長野県にはクラス替えがない!?
クラス替えという「イベント」、経験してみたかった……。卒業アルバム見返し、ひとつため息。
長野県出身の私。小・中・高、いずれも進級時の「クラス替え」を経験したことがない。

「今度は仲良しの○ちゃんと一緒かな」とか、「大好きな△くんと一緒だといいな」なんてほのぼの&スイートなハラハラ体験を知らないわけで、私の中ではほとんどマンガやドラマの世界での「イベント」だった。

クラス替えがないことが「特殊」ということは、その後上京するまでまったく知らず、
「え! クラス替えがないなんてカワイソウ」「いじめられっ子や、すごく仲悪い子がいたらどうするの?」なんて言われて、ひどくビックリしたものだ。ときには、
「これだから長野は閉鎖的なんだ!」などと、私にはまったく責任のない非難までされることもあり、その都度、超ふるさとラブな私としては、
「長年一緒だと団結力が高まるんだよ」などと返してきた。

でも、実際のところ、他県の人たちが1年同級だっただけでクラス会をやっているのに対し、自分のクラスは“こぢんまり会”はやっても「オフィシャルクラス会」はほとんどやってない。結局、団結力、全然高まってないってか!?

では、なぜ長野ではクラス替えをしないのか。同じ長野県内でも、クラス替えがある地域、ない地域があるのか。もしかして今は、やってたりするのか?
長野県教育委員会に聞いてみた。

「クラス替えは市町村や県教育委員会で決めるものではなく、各校の校長の裁量に任されているんですよ」
クラス替えの有無は各校長が決めていたなんて!
そんなわけで、県統一の教育方針でもなければ、県内での地域差などは特に調査していないという。

だが、実際、クラス替えがない学校は長野県内にかなり多く、特に中学校にいたってはほとんどクラス替えがないものだったのだそうだ。
「ただし、小学校の3年から4年でクラス替えするところは増えてますし、ここ数年で、中学の1年から2年でもクラス替えする学校が出てきています」
これは、「人間関係がむずかしい状態になってきた現状に合わせた変化」だとか。

じゃ、もう1度聞く。昔はなんでクラス替えがなかったんですか。

「一長一短なので、昔もクラス替えがないことを『よくない』とする意見も、当然あったことと思われます。そうした意見も加味した上で『クラス替えしない』のが普通だったんでしょう」
うーん……わかったような、わからないような。
(田幸和歌子)
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