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「ミチカケ」のセールストーク「不適切な説明」 大丸梅田店が販売員教育を検討

「生理バッジ」で炎上した女性の性や健康グッズを販売する大丸梅田店のフロア「ミチカケ」。医学的に間違った説明をしていることが産婦人科医の宋美玄さんに指摘され、大丸側は「不適切な説明を行って販売していたことは、当社の責任として重く受け止めております」とコメントしました。

「生理バッジ」が炎上して話題となった大丸梅田店の女性の性や健康に特化した販売フロア「ミチカケ」。

先日、産婦人科医の宋美玄さんが潜入レポートを寄稿し、販売員が「布ナプキンで経血が減る」などと医学的に間違ったセールストークをしていることを明らかにした。

BuzzFeed Japan Medicalが大丸梅田店に取材したところ、

「取引先(テナント)の販売員が不適切な説明を行って販売していたことは、当社の責任として重く受け止めております」とし、女性の体や生理について販売員教育を検討していると回答した。

「不適切な説明を行って販売していたことは、当社の責任として重く受け止めている」

ミチカケは女性の性の健康に関するグッズを、大丸と契約した17の専門店が売るフロア(13日より18店舗)。

月経カップやナプキンのいらないサニタリーショーツ、女性向けのマスターベーショングッズやセックスジェル、性機能障害がある人が使う器具など、これまでなかなか百貨店で堂々と置かれることがなかった女性のためのグッズを置き、注目を集めていた。

ところが、販売員が生理中であることを示す「生理バッジ」をつける試みが、批判を受けて炎上するなど、別の面で注目を集めるスタートとなった。

そして今回、産婦人科医の宋さんが訪問し、客として販売員から布ナプキンの説明を受けたところ、「ナプキンをコットンに変えると経血が減る」「コットンは体が温まる」など医学的に間違った説明をされたという。

寄稿が公開されると、ミチカケで布ナプキンなどサニタリーアイテムを売り、宋さんに問題の説明をした「EMILY WEEK」はTwitterのブランド公式アカウントで「確証のない内容をお客様にお伝えしてしまったことを重く受け止めております
大変申し訳ございません」と謝罪コメントを出した。

宋美玄先生のブログにて大丸梅田店パートナーの接客をご指摘頂きました。 該当パートナーに確認し、実際接客の中でそういった内容でお話をした事が分かりました。確証のない内容をお客様にお伝えしてしまったことを重く受け止めております 大変申し訳ございません。 今後の社員教育を徹底いたします。 https://t.co/FWpRlhPiBS

Via Twitter: @emilyweek_tokyo

EMILY WEEKを運営する株式会社ベイクルーズ広報はBuzzFeed Japan Medicalの取材に以下のように回答した。

「宋美玄先生のブログ(※BuzzFeedへの寄稿)にて弊社スタッフの接客についてご指摘いただいたとおり、店頭にてお客様へ不適切な説明で販売していた可能性がございます。今回ご指摘いただいた内容を踏まえ、今後はさらに正しい知識を持って接客にあたるよう、従業員教育を深めて参りたいと思います」

この問題について、大丸梅田店の広報担当者に取材したところ、「今回、取引先(テナント店舗)の販売員が不適切な説明を行って販売していたことは、当社の責任として重く受け止めております」として、百貨店としても責任を感じていることを示した。

そして、今回の説明はテナント店と交わしている契約違反であるとも語った。

「私どもは、医療機関ではないため、そもそも商品を販売する際のセールストークとして、医学的なことをお客様にお話することはできないと考えております。また、取引先との契約において、派遣販売員のトークやPOP等で適正な表示を行って販売することを定めております」

産婦人科医の監修はなし 今後、販売員教育や正しい知識を広める取り組みも検討

さらに、生理への対応や性機能障害に対するグッズも扱う今回のフロア開設に当たり、「専門家である産婦人科医等の監修は受けておりません」として、医師の監修は受けていないことも明らかにした。

一方、今回のフロアで販売される商品などにつけられたPOPなどの表示については、「すべて『消費科学研究所』の確認を受けて、適正であることを事前に確認しておりました」と説明する。

当初はそれで十分だと考えていたが、そうした手続きを経た上で、今回の問題が起きたことについてはこう述べた。

「不適切な説明を行い販売していたことについて、このような貴重なご意見をいただきましたので、これを機会と考え、勤務する販売員に、正しい知識を深めるような教育や説明会を実施することを検討しております」

産婦人科医などの専門家を講師に招くかも含め、教育や説明会の内容については現時点では未定だという。

さらに、宋さんも提案している、売り場で生理の仕組みや諸症状への対処法など医学的な情報が得られるような情報提供については、「今後については、生理等についての正しい知識を広めていくような取組みを検討して参ります」と前向きな姿勢を見せた。

「ツキイチ! 生理ちゃん」作者の起用は問題ない?

また、今回、コラボレーションしている漫画『ツキイチ!生理ちゃん』の作者、小山健さんが過去に、女性に対する性暴力や性行為の強要を思い起こさせる漫画『なすりつけ太郎』を描いていることから、SNS上では「なぜ女性の性の健康を応援する売り場がこの作家とコラボするのか」という批判も多く上がっている。

これについても見解を問うと、

「今回、私どもがコラボレーションさせていただいたのは、あくまでも『生理ちゃん』キャラクターでございます。小山先生のその他作品については、見解を申し上げるべきではないと考えております」

と答え、問題ないと考えていることを示した。

UPDATE

ベイクルーズのコメントを追加しました。

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