いやはや泥棒さんも、さぞかしビックリだったでしょうね...
深夜の住宅街で、日本刀にて手や耳を切り落とされたドナルド・ライスさんがとどめの一撃を食らって即死状態で発見されましたよ。その横にはサムライ映画の殺陣シーンよろしく、鋭い目つきでカタナを握りしめた、20歳大学生のジョン・ポントリロ君が立っていたのでした!
おぉぉ、身の毛もよだつような殺人現場ですよね。ただ、この事件、侍スタイルでライスさんを斬り殺したポントリロ君は、何の罪にも問われることなく不起訴処分となる可能性も高いんだとか。えっ、マジで~と、すでに全米各地で賛否両論激しく入り乱れる議論が戦わされてもいるようですよ。
そのカギとなるキーワードは「正当防衛」なんですけど、う~ん、これって日本だとどうなるんでしょうか? 武装ガジェットの1つや2つ、すぐ部屋から持ち出せるぜいってギズ読者の皆さまにも、かなり気になるポイントではありますよね。
ではでは、動画と一緒に、続きから事件当日の様子を詳しく検証してみましょう。
米国メリーランド州ボルチモアの名門私立ジョンズ・ホプキンス大学に通うポントリロ君が、友人学生と共同生活をする寮で異変に気づいたのは、夜の8時頃でした。その日の昼間まで普通に部屋に置いてあったノートPCやプレイステーション本体が、何者かに持ち去られてしまっていたのです。明らかに屋外から侵入された形跡があり、すぐさま警察へと泥棒の被害に遭ったことを連絡したのでした。
愛機を奪われて、ショックも覚めやらぬまま床に就こうとした途端、何やら階下で耳慣れぬ物音がするではありませんか。すぐさま反射的に護身用の日本刀を手にしたポントリロ君は、様子を確かめるべく階下へと全力ダッシュ...して駆けつけてみると、不審な40代の男性と鉢合わせになってしまったのでした!
「はっきり言って、怖かったですよね。押し入ってきた泥棒と相対面するなんて、まさに生まれて初めてのことでしたから。しかも、家のドアを背にして、泥棒の退路を阻むようなポジションに立ちふさがってしまったため、何か言葉を発した泥棒が、ボクに向かって飛びかかってきたんですよ...」
そう振り返るポントリロ君は、その後のことは、もう無我夢中でハッキリとは覚えてないんだそうです。ただし、お気に入りのサムライ映画「キル・ビル」で見たとおり、カタナを構えたポントリロ君は、一歩も退くことなく泥棒へと斬りかかり、逆に襲いかかってきたライスさんを殺害してしまう事件となってしまったのでした。
ちなみに、この昼間にメボシをつけておいて、再び深夜に押し入ってきたライスさんは、前科29犯の罪に問われた名うての強盗犯だったようでして、日本刀で斬り殺しちゃうのはあんまりかもしれないけど、でも、ポントリロ君は悪くないんじゃないかな~という見方も主流なんだそうですね。
「ここボルチモアでは、たとえ本物の日本刀であったとしても、個人が家庭で自由に所有することが認められている。それゆえに、この少年の行動は、野球のバットを振り回して暴漢に立ち向かったことと大した違いは認められない」
そう警察当局もポントリロ君を擁護する見解まで出しちゃってますよ。さすが銃社会のアメリカは、武器の使用に対しては太っ腹ですよね。
ところで、この事件の後、一体どれくらいの学生が侍ブームにはまって、部屋に日本刀を置くまでになっているのかを学内で調べてみたところ、驚くほど多くの学生たちがカタナを所有していることに、ちょっと大学側はビックリしてしまったんだそうですよ。オンラインで50ドル(約4500円)くらいから、本格的な日本刀が買えちゃうんですってね。泥棒さんも、命懸けで押し入ったほうがいいですね...
「もし自宅に強盗が侵入してきた時には、速やかに警察へと911通報(日本だったら110番ですね)をし、警察が到着するまでは、こちらから反撃したりすることなく、自分の身の安全を確保できる場所へと逃れるようにお勧めする」
そう学長からの通達が出されて、ほぼ今回は一件落着となりそうな雰囲気なんですけど、このご時勢、いつ犯罪に巻き込まれるかなんてわかりませんから、日頃から十分な備えだけはしておきたいものです...
[Baltimore Sun and ABC2 News]
Danny Allen(原文/湯木進悟)