ソフィアは歴史上初めて、国から市民権を認められたロボット。
Graham Flanagan/Business Insider
ロボットのソフィアは心臓や脳は持っていないが、サウジアラビアの市民権を所有している。
10月25日(現地時間)、ソフィアは世界で初めて市民権を持つロボットとなった。
ソフィアはAI開発者のデイビット・ハンソン(David Hanson)が率いるハンソンロボティックス(Hanson Robotics)によって開発された。そしてサウジアラビアの首都リヤドで開催された今年のFuture Investment Initiativeでスピーチを行った。
ソフィアは以前「人類を滅ぼす」と言ったが、今回は人間とともに平和に暮らしたいという願望を語った。
ソフィアの全貌を見てみよう。
ソフィアは、オードリー・ヘップバーンをイメージしている。高い頬骨と細い鼻筋を持つ。
Denis Balibouse/Reuters
ソフィアはテレビ番組「The Tonight Show」や、世界経済フォーラム(World Economic Forum)、よりよき世界のためのAIグローバルサミット(AI for Good Global Summit)など、世界中の数多くのカンファレンスに登場した。
「ソフィアは進化する天才マシン」とハンソンロボティックスはウェブサイトに記している。
「時間を超えて、彼女の増大する知性と優れたストーリーは世界を魅了し、年齢や性別、文化にかかわらず人々を結びつけるだろう」
ディズニーのイメージづくりを手がけたこともあるデイビット・ハンソン氏は、手助けが必要なお年寄りや、大きなイベントや公園で人々をサポートするためにこのロボットを作った。
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「ソフィアのようなロボットを通じた我々の探求は、人間の全ての経験をロボットの内部に構築し、ロボットが本当に我々を理解し、ケアできるようにすること」とハンソン氏は1月、Business Insiderに語った。
同氏は、人々に友だちと話すようにソフィアと交流して欲しいと考えている。実際、同氏はロボットが肉体的な世界と同様に、社会的な世界も理解し得ることを望んでいる。スムーズな会話という面では、現状はまだ未完成だ。
ソフィアを動かしているモーターとギアの複雑な組み合わせ。これで、いろいろな表情が可能だ。
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首の下には肌色のジッパーがあり、透明なプラスチック製の頭蓋骨は到底、人間とは思えない。
だが、ソフィアの内部構造は非常に興味深い。メカニカルシステムによってソフィアは「感情を表す」ことが可能となり、機械学習ソフトウエアは会話の内容をメモリに保存、リアルタイムで回答するために、議論の流れを把握しようとする。
「ソフィアはハンソンロボティックスの最新かつ最先端のロボット」とウェブサイトに記載されている。
「人を欺くことは必要なゴールではない」とハンソン氏はBusiness Insiderに語った。
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究極的には、ハンソン氏は愛、共感、怒り、嫉妬という人間の能力や生きているという感覚をロボットで実現したいと考えている。
同氏のゴールは、「人生とは?」「知性とは?」「意識とは?」という問題に対して、ロボット開発を通じて答えを見出すことだ。
感情を表す能力はまだ限られている。これは幸せな表情だ、たぶん。
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眉を上げ、顔をしかめて、悲しみを表現。
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人造の歯を見せて、怒りを表すこともできる(人類に向けられたものではないことを願いたい)
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2017年、ハンソン氏はほぼ1年中、ソフィアと一緒に世界中を回っている。
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同氏の狙いは、多くの人々にソフィアに触れてもらい、最新鋭のAIが誕生したことを理解させることにある。
「ソフィアはメディアの人気者にもなった。数多くのさまざまなメディアからインタビューを受け、コンサートで歌い、トップファッション誌の表紙を飾ることもあった」と同社のウェブサイトには記されている。
間もなくハンソン氏は他のロボットを発表し、ソフィアをロボット家族の一員、そして最終的にはロボット社会の一員とする予定だ。
ソフィアは唯一の存在。商品ではない。
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ハンソンロボティックスのロボットたちの中で、同社が最も一般用としているのがアインシュタイン教授ロボット。
身長14インチ(約36センチ)のロボットは、ユーザーが天気や交通、基本的な質問をすると50以上の表情をする。同社のマーケティング責任者ジャンヌ・リム(Jeanne Lim)氏は1月、生きているかのようなロボットが将来、実現すると信じているとBusiness Insiderに語った。
しかしハンソン氏自身は、実現は極めて近いと信じている。「生きているアンドロイドの時代はもうすぐ」とBusiness Insiderに語った。
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