中東の過激派組織「イスラム国」が日本人2人を人質にとり、2億ドルの身代金を要求する動画を公開したことを受けて、インターネット署名サイト「change.org」では1月20日から、人質救出を求める署名活動が展開されている。
署名の発起人は、安倍晋三首相が「イスラム国」の周辺国に2億ドルの支援を表明したことを留保して、2人を救出するよう求めている。署名は21日20時30分の段階で、3300人を超えた。
●「2億ドルの支援が身代金要求につながっている」
人質になっているのは、昨年10月にシリアで拘束された湯川遥菜さんと、フリージャーナリストの後藤健二さん。動画では、イスラム国のメンバーとみられる男性が、72時間以内に2億ドル(約256億円)を支払わなければ、2人を殺害すると予告している。
署名の発起人は、日本が「イスラム国」の周辺国を支援するために2億ドルの支出を表明したことが、2億ドルの身代金要求につながっているとして、首相官邸と外務省に対して、支援を留保するよう求めている。
「この2億ドルは、イラクやシリア、その他周辺国の難民支援などに使われるものですが、安倍首相がこれを『対イスラム国支援』と位置づけたことにより、今回の身代金要求へと繋がっています」
このように記したうえで、「日本人人質の救出のために、この2億ドルの支援を留保して下さい」と要望している。
そして、「これ以上、テロとの『新たな戦争』に日本を巻き込むことのないよう、最善の努力をしてください」と訴えている。