#977 道具箱 - Dr.森川の人間風車

福福の島が延期しましたが、クリエイターの森川氏がまた日記で言い訳じみたことを書いています。なんでも、福福の島は、道具箱なるものを作りたかったのだと。ミニゲーム集じゃありきたりだけど、占いや心理ゲームは目新しいと思ったそうです。で、じゃああのパクリっぽいキャラはなんなのか、というと、「デコレーション」だそうです。道具箱だと無味乾燥だから、雰囲気を出すためにつけたんだそうな。そうしたら「どうぶつの森にそっくり」と言われてしまい、本質であるところの道具箱が目立たなくなって、失敗した、蛇足だったと。


なめてますね。自分自身で、「たんなる占いや心理ゲームじゃつまらなそうだから」と判断してぶつ森風の「デコレーション」をしたんじゃないですか?それなのに、パクリだと言われたら、「蛇足」扱いですか。自ら自分の判断力、先見性のなさをさらけ出しているだけでなく、ぶつ森風のデコレーションをわざわざ雰囲気出すために選んだにもかかわらず、「蛇足」と見下す感じで切って捨てています。まるで、「ぶつ森なんて蛇足なもののせいで批判があるんだ。自分のせいじゃない」とでも言わんがばかり。
前に、自分は森川氏はSCEの以来でいやいやどうぶつの森に似たゲームを作ったのではないか、と予想しましたが、こんな言い訳しているようじゃ、単に天然でパクったみたいですね。見た目だけ借りて、自分の本来主張したいところ味付けしようと。

この「既存の有名なものからいいところだけさくっと借りて楽をする」という行為、最近話題の以下の盗作問題に似ていますよね。
漫画家・末次由紀氏 盗用(盗作)検証
こちらの方も、検証の画像を見れば分かりますが、自分の作品の色づけ、演出のためだけに、既存のマンガ、写真などから安易に、しかもトレースレベルでまねて絵を作っています。これと、今回の森川氏の行為も、本質はあんまり変わらない気がしますね。ここまでまねてしまうと、あまりまねた方へのリスペクトが感じられないんですよね。

自分も昔、創作をしていたことがあり、意識しないうちにまねてしまう、という経験を何度かしています。ある時は、自作の小説のプロットを作る際、いい案が浮かんで一気に仕上げたのですが、しばらくして昔のジャンプのコミックスを読んだらそっくりの話があったりしました。小説のワンシーンと一致したこともあります。ようするに、自分が面白いと思って仕上げたストーリーは、昔自分が読んで面白いと感じたところを知らず知らず思い出して作っていた、ということです。また、音楽でも一度曲を作ったことがありますが、これもあとである女性歌手のサビ部分とそっくりであることを気づいてショックを受けたこともあります。ですので、似てしまうことを全部否定する気もありません。ただ、「明らかにパクリ」というのは別問題でしょう。

最近、のまネコ騒動が有名ですが、オレンジレンジの盗作、大塚愛のプラネタリウムの曲&PVの盗作、そして末次由紀氏、福福の森と、こうした「これはパクリだろう」という問題が続いています。のまネコはまんまだし、オレンジレンジはインタビューでカミングアウト。大塚愛のプラネタリウムは曲だけでなくPVもFFに似ているのは偶然にしてはできすぎです。また末次由紀氏も、本人が認めましたからね。福島も、2chなどでは似ているところが列挙されていますし、デコレーション感覚で気楽に流用した感が強いですね。


こうしたパクリの蔓延は、ある意味すべてのコンテンツ業界全般にマンネリに陥っているのかもしれませんね。娯楽というものに、新規なものが出てきていないのではないでしょうか。確かに、戦争も終わって、文化自体はあまり大きな変化を見せてませんしね。ただ、それでもやはりパクリはいつでも嫌われる行為です。楽して人の功績で金を稼いでいる、ということが一般人のかんにさわるのでしょう。まあ末次由紀氏みたいに超大物というわけでもなく、実際に盗作を認めてしまい漫画家人生にとどめをさされてしまうと、同情も集めてしまうようですが。2chとかの粘着性はすさまじいですからね。これからも些細なパクリでも徹底的に叩かれる可能性があるので、あらゆるジャンルのクリエイターは気をつけないとだめですね。

マネ、リメイク、カバー、続編、キャラクターとか、そういったものだけではなく、真に新しい娯楽がうまれていってくれることを願います。


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