岩手県警盛岡西署は5月上旬、女装姿で陰部を露出していた盛岡市立小学校の男性教員(44)を、公然わいせつの疑いで現行犯逮捕した。5月5日の午前9時15分ごろ、盛岡市内の駐車場付近で、下着を身につけずにミニスカートを履き、陰部を露出していたという。
スポーツニッポンは、逮捕時の状況について「体に密着した超ミニのワンピースを着ていたため、歩くと裾がずり上がって自然と丸見えになっていた」と報じている。
最近は女装する男性、いわゆる「女装子」(じょそこ)が増えているが、今回は、どんな点が問題になったのか。男性が女装するとき、気をつけるべきことは何だろうか。中島宏樹弁護士に話を聞いた。
●「陰部の露出」があるか否かがポイント
ひとくちに「女装」といっても、その表現手段は多様だ。今回、逮捕された教員は、何が問題とされたのだろうか。
「『わいせつ』とは、『徒に性欲を興奮または刺激せしめ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義に反するもの』(最判1951年5月10日刑集5巻6号1026頁)をいいます。
問題は、何が、この定義に該当するかですが、諸説はあるものの、『陰部の露出があるか否か』がメルクマール(指標)になると思われます。
本件においては、『裾がずり上がって自然と丸見えになっていた』とのことですから、『わいせつ』に該当すると判断されたものと思われます」
では、ミニスカートであっても「陰部の露出」がなければ、問題なかったのだろうか。
「仮に、下着をつけ、局部が見えない状態であれば、『わいせつ』に該当しない、と判断される可能性が高いと思われます。
もっとも、公然わいせつ罪には該当しない場合でも、都道府県単位で制定されている『迷惑防止条例』に該当する可能性があると思われます。
女装するに際しても、他人に不快感を与えないよう気を付けるべきでしょう」
このように中島弁護士は述べていた。