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Matt Simon head shot - WIRED.jp

Matt Simon

STAFF WRITER

『WIRED』US版のサイエンスジャーナリスト。生物学、ロボット工学、カンナビス、環境を担当。著書に『Plight of the Living Dead: What Real-Life Zombies Reveal About Our World—And Ourselves(行きながら死ぬことの苦しみ──本物のゾンビが世界とわたしたちについて暴くこと)』のほか、アレックス賞を受賞した『The Wasp That Brainwashed the Caterpillar(たいへんな生きもの:問題を解決するとてつもない進化)』などがある。

植物の根っこから金属を採掘。「ファイトマイニング」に集まる期待

植物のなかには、土壌から大量のニッケルを回収できる種類もある。そうした植物を用いて金属を効率的に採掘する技術の開発に向けて、米国政府が本腰を入れ始めた。再生可能エネルギー革命に欠かせない、電池の供給に役立つ可能性があるからだ。

CO2だけではない。削減が必要なもうひとつの“炭素”とは

二酸化炭素と違い、気候変動対策の議論で言及されることが少ない「ブラックカーボン」。山火事の煙に大量に含まれるこの炭素は人間の健康を脅かすだけでなく、北極を黒い微粒子で覆い、太陽光の反射率を下げて雪や氷の融解を促すことで、地球温暖化を加速させている。

緑化された屋上で雨水も回収、「ブルーグリーンルーフ」の可能性

オランダのアムステルダムでは、屋上で植物を育てるだけでなく、住人の生活用水を確保する場所として活用するための実験が進んでいる。“絞って使える”未来型スポンジシティの登場だ。

今夏に予測される「巨大ハリケーン」、その発生のメカニズム

2024年の夏は北大西洋上に11のハリケーンが発生し、そのうち5つが大型化するという予測を、研究者グループが発表している。夏の嵐が危険な巨大ハリケーンへと急変する背景には、止まらない海洋の温暖化やラニーニャ現象がある。

都市に樹木を植えれば猛暑による死者を減らすことができる:研究結果

木々がつくる日陰は、温暖化が進む都市部に大きな冷却効果をもたらしてくれる。最新の研究によると、ロサンゼルスでは樹木を増やすなどの対策によって、暑さに起因する救急搬送の数を現在の3分の2にまで減らせるかもしれないという。

地盤沈下するメキシコシティで、地下鉄システムが危機に直面している

メキシコの首都では、場所によって異なるスピードで地盤沈下が起きており、都市インフラの安定が損なわれる事態となっている。公共交通機関にとっても、これは悪い知らせだ。

老朽化するインフラは自然を取り込みながら改修する:米国運輸長官インタビュー

米国では、道路や橋などのインフラの劣化が深刻化しているが、気候変動がこれに拍車をかけている。修復のため、米政府は8億ドル超の助成金を出すと発表、グリーンインフラを取り入れたその展望について、ピート・ブティジェッジ米国運輸長官に訊いた。

都市の“スポンジ化”を提唱、世界的なランドスケープアーキテクトが語る気候変動への処方箋

都市を緑化して雨水を集め、気候変動による水不足に備える“スポンジシティ化”を提唱し、世界的に注目されている中国のランドスケープアーキテクトのユー・コンジエン(兪孔堅)。その手法の有用性と具体的な方策について、ユーに訊いた。
Inevitability

地球温暖化を加速させる「エアロゾルの減少」というパラドックス

人類が化石燃料の使用を削減しなければならないのは確かだ。だがそれによって、地球を冷却するエアロゾルの排出も減少し、皮肉にも温暖化が加速する恐れがある。それでも、大切なのは根本原因を見失わないことだ。

大量の「電子廃棄物」がグローバル危機をもたらしている:国連レポート

国連の最新レポートによると、世界中で生み出される年間620億kgの電子廃棄物のうち、リサイクルされるのはわずか4分の1だという。同時に、電子機器が修理できることの重要性も指摘されている。

巨大な橋の崩落事故は、物流に世界的な混乱をもたらす可能性がある

米東部のボルティモアで港湾にかかる橋に貨物船が衝突して橋が崩落した事故は、物流にも大きな影響をもたらしている。海上輸送の要衝であるボルティモア港の閉鎖が続けば、周辺地域のみならず全米や国際経済にまで波及しそうだ。

気候変動の影響で、“いつものワイン”が姿を消す? 猛暑と干ばつへの適応を迫られる生産者たち

猛暑と干ばつが深刻化すれば、現在のワイン産地の最大70%が生産適性を失う重大なリスクに晒されるという研究結果が、このほど発表された。生産者たちは、こうした変化に適応するよう迫られつつある。

未来の食料? 池の水草「アゾラ」が注目される理由

水草の「カロライナアゾラ」は、二酸化炭素を取り込みながら恐ろしい勢いで繁茂するシダ植物だ。調理の仕方によっては「歯応えよくジューシー」に食べられるという研究が発表されているほか、肥料やバイオ燃料としての可能性も秘めている。

植物プランクトンやエアロゾルを宇宙から観測、NASAの新衛星が示す地球の未来

一見ちっぽけな存在である植物プランクトンやエアロゾルが、気候変動に大きな影響を与えている。地球温暖化が危機的な状況を迎えているいま、科学者らは地球観測衛星「PACE」を通じて情報を集めようとしている。

温暖化による海面上昇の影響を深刻化、全米の海沿いの都市では地盤沈下も進んでいる

海沿いに位置する全米の32都市で、温暖化による海面上昇に加えて地盤沈下も進んでいる実態が明らかになった。新たな研究結果によると、これらの相乗効果によって浸水で想定される影響や被害額が膨らむことになるという。

北極圏で進む「緑化」、そのメカニズムとさらなる温暖化への影響:研究結果

海氷が減り、大気の変化で雪が増えた結果、本来なら北極では見られない木々が育ちやすい状況が生まれている。発表された研究結果によると、以前から懸念されている北極圏の温暖化の問題について、その新たなメカニズムが解明されつつある。

大量の雨水を“資源”に変える、都市緑化による「スポンジシティ」の潜在力

米国の都市部では1日あたり約2,000億リットルもの雨水が流出しているが、都市を緑化して水を集める「スポンジシティ」化によって資源として活用できる可能性がある。

止まらない海面水温の上昇、最高記録更新が続くのは「極めて異常」

研究者たちの予想をはるかに超えるスピードで、世界の海面の温度が上昇し続けている。これはハリケーンの大型化や海の生態系の異変を告げる不吉な前兆なのかもしれない。

3日間で300億リットルの雨を貯水、「スポンジシティ」の可能性

3日間にわたって激しい雨に降られたロサンゼルスでは、保水力のある“スポンジ化”されたインフラによって約300億リットルの雨水を集めた。これは10万世帯に1年間、水を供給できる量だという。

地下水の急激な減少が最新の研究で明らかに。世界に広がる「帯水層涵養」技術

世界各地の帯水層を調べた最新の学術論文で、地下水の水量が広範囲で急速に減少しているという衝撃的な結果が明らかになった。こうしたなか、枯渇を食い止めるための対策が世界各地で少しずつ進められている。