【5208】秋鹿 山廃 槽搾直汲 純米 無濾過生原酒(あきしか)【大阪府】
【B居酒屋にて 全6回の⑤】
登山のついでに山菜のコシアブラを両手いっぱいくらい採った。コシアブラは天ぷらにすると最高だ。ということでなじみのB居酒屋に持ち込み、天ぷらにしてもらった。べらぼうに美味しかった。
「天明」「京の春」「誉池月」「秋鹿 生酛 純米 無濾過生原酒」と飲み進め、5番目にいただいたのは「秋鹿 山廃 槽搾直汲 純米 無濾過生原酒」だった。秋鹿酒造のお酒は当連載でこれまで、16種類を取り上げている。シャープな口当たりの酸・辛酒もあれば、濃醇どっしりした酒もあるなど、懐の深い蔵だ。今回のお酒はどうか。いただいてみる。
香りほのか。含んで驚いた。「うっ」。おもわず声に出た。強い酸が来る。さわやかな酸が来る。酸味酒大好き人間のわたくしとしては、もうたまらない。早くも昇天だ。味わいは、酸と旨みが来て、中盤から余韻にかけては強い辛み。これは旨い。とにかく酸が素晴らしい。直前に飲んだ「秋鹿 生酛 純米 無濾過生原酒」は、甘みが強かったが、これは甘みはそれほど感じなく、旨みがたっぷり出ている。力強さもある。菌類的木香的含み香もわたくし好みでうれしい。クラシックタイプの、フルボディー寄りのお酒。あるいは醇酒。あるいは濃醇辛口酒。
瓶のラベルはこの酒の原料米を自営田・山田錦と開示、「無農薬循環農法」で生産したとし、その農法を「米糠の抑草効果と米糠を中心とした発酵堆肥による循環農法です」と説明している。
ラベルのスペック表示は「2023年1月上槽、酵母 7号、原料米 自営田山田錦100%、精米歩合7割、醪日数28、日本酒度+9、酸度2.8、アミノ酸度2.0、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、アルコール度数17度、製造年月2023.3」。
酒名「秋鹿」の由来についてコトバンクは、「秋の美しさと、創業者・奥鹿之助の名から命名」と説明している。また、サイド銘柄の「奥鹿」も、創業者の名による。
ラベルに赤い「へのへのもへじ」マークがあるが、その意味について、酒専門店鍵や(大阪府泉大津市)のサイトは以下のように説明している。
「へのへのシリーズ。秋鹿酒造は日本酒の原料である米も自営田で無農薬有機栽培を行っており、それを『一貫造り』と呼んでいます。その自営田で収穫した米を使用したより特別なお酒のラベルに【へのへのもへじ】の印が押されております。