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「デジタル給与払い」元年だった2024年、PayPayでお給料受け取った人たちはどうだった?
写真はイメージです(kou / PIXTA)

「デジタル給与払い」元年だった2024年、PayPayでお給料受け取った人たちはどうだった?

2024年、働く人たちにとって大きなニュースの一つだったのが、「デジタル給与払い」の本格的なスタートでした。

この「デジタル給与払い」は、企業が銀行の口座ではなく、直接従業員のスマホの決済アプリなどに、電子マネーを振り込むことができる制度です。

2023年4月から厚労省による事業者の審査が始まり、初めて事業者として指定された決済大手のPayPay株式会社が2024年9月分の給与から、PayPayでの受け取りをスタートさせました。

本格的な開始から約3カ月。PayPayでの給与受け取りは今、どうなっているのでしょうか。また、2025年はどうなるのでしょうか。

●問い合わせは500社以上

まず、労働基準法では賃金は現金払いが原則です。労働者が同意した場合は、銀行口座などへの振り込みも可能となっており、多くの人がこの方法を利用していると思います。

しかし、デジタルマネーが一般化する中で、労働者が厚労省が指定した資金移動業者(銀行以外で資金を移動できる業者)の口座へ賃金払いができるよう、労働基準法が一部改正されました。

事業者となったPayPay社では2024年9月分の給与から、ソフトバンク(SB)グループの10社がPayPayでの給与受け取りをスタートしたと発表していました。その後、SBグループは合計27社に増え、グループ会社以外の企業にも利用できるようになりました。

現在、利用はどれくらい広がっているのでしょうか。弁護士ドットコムニュースの取材に対し、PayPay社の広報担当者は次のように説明しています。

「PayPayでの給与受け取り導入にあたっては、特に弊社との契約が必要ではありません。開発や契約が必要になると導入へのハードルが高くなってしまうため、自由に使っていただけるサービスになっています。

ですので、どれくらいの会社が利用されていらっしゃるか、把握できていません。ただ、2024年11月時点にいただいた問い合わせは500社以上になります」

●多様な働き方にも対応

2024年11月からPayPay給与受け取りを導入している引越し大手「サカイ引越センター」では、一部の日払いや週払いのアルバイトを対象にスタートしたといいます。リリースによると、「従業員の利便性を高める」「給与デジタル払いで働き方の多様化とそのニーズにいち早く対応し、人材確保にもつなげる」といった目的だったとのことです。

また、「引越繁忙期である3月〜4月に大勢雇うアルバイトには若者も多く、デジタル払いの需要があると見込む。多様な選択肢を用意し、一人でも多くの方に働き先として選んでもらいたい」としています。

PayPay社の広報担当者は、「1日のアルバイトをする人たちにとっては、賃金を受け取りたいというニーズがあったとのことで、幅広く人材を募集できるというところにメリットがあるとうかがっています」といいます。

他にも、「従業員のデジタル分野への興味が深まる」「通常の銀行口座と分けることができて使いすぎ防止になる」といった声もあるようです。

画像タイトル PayPayで給与の一部を受け取った時の画面(PayPay社提供)

●PayPayに続いて「COIN+」も

では、実際にPayPayで給与受け取りをしている人は、どのように使っているのか聞いてみました。PayPay社の広報担当者は、こう説明します。

「PayPayアカウントで保有できる給与の残高は20万円です。使い方は様々で、社内の場合ですと、上限20万円まで設定している人もいますし、コンビニで何か買ったり、飲み会の割り勘などに使ったりするために気軽な金額を入れておく人もいます。

毎月のお小遣いとしてこれだけ使うと金額を決めて、お金の管理をする人もいるようです」

「デジタル給与払い」はPayPay社が先行しましたが、リクルート社と三菱UFJ銀行が共同出資する子会社リクルートMUFGビジネスも12月13日、業者として指定を受けたと発表がありました。同社のデジタル通貨「COIN+」で受け取ることができるようになります。

また、政府の規制改革推進会議は12月25日、中間答申をまとめ、現在は銀行口座とひもづけが必要な「デジタル給与払い」について、来日して間もない外国人などで銀行口座を持たない人でも利用できるよう求めました。

2025年は「デジタル給与払い」がますます広がる1年になりそうです。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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