久しぶりにやみつきになる味に出会った。「佐野ラーメンやきそば」である。


佐野ラーメンといえば、栃木県佐野市が誇るご当地ラーメンだ。店頭でパッケージをみたとき、まず浮かんだのが、「ラーメンなの?」「焼きそばなの?」という素朴な疑問。しかし、パッケージの写真や説明文から、アイテムとしては焼きそばであることが判明した。

どうやら佐野ラーメンの麺と特製のスープを使った、“佐野ラーメン風のやきそば”ということらしい。正直、こういう個性的な商品はインパクトの割に味がイマイチということもある。でも佐野ラーメンそのものは好きだし、どんな味かという好奇心も手伝って、とりあえず一箱買ってみることに。

家に帰って食べてみると、なるほどたしかに旨い。思わず膝を打ってしまうほどの絶品! というわけではないが、普通においしい――そんな感想を抱きながら食べ進めていると、途中からアレ? と感じるようになった。

どういうわけか、美味しさが増しているような気がするのだ。もちろん味は最初から変わっていないが、旨さが妙に後を引く。おそらく薄過ぎず、濃過ぎずの絶妙なタレの風味のせいだろう。太めのもっちりした麺の歯ごたえもたまらない。


実は1食では飽き足らず、続けて2食も食べてしまった。麺は一袋150グラム入りなので決して量は少なくないし、とくに私が大食いというわけでもない。まさに、やみつきになる味なのだ。

販売している有限会社メープルSYに問い合わせてみると、
「佐野ラーメンを使って、一風変わった商品を作りたかったんですよね」
とサラリ。やはりこだわりは特製のタレだそうで、
「チャーシューを入れると美味しいですよ」
基本的な作り方は通常の焼きそばと同じだ。

商品は今年の夏に発売されたばかり。特製タレのついた醤油味のほかにソース味もあるので、“焼きそばにはやっぱりソース味じゃなきゃ!”という人はそちらをどうぞ。価格はいずれも3食入りで630円。ただ販売場所が東北道の佐野サービスエリア(上り)限定というのがファン泣かせ。

簡単に手に入らないとなると、余計に食べたくなるもの……。やみつき覚悟で、ぜひどうぞ。
(古屋江美子)
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