Lindsey Wasson/Reuters
アマゾン(Amazon)は2024年の終わりまで、外国人従業員のために新しいグリーンカードのスポンサーになることはないだろう。
Business Insiderが確認した社内発表によると、同社は2024年初め、年末まですべての新規PERM申請を一時停止しると従業員に伝えた。
PERMとは、アメリカの労働省が行う永久的な労働者証明の手続きのことだ。外国人労働者の入国が、アメリカ人労働者の雇用機会、賃金、労働条件に影響を与えないようにすることを目的としている。多くの場合、グリーンカード取得への第一歩となる。
アマゾンは社内発表のメモの中で、2023年のPERM申請を一時停止していたが、「労働市場の状況と移民の要件」を検討した結果、年末まで一時停止を維持することを決定したと述べている。
「PERM申請を2024年まで継続することは不可能だと判断しました。残念なことだと分かっていますが、これは軽々に判断したことではありません」(社内メモ)
テック企業の解雇でグリーンカード取得が困難に
フォーダム大学(Fordham University)の移民法・労働法の教授であるジェニファー・ゴードン(Jennifer Gordon)は、アマゾンやその他のテック企業における人員削減の波は、PERM取得のプロセスをより複雑なものにしていると述べている。
企業は現在、解雇された従業員では外国人労働者が行う仕事が担えないということを証明しなければならない。また、外国人労働者のPERM申請をする前に、過去6カ月間に解雇された人々に求人情報を通知しなければならないという。
「PERM申請が承認されるためには、雇用主は、そのポジションに就くことを希望する適格なアメリカ人の労働者がいないことを示す必要があります。最近、ハイテク業界全体で多くのレイオフが行われていることを考えると、そういった主張をし続けることが難しくなっています」
代わりの移民手続き手段
アマゾンの広報担当者はBIへのメールで、同社はPERMプログラムを「一時的に一時停止」し、影響を受ける従業員とともにアメリカでの滞在を延長する「代替の移民手続きの手段」を探していると述べた。
「グリーンカード手続きのための政府要件のせいで、私たちは一時的に永久労働証明プログラムを一時停止しています。影響を受ける従業員にとって難しい状況であることは承知しており、彼らを支援し、できるだけ早く代わりの移民手段を見つけるために懸命に取り組んでいます」
もしアマゾンが2024年中にプログラムを再開できるのであれば、そうするつもりだと広報担当者は付け加えた。
社内メモの中で、アマゾンは従業員に対し、2025年にPERMプログラムを再開する可能性があるため、2024年末に「労働市場の状況分析を再開する」と伝えた。グーグルも2023年、新規のPERM申請を一時停止したとオブザーバー紙(the Observer)は報じている。
軟調な労働市場
ゴードンによると、アマゾンが年末まで新規のPERM申請を一時停止していることは、同社が当面の労働市場がソフトに推移すると予想していることを示唆している。労働市場が解雇されたアメリカ人労働者で飽和状態になればなるほど、企業が外国人従業員の方がその仕事に適していると主張するのは難しくなる。
「いつ失業したアメリカ人の労働者で労働市場が溢れなくなるか、アマゾンの最善の見極めが反映されることになると思います」(ゴードン)
アマゾンの広報担当者はBIに対し、同社はアメリアの労働市場について「いつか再びこれらの申請を行うことができる」と、「楽観的であり続けている」と語った。