イングランドとスコットランド、北アイルランドで新型ウイルス死者ゼロに 英全体では4人

Young woman wearing a face mask with the words "stayin' alert" on it

画像提供, PA Media

イギリスのイングランドとスコットランド、北アイルランドで10日、新型コロナウイルスによる死者がゼロとなった。ウェールズでは4人が亡くなっており、イギリス全体の死者数は前9日の2人から2人増えた。

ボリス・ジョンソン首相はこの日、イングランドで17日からロックダウンをさらに緩和すると発表した。

また専門家の助言により、イギリス全体の新型ウイルス警報がレベル4からレベル3に引き下げられた。

レベル3では、ウイルスはなお蔓延(まんえん)しているものの、感染リスクは高くない、あるいは急激に上がっていない状態を示している。

専門家は、新型ウイルスの感染者数、入院者数、関連死者数はすべて減少しており、ワクチンも期待通りの効果をあげていると述べている。最新の統計によると、イギリスの成人の3分の1が2回の接種を終えており、それ以外の3分の2も1回目の接種が終わっている。

動画説明, イングランドでさらに制限緩和、ハグも可能に 安全性は?

イギリスでは今年1月に新型ウイルス警報が最大のレベル5となり、全国的なロックダウンに入った。国民保健サービス(NHS)も崩壊の危機にあった。その後2月末に、警戒レベルは4に引き下げられた。

この警報は、共同バイオセキュリティー・センター(JBC)が発令しているもので、政府による制限緩和の決定からは独立している。

緩和の4つの条件

イングランドでは、ロックダウンの緩和は段階ごとに数週間を空け、科学者らが前段階の評価を行う。第2弾では生活必需品以外の店舗の営業再開や、パブやレストランの屋外営業が認められた。

政府は今回、以下の4つの条件が満たされたため、緩和を決めたと発表した。

  • ワクチン接種事業が成功している
  • ワクチンが重症化や死亡例を減少させている証拠がある
  • 感染率が抑制されている
  • 変異株によるリスクが高まっていない

第3弾は17日に行われる予定で、屋外では最大30人が、屋内では最大6人あるいは2世帯までが集まることができる。

また、同一世帯あるいは同じ安全圏(バブル)以外の人との外泊も許可される。パブやレストラン、映画館といった屋内施設も営業を再開する。

結婚式や披露宴、通夜、葬儀などには最大30人まで参加できるようになる。

海外旅行も再開される。イギリス政府は7日、イングランドからの渡航で隔離や検査などが不要になる12カ国・地域を発表した。「グリーン」対象地域に選ばれたのはポルトガル、イスラエル、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ、アイスランド、デンマーク領フェロー諸島、英領ジブラルタル、同フォークランド諸島、同サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島、同セントヘレナ・アセンションおよびトリスタンダクーニャ。

その他の地域は

イングランド以外の地域では、それぞれ独自のタイミングでロックダウン緩和を行っている。

ウェールズでは、パブやカフェ、レストラン、映画館、劇場、博物館といった屋内施設が17日から営業を再開する。観光客向けの宿泊施設もオープンし、結婚披露宴は屋内では30人、屋外であれば50人まで参加できるようになる。

スコットランド自治政府も、17日からロックダウンを一部緩和する。屋内の飲食店では午後10時半までアルコール飲料の提供が許可される。映画館やゲームセンターなども営業を再開するほか、屋内のグループでの運動も許可される。

北アイルランドは24日に緩和に踏み切る予定で、屋内施設やホテルなどの営業が再開となる見込み。屋内のグループでの運動に加え、披露宴や通夜も行えるようになる。

(英語記事 Zero Covid deaths for England, Scotland and NI)