アイルランド、大規模イベントを9月まで禁止 新型ウイルス

Padlock at Croke Park

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画像説明, ダブリンにあるアイルランド最大のスタジアム「クローク・パーク」には毎年夏、数多くのスポーツファンが集ってきた

アイルランド政府は21日、5000人超の大規模イベントを、少なくとも9月までは禁止すると発表した。新型コロナウイルスによる感染症COVID-19の世界的流行(パンデミック)を受けた措置。

これにより同国では今夏、主要なスポーツの試合やコンサートなどが開かれないことになる。大規模イベントの制限は3月24日から続いている。

同国では、新型ウイルスによる死者が44人増えて730人となった。感染者は新たに388人確認され、1万6040人に上った。同国の人口は約480万人。

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アイルランド政府は国内各地の当局に対し、大規模イベントの許可を出さないよう求めたとした。また、今回の措置は保健衛生の専門家の見解を参考に見直されると説明した。

同国では、都市封鎖(ロックダウン)に関する専門家の助言が5月5日までに更新される予定。

政府の発表は、パスカル・ドナフー財務相が同日、今年の国内総生産(GDP)成長率はマイナス10.5%になると述べた後に出された。

Paschal Donohoe

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画像説明, ドナフー財務相はCOVID-19について、前例のない水準の失業をもたらしたと述べた
Presentational white space

ドナフー氏は、COVID-19の大流行により、アイルランドと世界の経済情勢は根本的に変わったと説明。労働市場が大打撃を受けていると述べた。

同国は失業率がほぼ0%だったが、第2四半期には最大22%にまで悪化する見通し。また、今年の平均は13.9%になるとみられている。

失業者は約22万人に上る見込みだ。

「2022年には元の水準に」

ドナフー氏は、「COVID-19の伝染を抑えるために必要な規制が、深刻な景気後退とかつてないほどの失業を引き起こした」と述べた。

同氏はまた、今年後半には緩やかな回復が見込まれており、来年に勢いをもたらすだろうと説明。来年の経済成長率は6%に達し、失業率は10%を下回るだろうとした。

「2022年には経済活動が危機前の水準になると見込まれる」

今年の財政赤字については、230億ユーロ(約2兆7000億円)に上るとの見通しを明らかにしている。

(英語記事 Ireland bans major mass events until autumn)