4月7日に出された緊急事態宣言。その後のとある会社の対応を描いたマンガがTwitterで話題になっています。
作者は会社員として働きながらマンガ家としても活動しているいぬパパさん。
このマンガについてお話をお伺いしました。
ーー多くの反響があったことについてどのように感じていますか?
いぬパパさん(以下、い):ここまで反響があるとは思いませんでした。個人的な体験を漫画にしただけだったので。
皆さんの負の感情に火をつけてしまったのではないかと、後悔していましたが、よくぞ描いてくれたというコメントもあったので、少しだけ救われました。
ーーこのマンガはどのような気持ちで投稿されたのでしょうか。
い:今まで、怒りの感情をもとに漫画を描くことはありませんでした。だけどこの日は、投げつけられたものをそのままにしておけなかったんです。僕は無力だけど、漫画は描けるんだぞ、僕には漫画という武器があるんだぞ、見てろよ、みたいな気持ちで描いたような気がします。
でも、描き終わって、アップしたら、自分への嫌悪感が出てきて、泣きそうになりました。僕にとって漫画は、表現する手段ではあるけども道具ではない。相棒のようなものだったんじゃないかって。
僕の武器である漫画は、読んだ人をちょっとハッピーにしたり、楽しげにしたり、一時ツライことを忘れさせたりするもんじゃなかったかと。
こんな気持ちを種に漫画を描いてたら、描くことが嫌いになると思いました。
ーー同僚など、一緒に働いている人は「在宅勤務禁止」という対応について、どのような反応だったんでしょうか?
い:ガッカリしていました。社員のことをあまり考えてくれないんだなと。同時に、変化を嫌う社風があるので、やっぱりなと諦めの気持ちもあったようです。
ーーその後、会社ではなにか状況の変化などはあったのでしょうか。
い:特にありません。
ーー投稿へは「うちも同じです」「うちの会社かと思いました」など同じ状況の人からもコメントが寄せられています。いぬパパさんはこの状況がどのように変わればいいと思いますか?
い:もともと僕はそんなに共感を得るような漫画を描く人ではないのでビックリしました。漫画にも描きましたが、想像するということが大事で、習慣になるといいと思います。
色んな方向から、あらゆる可能性を考えてみる。妄想でもいいと思います。夢みがちくらいで、いいと思います。
いい大人のくせして、って言われるくらい。それは一つのことに縛られないで、一生懸命可能性を考えている姿勢だと思うから。