【他に代わるものがない選択肢】新型フォルクスワーゲン・パサートは悪目立ちしない実直な生活のパートナー!
公開 : 2024.12.13 12:00
ゴルフと並ぶフォルクスワーゲンの伝統的基幹車種、パサートが9代目へとフルモデルチェンジ。今回からワゴン(ヴァリアント)のみのラインナップとなりました。SUV全盛の中で敢えてパサートのワゴンを選ぶ意味とは。渡辺敏史が解説します。
もくじ
メーカーの矜持としてトラディションを継承
現代のクルマの主役といえばSUV。それはなにも日本だけの話ではなく、世界的にそうなっている。形態的に不便のないものとして、人々の暮らしに行き渡ったのがその成り立ちであろう。
その一方で、失われゆく形態というのもあるわけで、たとえばセダンやその派生としてのワゴンという車型は、存続がなかなか厳しい。いわゆるカタログモデルという括りでみると、日本はともかく、欧米であってもその選択肢は目に見えて減ってしまった。手掛けられるのが一部の上級モデルに限られるのは、もはやそれは礼式的なものとなったということかもしれない。
こんなご時世だからこそ、新たに出てくるモデルに対しては、自ずと敬意を抱く。それは自動車メーカーの矜持としてトラディションを継承しようとしている、その姿勢に対してだ。だからフォルクスワーゲンにとってはゴルフよりも古い歴史を持つパサートが、今回ワゴン(ヴァリアント)のみの設定となってしまったものの、継続の道を歩むことになったことにも素直に嬉しく思う。