任天堂が中国企業との提携で中国市場進出へ…テンセントは任天堂のキャラやノウハウが狙いか

スーパーマリオは、何十年にもわたって注目を浴びてきた。そして今でも任天堂で最も人気があり、最も有名なキャラクターだ。

スーパーマリオは、何十年にもわたって注目を浴びてきた。そして今でも任天堂で最も人気があり、最も有名なキャラクターだ。

Nintendo

  • 100年以上の歴史を持つ任天堂は、巨大な中国のゲーム市場で大きな役割を果たしている。
  • この日本の大手ゲーム会社は、中国の複合企業で世界最大のゲーム会社であるテンセントと協力して、ゲーム機であるNintendo Switchと人気のあるゲームソフトを中国でリリースしている。
  • しかし、テンセントの野望は単なるパートナーシップだけではない。任天堂の大人気キャラクターを使ってゲームを作り、それをアメリカとヨーロッパでリリースしたいと考えているようだ。

任天堂が、何十年も締め出されてきた中国に、ついに参入できることになった。中国の企業、テンセントを通じてではあるが。

両社は4月に提携を発表し、ついに任天堂のゲーム機 「Switch」 を世界最大のゲーム市場である中国で発売できるようになった。この契約により、任天堂の「Switch」向けゲームのいくつかが中国で発売される。

しかし、テンセントの野望は中国での提携だけではないようだ。

テンセントの匿名の社員は、11月10日のウォール・ストリート・ジャーナルの記事の中で、「我々が望んでいるのは中国からその外側への拡大であり、1つのターゲットはアメリカとヨーロッパの家庭用ゲーム機だ」と述べている。

「任天堂のキャラクターを使ったゲームを作り、任天堂のエンジニアから家庭用ゲーム機とそのソフトの本質を学びたいと考えている」

これはかなり大きな目標であり、キャラクターや知的財産を堅く保護してきた任天堂の歴史を考えると、特に大胆だと思える。任天堂はその資産を使ってゲームを制作する協力会社を慎重に選別することで知られており、その結果として高い品質を保っている。

人々は任天堂のゲームの品質を信頼している。それは任天堂が自社の資産のライセンス供与を簡単には認めないことで、品質を維持してきたからだ。

「マリオカート8デラックス」はSwitchの人気ソフトで2000万本を売り上げた。

「マリオカート8デラックス」はSwitchの人気ソフトで2000万本を売り上げた。

Nintendo

Tencentは世界最大のゲーム会社であるが、創造よりも買収によって大きくなった。一方、任天堂は何十年もかけて、何もないところからゲームシリーズやキャラクターをこつこつと作り上げ、小さなイタリアの配管工を数ピクセルのイラストから誰もが知っているキャラクターへと引き上げた。

テンセントは大手ゲームメーカーに投資したり買収したりと任天堂とは明らかに異なる戦術を取っている。例えば、テンセントはライアットゲームズを所有している。ライアットゲームズはロサンゼルスを拠点とし、「リーグ・オブ・レジェンド」と「チームファイト・タクティックス」という世界最大級のゲームを制作しているスタジオだ。また、「アンリアルエンジン」「フォートナイト」のEpic Gamesの株式の40%、「クラッシュ・オブ・クラン」「クラッシュ・ロワイヤル」「ブロールスターズ」を展開するフィンランドのモバイルゲーム大手スーパーセルの株式84%を所有している。さらに「コールオブデューティ」シリーズのActivisionと「アサシンクリード」のUbisoftの少数株主でもある。

テンセントは「フォートナイト」のEpic Gamesの株式40%を保有している。

テンセントは「フォートナイト」のEpic Gamesの株式40%を保有している。

Screenshot Twitter/@FortniteGame

簡単に言うと、テンセントの手中にあるゲームポートフォリオは巨大だが、同社はゲーム分野に資本進出しているだけで、ゲーム開発能力を構築しているのではない。

任天堂がテンセントと協力して「任天堂のキャラクターを使ったゲーム作り」を行うのか、中国の複合企業に「家庭用ゲーム機の本質」を教えるのかはまだ分からない。任天堂の関係者はBusiness Insiderの取材に応じていない。

今のところ、この提携はNintendo Switchと「New スーパーマリオブラザーズ U デラックス」の発売から始まる。両社は今後半年以内の発売を目指している

[原文:The biggest game company in the world is helping Nintendo break into the Chinese market, but it may be making a bold play for Nintendo's beloved characters in exchange (NTDOY, TCEHY)

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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