このビデオは雪山スキーをしていたスキーヤーが雪崩に巻き込まれ生き埋めになり、掘り出されるまでの一部始終を、ヘルメットに装着したビデオカメラで撮影したものです。
幸い、数分で掘り起こされ大事には至りませんでしたが、生死の狭間を漂うのを追体験できます。
このスキーヤーはグループの先頭で雪山をおりはじめたところ、雪崩に遭遇しました。Black Diamond Avalungという雪崩に巻き込まれたときに呼吸ができる機能をもつスキーパックを装着してたのですが、吸気チューブをうまく口に入れることができません。一応口の角にはとどまっていたのですが、いざ吸おうとすると雪が口の中に入ってきて、口の中で凍ってしまったそう。
通ったルートは予定されていたコース通りだったのですが、予想外にやわらかい雪で、何回かターンしているうちに肩まで雪に埋まってしまいました。そして雪崩が発生したのです。雪崩は約20秒続き、30mほど落下しました。
埋まっていた時間は4分半と短いものだったのですが、その間はまさに生きた心地がしません。画像は変化なく、暗い雪を映し出すだけ。音はスキーヤーの息と、もがいてジャケットの擦れるものだけ。さらにその息づかいはだんだんと早くなり、唾を飲む音が生々しいです。幸い彼の右グローブが埋まる直前に脱げ、位置がわかったのですぐに仲間に掘り起こされて助かりました。この貴重な映像が「奇跡の生還映像」になって、本当によかったです。
詳しいストーリーはリンク先をどうぞ。
[Vimeo via Andrew Pile]
Adam Frucci(原文/野間恒毅)