2025年1月5日(日)

BBC News

2025年1月1日

太平洋の群島国家キリバスを皮切りに、世界各地が次々と2025年を迎えた。

オーストラリアでは新年を祝いシドニー港で計9トンの花火が次々と打ち上げられ、大勢が祝った。アジア各国もこれに続き、台湾やタイなどで華やかな花火が打ち上げられた。韓国や日本では、除夜の鐘を鳴らして新年を迎え入れた。

ドバイでは、世界一高い建物のブルジュ・ハリファから1万5600発の花火が打ち上げられた。

ロンドンでは中心部のテムズ河岸に大勢が集まり、恒例の年越し行事を楽しんだ。

日本では「蛍の光」として親しまれているスコットランド民謡「オールド・ラング・サイン」が流れた後、ビッグベンの鐘の音と共に2025年を迎え入れた。

政変を経て

内戦が13年続いた中東シリアでは、バッシャール・アル・アサド大統領の独裁政権が2024年12月8日に崩壊してから、初の新年となった。

シリアの人たちがアサド親子の支配下にない状態で新年を迎えるのは、父ハーフィズ・アル=アサド元大統領が1970年に実権を握って以来。

首都ダマスカスでは市内中心部の広場で、大規模な年越しパーティーが開かれた。華やかにライトアップされた広場で、DJが音楽で盛り上げる中、暫定政府の戦闘員も重武装で警備にあたった。

シリアには、クルド人、アルメニア人、アッシリア人、キリスト教徒、ドゥルーズ派、イスラム教シーア派アラウィー派、アラブ系のイスラム教スンニ派を含め、多くの民族や宗教グループがいる。イスラム教徒人口の大多数は、アラブ系のスンニ派。

アサド政権を倒した動き中心になった武装勢力「ハヤト・タハリール・アル・シャーム(HTS、「シャーム解放機構」の意味)」は、国内の少数派の権利と自由を保護すると約束している。

除夜の鐘

韓国では、179人が死亡した飛行機事故を受けて、新年の祝賀行事が中止または縮小された。

昨年12月29日に韓国南西部・全羅南道の務安(ムアン)空港で起きた済州航空機の事故を受けて、韓国は7日間の喪に服している。

ソウルでは市の決定によって、市内中心部にある普信閣(ポシンガク)で通常行われる除夜の鐘イベントが、例年とは異なり音楽パフォーマンスや花火などを省略して行われた。事故の犠牲者を追悼する黙とうと、鐘の音が静かに響く越年になった。

各国首脳の抱負

世界各国で指導者たちが2024年を振り返り、新年への抱負を語った。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は新年のメッセージで、「すべてがうまくいくと確信している。我々は前進するのみだ」と国民に語った。さらに、ウクライナで戦うロシア軍兵士たちをたたえた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、国の独立のために戦い続ける国民をたたえた。さらに、2025年については「ウクライナはしっかりと立ち、うなだれることなく前を向き、未来と勝利を信じている」と語った。

ゼレンスキー氏はさらに「2024年の間、皆さんが重ねてきた努力に感謝する。この国の人たちは、尊厳と共に、あらゆる困難に耐え抜いている。ウクライナの市民であることは、私たちにとって誇りの源だ」と述べた。

中国でも、習近平国家主席が恒例の新年あいさつを中国国営中央テレビなどを通じて発表した。

習主席は、経済は「全体的に安定して進展している」、「回復し、上向きに推移していると述べ、新たな挑戦には「努力」で立ち向かうと強調した。

習氏はさらに、台湾との「再統一」は誰にも止められないとして、台湾独立を支持する勢力に警告を発した。

フランスでは、エマニュエル・マクロン大統領が、国民議会を解散した自分の決定が「フランスにとって解決よりも不安定をもたらした」と振り返って認めた。

マクロン大統領は、国の政治的行き詰まりを打破するためにフランスの有権者の意見を求めるつもりだと発言。国民投票を実施する可能性が高いことをほのめかした。

イギリス首相官邸は、労働党党首のサー・キア・スターマーが首相になって初めての新年のあいさつを発表。首相は、「2024年は変化の年だった」と切り出し、「残念ながらまたしてもイングランドはぎりぎりで負けてしまい、そういう意味では変わらなかったが」と、昨年7月にサッカーのユーロ2024決勝でイングランドがスペインに敗れたことを念頭に、冗談を口にした上で、昨年7月の総選挙でイギリスに政権交代が実現したことや、労働党政権が変化実現へ向けて労働党政権が始動したことで、最低賃金をはじめとした国民の賃金が大幅に上がったと説明した。

スターマー首相は国民に向けて、「はっきりさせておきたい。あなたが再びイギリスの約束と繁栄を信じられるようになるまで、この政府はあなたのために闘う。この政府は今年も、来年も、むしろ起きている間はひたすら常に、変化のために闘い続ける」と約束した。

首相は、新しい住宅の建設、新しいエネルギーシステムの創設、国民保健サービス(NHS)の診察順番待ち時間の削減、移民の削減計画など、政府のさまざまな計画に言及し、「私たちはこうした課題に注力していく。今年は再建の年になる。そしてそれと同時に、私たちのこの国が偉大な国だと、再発見する年にもなる」として、「イギリスをより良く変える年に乾杯」と締めくくった。

(英語記事 The world welcomes 2025 )

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cx2w3zkxy8lo


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