行人日記@はてな

昼の休みに今日見る雲も 頼りない雲 流れ雲

「クラブゼロ」

今日は休暇を取ったので「クラブゼロ」を見てきました。ちなみに今回もU-NEXTポイントを使って無料で見ました。

以下、ネタバレ有りです。

物語は、どこの国か分かりませんが、裕福な家庭の子供が通う私立高校が舞台です。

新しく赴任してきた栄養学の女性教師は、自らが提唱する「意識的な食事」が優れた健康法であることを、授業で生徒たちに説明します。

曰く、食事はわずかな量を時間を掛けて少しずつ食べるのが良い。その際、意識を料理に集中させることで、細胞の活動が促進され、身体が浄化される。

その結果、身体が健康になり、意思力や集中力といったメンタル面にも良い影響を与え、学力など様々な能力が向上する。食料の消費が少ないため環境問題にも貢献できる。

現代の食生活は、量が多過ぎるうえ、有害物質が多く含まれる。これは経済界が商業的な目的で健康に良いと信じさせているのだ。親たちも洗脳されているから信用してはいけない。

そんな感じです。

生徒たちは、学校で教師から教わることでもあって戸惑いつつも受け入れ、失敗を重ねながらも徐々に「意識的な食事」を実践できるようになった自分に喜びを感じるようになります。

親たちは、絶食に近い子供たちの食生活に強い違和感を感じて非常に心配しますが、子供たちは、社会の欺瞞に気付かない大人たちの言葉になど耳を貸しません。

そんな話です。

まあ・・。

具体例を出すのは憚られますが、日本の社会でも、一見説得力があるように思えるものの、本能的にうさん臭く感じる健康法などを強く信じ込む人たちがいます。

(私の妻も、ハローワークを通じて会計事務所を見学した際、お腹の底から笑うことで健康になれるという話ばかりを聞かされて帰ってきたことがありました😑️)

昨今は、健康法に留まらず、ネットで交わされる不確かな情報を信じ込み、それが選挙の投票結果にも影響していると思われる事象が国内外で発生しています。

政治家や官僚、マスコミが支配する旧来の秩序が主にネットによって崩壊させられ、現代は何を信じればいいのか分からない、拠り所の無い不安定な社会だなと思います。

そして陰謀論に代表されるような、社会の常識や通念を否定し、裏付けは無いものの「それらしい」言説を信じて主張する声が大きくなっていて、危うさを感じます。

この映画は、科学的な裏付けのない健康法を信奉するカルト的な集団の話ですが、現代社会の危うさにも通じると思いました。


平日だったこともあり、観客は私を含め4人だけ。ほぼ貸し切り状態でした。

(備忘)

T・ジョイ蘇我のスクリーン12、最後列のE列で見ました。おそらくT・ジョイ蘇我の中でもランクが高いスペースと思われ、スクリーンが大きく、ソファーっぽい座席が前後左右の座席とスペースを開けて配置されていました。

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