「衆議院は部屋の中でタバコ吸えるのですよ」とツイートしたのは自民党参議院議員・小野田紀美氏。
そんな中、党内から上がった、他人の煙を吸い込むことへの苦痛を訴える声。自民党はやはり、受動喫煙対策への意識が低いのだろうか。
「基本的には禁煙」の衆議院。しかし「各政党の控室」という抜け穴が。
もちろん、衆議院の建物内で自由に喫煙できるわけではない。BuzzFeed Japan Medicalが衆議院と参議院それぞれの広報に問い合わせると、両院とも喫煙は基本的に、建物内の喫煙スペースでのみ可能ということだった。
ところが、抜け穴もある。衆議院の広報担当者は「各政党の控室」は例外で、「喫煙可能かどうかは、それぞれの政党の自治に委ねられている」と回答。参議院でも同様だった。
自民党の両院議員総会が11月1日に開催されたのは、まさにこの「各政党の控室」の1つ。最大政党の自民党に割り当てられた、大きな部屋だ。
そこで自民党に取材を申し込んだ。自民党の総務局担当者は「国会の運営に関することなので、ルールはそれぞれの国会対策委員会が決めている」と回答。
自民党の参議院国会対策委員会の広報担当者によれば、参議院については小野田氏の指摘のとおり「基本的に禁煙」だった。
1部屋だけ喫煙可の「5〜6人が入れるサイズの、煙を吸い取る機械のある、ボックスのような形状のブースがある」という。
では、衆議院はどうか。自民党の衆議院国会対策委員会の広報担当者は、取材に当初、「両院議員総会が開催されていた部屋は“分煙”されていた」と主張した。
“分煙”なら、なぜ小野田氏が指摘したように、煙が非喫煙者の方に漏れていたのか。その方法について質問すると「特に区切りなどはしていない」「区切りなんかしたら、会議にならないじゃないですか」(同担当者)
区切りなどがないのに、分煙と言えるのか。同担当者は「定義はわからない」として、明確に回答せず、次のように繰り返した。
「喫煙をされる議員の方には、後の方に座っていただくようにしています」「煙が来たという参議院議員の方は、そのことを知らなかったのでは」
衆議院の他の自民党の控室では、部屋ごとに喫煙と禁煙がわかれているそうだ。同担当者によれば「このような形式の“分煙”は、両院議員総会など、特別な機会に限られる」という。
他の党ではどうか。各党に「控室」での喫煙・禁煙の状況を問い合わせた。
取材は公明党、立憲民主党、希望の党、共産党におこなった。うち、公明党と共産党は担当者がそれぞれ、電話での取材に「両院共に控室は全面禁煙」と明言した。
立憲民主党は電話での取材に、「担当者が戻り次第、回答する」と回答を保留している。希望の党は電話番号やメールアドレスをサイト等に公開していないため、メールフォームで問い合わせ中だ。回答があり次第、記事に追記する。
追記
立憲民主党の広報担当者からは11月3日、「全室禁煙」との回答があった。希望の党からは回答はなかった。