ビル・ゲイツ氏が薦める、年末年始に読むべき5冊[2020年]

ビル・ゲイツ、オススメの5冊 2020年

Courtesy of the Gates Foundation

  • マイクロソフトの共同創業者で、世界で最も裕福な人物の1人であるビル・ゲイツは、彼が「ひどい1年」と呼んだ年を締めくくるための、年末年始にお薦めの本5冊を紹介している。
  • 「困難な時期に(そして2020年は間違いなく困難な年だった)、私のような読書好きはさまざまなジャンルの本に目を向ける」と、ゲイツは述べた。
  • その中には、ノンフィクションの歴史を扱った作品や、社会の不正と人種に関する作品などが挙げられている。

楽観主義者のビル・ゲイツでも、2020年が「ひどい年」だったと認めている。だが、本が彼に少しばかりの安らぎを与えてくれた。

マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツが、年末年始のお薦めの5冊を紹介している。2020年の5冊には、歴史ノンフィクション、社会正義、嚢胞性線維症と闘う医療技術革新の物語などがある。「あなた、あるいはあなたの中の読書好きが、今年1年を気分よく終われる1冊を見つけることを願っている」とゲイツは述べている。

以下で、ゲイツが薦めるさまざまなジャンルの本を紹介しよう。


The New Jim Crow: Mass Incarceration in the Age of Colorblindness』ミシェル・アレクサンダー(Michelle Alexander)

ミシェル・アレクザンダー(Michelle Alexander)著『The New Jim Crow: Mass Incarceration in the Age of Colorblindness』

The New Press

ゲイツは多くの白人と同様に、アメリカの人種問題の現状を知るために『The New Jim Crow』を読んだ。

「私はこの数カ月間、制度的人種差別への理解を深めようとしてきた。アレクサンダーのこの本は、いかに刑事司法制度が有色人種、特に黒人社会を不当に標的にしているか、眼を見張るような視点で描写している」とゲイツは述べている。

本を読み終え、有色人種社会のための法的支援のより良い方法が必要と確信した、とゲイツは語った。


Range: Why Generalists Triumph in a Specialized World』デイヴィッド・エプスタイン(David Epstein)

デイヴィッド・エプスタイン(David Epstein)著『Range: Why Generalists Triumph in a Specialized World』

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ゲイツは、2014年のスポーツのパフォーマンスに関するTED Talkを見てから、エプスタインをフォローし始めたと語った。

彼の本は、職場でのあらゆるトピックについて幅広い知識を持つ人の重要性を捉えている。それは品質をもたらすもので、マイクロソフトがテック企業のトップの地位に到達したのも、品質によるものだとゲイツは言う

「彼の考えはマイクロソフトの成功の一因を説明するのに役立つと思う。我々は幅広い知識を持った人物も雇用したからだ。もし、あなたが、専門知識のある同僚に見劣りすると感じたことのあるジェネラリストなら、これはあなたのための1冊だ」


The Splendid and the Vile: A Saga of Churchill, Family, and Defiance During the Blitz』エリック・ラーソン(Erik Larson)

エリック・ラーソン(Erik Larson)著『The Splendid and the Vile: A Saga of Churchill, Family, and Defiance During the Blitz』

The Splendid and the Vile: A Saga of Churchill, Family, and Defiance During the Blitz/Amazon

ゲイツは、第二次世界大戦中の1940年代のイギリスについて書かれたこの小説と現在の世界との繋がりは、かつてないほど強いと述べた。

ラーソンは、この小説で1940年から1941年にかけて行われたナチスの大規模な空襲によって、防空壕に閉じ込められたイギリス市民のパニックを捉えている。

「彼らが感じた不安や恐怖は、我々が今COVID-19で経験していることよりずっと大変なものだが、近いものを感じる」とゲイツは述べた

「ラーソンは、平均的な市民にとって困難な時期の生活がどんなものかを鋭く描いている。それに彼は、ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)とその側近など、危機を乗り切ったイギリスの指導者を分析している」


『The Spy and the Traitor: The Greatest Espionage Story of the Cold War(邦題:KGBの男-冷戦史上最大の二重スパイ)』ベン・マッキンタイアー(Ben Macintyre)

ベン・マッキンタイアー(Ben Macintyre)著『The Spy and the Traitor: The Greatest Espionage Story of the Cold War』

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ゲイツは、ノンフィクションの『The Spy and the Traitor』(邦題:KGBの男-冷戦史上最大の二重スパイ)を、彼のお気に入りのスパイ小説と同じくらい良い本だと考えている。

マッキンタイアーはアメリカとロシアの情報筋に取材を行い、「イギリスの二重スパイになった旧ソ連国家保安委員会(KGB)の大佐、オレグ・ゴルディエフスキー(Oleg Gordievsky)と、彼に背いたといわれるオルドリッチ・エイムズ(Aldrich Ames)に焦点を当てている」


Breath From Salt: A Deadly Genetic Disease, a New Era in Science, and the Patients and Families Who Changed Medicine』ビジャル・P・トリベディ(Bijal P. Trivedi)

ビジャル・P・トリベディ(Bijal P. Trivedi)著『Breath From Salt: A Deadly Genetic Disease, a New Era in Science, and the Patients and Families Who Changed Medicine』

Amazon

Breath From Salt』は、嚢胞性線維症と現代医学との戦いと、科学者が患者とその家族を救うためにどのように最新技術を開発したかを詳しく紹介している。

「私は、この本に書かれている最新治療で恩恵を受けた家族を知っており、この物語は私にとって特別な意味のあるものだ」

ゲイツは、2021年は生物医科学分野の革新に関する本のブームがやってくるだろうと、述べている。

[原文:Bill Gates reveals his 5 favorite books of 2020

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

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