BBC司会者が10代子供から性的写真を買い取り、3年間で約640万円支払いか=英紙報道

チャーリー・アダムズ、ルーシー・マニング、BBCニュース

BBC logo outside New Broadcasting House in London

画像提供, PA Media

BBCの司会者が10代の子供に性的な写真を要求し、金銭を払い続けたとする報道を、イギリスの大衆紙サンが7日から続けている。司会者の名前は明らかにされていない。BBCは報道の内容を深刻に受け止めているとしている。

サンは7日の記事で、BBCの司会者が3年間にわたり性的に露骨な写真を10代の子供に要求し、計3万5000ポンド(約640万円)を支払ったと報じた。相手は当初、17歳だったという。

現在20歳の若者の母親は取材に対して、若者は受け取った金銭をクラック・コカインの購入に充て、今では常習者になったと説明。支払いが続けば自分の子供は「死んでしまう」と母親は、サンに話したという。

同紙はさらに8日、母親の話として、このBBC司会者が自宅で下着姿になり「私の子が相手をするのを待ち構えている状態」の写真も存在すると伝えた。

サンによると、若者の家族は今年5月19日の時点でBBCに苦情を申し立てている。しかし、その後も問題の司会者が番組に出演し続けたため、BBCの対応に不満を抱き、サンに情報を提供したものの、対価は求めなかったという。

BBC広報は報道を受けて、「あらゆる指摘を深刻に受け止め、能動的に対応するための所定の手続きがある」とコメント。「その一環として、調査や見当が必要な情報を受け取れば、私たちはそのための手順を踏む。その中には、私たちに連絡をした人たちにこちらから連絡をとり、話を聞き、詳細情報を得て状況を理解しようとする作業も含まれる」と説明した。

「仮にこちらからの連絡に返答がない、あるいは先方からの連絡が途絶えた場合、私たちの対応能力は制約を受けることもあるが、だからといって私たちの調査がそこで止まるわけではない」と、BBC広報は続け、「その後いずれかの時点で、新情報が明らかになったり提供された場合(これは新聞経由での新情報も含む)、私たちは所定の内部手続きに沿ってただちに対応する」と述べた。

一方、若者の家族から通報を受けたBBCがどのような内部調査をしたのか、政界からも疑問の声が出ている。

与党・保守党の重鎮で英下院文化・メディア・スポーツ委員会の委員長を務めるキャロライン・ダイネッジ下院議員は、「他人の人生やキャリアに対して、過度の権力と影響力を持つスターたちが、それを乱用しないよう、テレビ局が適切なシステムと手続きを導入することが重要だ」と述べた。

ダイネッジ氏はさらに、BBCの人事部は、「この新しい主張を素早く調査し、この件が最初に明るみに出た5月以降に何が起こったのかを説明する」ことが求められているとも話した。

プリティ・パテル元内相もこれに先立ち、BBCの対応は「噴飯もの」だと批判。「完全で透明性のある調査」を求めるとした上で、BBCが「顔のない、責任をとらない組織」になっていると非難した。

匿名で報道されているこの司会者は、近日中の番組出演が予定はないという。しかし、これが正式な出演停止処分なのか、BBCニュースは知らされていない。

しかしBBCは、もっと早くこうした措置を取るべきだったのか、もっと徹底的な調査が必要だったのか、明らかにすることが求められている。

さらに、この件とは無関係の司会者たちが不当にせんさくされ、うわさされているだけに、BBCのこれまでの対応がそうした無関係の出演者に対して正当なものだったのかも、疑問視されている。

サンの第一報を受け、BBCの司会者たちはソーシャルメディアで、自分が該当人物ではないと表明した。これにはライラン・クラーク氏、ジェレミー・ヴァイン氏、ニッキー・キャンベル氏、ギャリー・リネカー氏などが含まれる。

サンは、若者の家族と話をしたBBC社内調査チームの責任者が、これまでの対応について調査する予定だと報じているが、BBCはこれについて確認していない。

(英語記事 BBC star faces new allegations over explicit photos)