(802)お父さんもひなにミルクを与える 世界一大きく美しい オウギバト

2024年09月05日 08時00分
えさ台の上に乗るオウギバト
えさ台の上に乗るオウギバト

 

 「ハトの仲間では世界一大きく、世界一美しいと言われています」

 東京・江戸川区自然動物園にいるオウギバト。担当の磯部まり子さんがそんなふうに教えてくれた。

 青い体に赤い目、頭の上に白くふちどりされた羽がならんでいる。「冠羽と言うんですが、それが扇(おうぎ)のような形なのでオウギバトと呼ぶんです」

 展示場には木がしげり、2羽が自由に歩き回っている。

 「パプアニューギニアなどにいる鳥で地上にいることが多く、あまり長くは飛びません」。でも、夜は木の枝に止まって休む。

 手前のガラスケースの中に、枝を集めた巣が置かれていた。説明板に「オウギバトの両親が2018年5月10日から7月6日まで実際に使っていた巣です」とある。

 じゃあ、そのとき育てたひなは?

 「あの木の枝にいます」と磯部さん。見ると高い所に1羽いた。大人と変わらない大きさだ。

 19年と23年にもひながかえり、それぞれ別の動物園に引っこした。「地面にいる2羽のうち大きい方がお父さん、もう1羽がお母さん。お父さんは人がいると、寄ってきます」

 オスとメスが協力して子育てする。

 「ピジョンミルクと言って、オスも口からミルクをあたえるんです。次のシーズンも繁殖にチャレンジするので、たぶん子育てのようすが見られますよ」(文・写真、佐々木央(ささき・ひさし)=2023年11月配信

地面に3羽がいっしょにいた
地面に3羽がいっしょにいた

 

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 ささき・ひさし 共同通信記者。2008年からこの連載を始めた。著書に『ルポ動物園』(ちくま新書)『未来なんか見えない』(共同通信社)、編著書に『岐路から未来へ』(柘植書房新社)『自死と向き合い、遺族とともに歩む』(全国自死遺族連絡会刊)『18・19歳非行少年は、厳罰化で立ち直れるか』(現代人文社)など。

 
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