普遍的に使える環境をつくろうっていう発想です。旧モデルは有用モデルでした。つまりあるスペースがあって、必要に応じてそのスペースを障がいのある人も使えるかたちに変えるという発想です。が、ユニバーサルデザインは逆転の発想で、最初から最大限の人が使えるよう全て作るっていうことですね。



例えば最も単純なのは歩道の段差をなくすこと。こうすれば高齢者、目の不自由な人、ベビーカーのママにも安心ですよね。一部の人が大変な思いをする歩道も万人にアクセス可能になります。

なるほどねぇ…ドアノブだと掴んで回せない人もいますものね…。実際、障害を持つアメリカ人法(Americans with Disabilities Act:ADA)の中小企業向けガイドライン(pdf)でも、一部の人に使いにくいドアの問題を取り上げ、把手はレバーを推奨しています(下図)。

131119Doornob_banning_a.jpg

バンクーバー市はカナダで唯一、市独自の建築基準法をもってる市なので、ここで施行された法律がブリティッシュコロンビア州の建築基準法、ひいてはカナダの建築基準法に波及することも珍しくありません。カナダが導入すればお隣のアメリカが追随することも全くない話ではなさそう。

機会平等という意味でも大事なことなので、そのうち「昔はドアノブっていうのがあって、ドアは握って回して開けたのよ」と孫に言って聞かせる時代になるかもしれませんね。

The Vancouver SunADA.gov

Image: Shutterstock/Mrsiraphol

ASHLEY FEINBERG(原文/satomi)