スウェーデンとフィンランド、NATO加盟に意欲 ロシアは警告

Dmitry Peskov speaking to reporters

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画像説明, ロシアのドミトリ・ペスコフ政府報道官

ロシア政府は11日、フィンランドとスウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)に加盟しても欧州に安定をもたらさないと警告した。ドミトリー・ペスコフ政府報道官は記者団に対し、「NATOは依然として、対決姿勢を促す道具だ」と話した。

アメリカ国防総省の高官はこれに先立ち、ロシアのウクライナ侵攻は「戦略上の大失態」であり、NATO拡大をもたらす結果になるだろうと発言。ロシアの北欧の隣国にあたるフィンランドとスウェーデンが、早ければ6月初めにもNATOへの加盟申請を行うとみている。

両国が加盟すれば、NATOは32カ国となる。米国務省の高官は先週、NATO首脳と両国外相との間で議論が実施されたと述べており、米当局もこの動きを支持しているとみられている。

ウクライナ侵攻前、ロシアはNATOにこれ以上の拡大を止めるよう要請していた。しかし戦争を受けてNATOは部隊を東方へと移動させ、スウェーデンとフィンランドの加盟にも支持が集まる結果となっている。

NATO expansion
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フィンランドでは今週、議会に情報機関による安全保障報告が提出される予定。またサンナ・マリン首相は、NATO加盟申請をめぐる政府内の議論を「6月よりも前に終わらせる」予定だと話している。

フィンランドはロシアと1340キロにわたって国境を接しており、ウクライナ侵攻によって国内の不安が増している。

一方、スウェーデンの与党・社会民主党は伝統的にNATO加盟に反対してきたが、ロシアのウクライナ侵攻を受け、その立場を再考するとしている。

同党は11日に発表した声明で、「ロシアのウクライナ侵攻により、スウェーデンの安全保障の立場は根本的に変わった」と述べた。

しかしロシアは、NATO拡大の可能性には明確に反対の意を示している。ペスコフ報道官は、「NATOは平和と安定を保証する同盟ではなく、拡大しても欧州大陸に今以上の安全保障はもたらさない」と警告している

同報道官は先週、スウェーデンとフィンランドがNATOに加盟した場合には、ロシアが「状況のバランスを取り戻す」対応をとる必要があると語った。

2月にはマリア・ザハロワ外務報道官も、両国のNATO加盟には「軍事的・政治的な影響」が待っていると警告している。

NATOは1949年、ソヴィエト連邦拡大の脅威に対抗する形で結成された。しかし、ベルリンの壁が崩壊した後には、旧共産国の東欧各国も次々と加盟した。

NATO加盟国は条約の下、1つの加盟国に対する攻撃はNATO全体の攻撃とみなし、支援を行うことで合意している。

ロシアからの警告にもかかわらず、スウェーデンとフィンランドは加盟への機運を高めるとともに、防衛費も拡大している。

フィンランドの軍高官は11日、軍用ドローンの購入に新たに1400万ユーロ(約19億円)を投じる計画を発表。

スウェーデン当局も3月、2022年度の軍事費を30億スウェーデンクローナ(約395億円)増額すると述べた。

(英語記事 Russia warns Sweden and Finland against Nato bid)