異常に高いXbox360の故障率 〜 小売アンケート結果

ゲーム Xbox360

次世代機の第一弾として登場しながら、先代のXBOXが日本国内では壊滅的な状態だったこともあって出だしから低空飛行を続けているXbox360。ただ、世界的には特に北米で大きくシェアを伸ばしており、Gears of Warなど高い評価を受けているソフトが多数出てきています。
また、日本メーカーのソフトとしてもカプコンのデッドライジングやロストプラネット、そしてニコニコ動画でおなじみのアイドルマスターなどのタイトルもあり、また最近になってPS3タイトルがゾクゾクとXbox360とマルチ展開されるなど、日本でもそろそろ興味を持つ人が徐々に増えてきた印象はあります。HDゲーム機の本命と思われていたPS3がXbox360より高価なわりに発売タイトルのグラフィックに価格ほどの差はなく（むしろ劣る物さえあり）、さらに期待されていたPSWのソフトも特になかなか集まってきてないことも、そうしたXbox360にいい風を運んでいる印象はします。

当初より問題視されていた「故障しやすさ」

ただXbox360は、発売当初より騒がれていた問題として「故障しやすい」というものがありました。元々デザインに対する熱設計に相当な無理があったらしく、特に海外では発売当初より大きく騒がれていましたね。実際、英BBCで取り上げられるほどの状態のようです。

Game*Spark - : Xbox360本体の不良問題が、英国BBCのTVで取り上げられ反響を呼ぶ by Miu

ただ、日本では発売1年半を経て未だ40万台程度の売り上げということもあり、あまり目立った騒ぎは聞こえて来ませんでした。とはいえ、実際HDゲームとしてPS3とXbox360のどっちかが欲しいなと、検討するようになった場合には、轟音問題と併せて故障率というのも1つ気になるトピックではありますよね。

そんなXbox360の故障率についてこれまで様々な比率がささやかれていたようですが、今回小売りの側から驚くべき比率が報告されたそうです。

3割前後が故障？！〜海外小売りへのアンケート結果

具体的な情報は、以下のページに掲載されています。

Game*Spark - : Xbox 360、小売店レベルでの報告が示す故障率 by Kako

Xbox360の実際の故障率が判明、なんと33％！？ - GIGAZINE

両者がソースとしているのは、以下のDailyTechの記事ですね。

DailyTech - Retailers Estimate Xbox 360 Failure Rate High as 33 Percent

どうやら、様々な大手小売りへのアンケートを採った結果、故障率が約1/4〜1/3という、驚くべき数字が上がってきたそうです。

以前、日本のPCでソーテックが安いPCで売り上げを伸ばしながらも「すぐに壊れる」と騒がれた時期がありました。その後に調査期間が各社の故障率を調査して発表したのが以下のものです。

店頭販売店におけるパソコンＣＳ調査概況 - マルチメディア総合研究所　ニュースリリース

この資料にあるように、ソーテックの故障率、初期不良率は5%前後。このレベルでも、こうしたデジタル機器としては「相当故障率が高い」レベルな訳です。ましてや、10%を越えたらすでに「欠陥商品」レベルですよね。

そうした状況をふまえますと、この3割程度が故障、というのはとても信じがたい数字ですね。欠陥商品を通り越してリアルに「物売るっていうレベルじゃねぇぞ」という感じです。あまりにひどい数字過ぎて、このアンケート結果を信用することはできないぐらいですね。それぐらい、製品としては非現実的な数字です。

熱対策等をした改良版の早期投入に期待

こうした故障問題は、マイクロソフトとしても把握しているようで、すでに保証期間の延長措置や、故障した場合でも出来る限り迅速で丁寧な対応を心がけるといった対策はされているようです。また、最近のXbox360ではヒートシンクの改良も行われているという報告もあります。

Xbox360が公式に冷却機能を強化？ | ゲーム攻略情報メモ

ただ、それでも本当にこの割合で故障しているとしたら、全然根本的な解決になっていませんよね。故障時の対応がいいことは重要だと思いますが、度を越してしまっては話が変わってきますので。

とりあえず、故障の原因としては発熱による問題が大きいと言われているので、まずはLSI部分のプロセス改善による熱発生量の減少、それに伴う機器の放熱・冷却設計の見直しが必要となってくるのでしょう。とはいえ、強引な廃熱はファンの高速回転による轟音を招く可能性もあるので、そっちも対応が必要でしょうね。このあたり静音かつ効率のよい冷却という点では、PS3の方が何倍も優秀な印象があります。

せっかくゲームがそろってきたり、PS3が不調だったりと追い風なものがあっても、製品としての質が伴っていないのでは、ただでさえ大苦戦の日本では始まるものもはじまりません。特に品質にうるさい日本ですし、とにかくまずは品質の高いハードウェアを投入して頂きたいものですね。