暗闇のほとりで

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雑記 - 森博嗣『オメガ城の惨劇』

 2024年はこのブログの更新を2回しか行っていなかった…本当にいろいろあって、纏まった出力を行う気力が無かったなあ。

 今年は、もうちょい負荷をかけて、行ってみる。俺の場合は一定の負荷を掛け続けないと物事を片せられない、と、弛み過ぎないように。

 

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 森博嗣『オメガ城の惨劇』を読み終えた。
 な、なんじゃそりゃ…という事件の結末は、エピローグの引用文を読み返すと、それで煙に巻かれてもええか…という感じ。そもそも、被害者側でそんなすぐに出国できるんだろうか、とか、ヘリコプターを運転する側のリスクが高いな、とかの疑問は、些末な事柄か…。


 ファンサービスに長けたというか、先入観は偏見になるのかなというか、 読むべきところはそこじゃないんだろうな…。最後まで読んだので、時にジョークが決まる会話や、得体の知れない、今はもう手が届かないものへの距離感等に、楽しませてもらったのは確か。

 

 ブティックとスタイリストは何やったんやろうか…読んでいないシリーズ作品に関連しているんかな。

 読書メーターに上がっている感想を読んでいて、『有限と微小のパン』に真賀田四季がそういう形で出ていたっけ、と思い返す。S & M シリーズの読み返し、斜め読みでもやってみるのもありか…『数奇にして模型』はしっかり読みたい。

そう思いながら更にいろんな感想を読んでいくと、各務亜樹良…いたなあ、そうか、あー。Vシリーズも読み返さなあかんやつやなこれ…。

 

 

 森博嗣の作品を初読したのは『どきどきフェノメノン』以来だから、約20年ぶりか。
次の森博嗣作品は何を読もうかな…『スカイ・クロラ』シリーズで読みかけの『ダウン・ツ・ヘヴン』から、『ヴォイド・シェイパ』シリーズへ、『工学部・水柿助教授の解脱』か、短編集『虚空の逆マトリクス』『レタス・フライ』2冊か。

百年シリーズの未読『迷宮百年の睡魔』『赤目姫の潮解』から W 、WW シリーズへ行けるかな。ぼちぼち読んでいこう。

 

382、383ページより引用。

382 - 384ページのサイカワとミヤチの会話、事件を明らかにしていくためのプロセスがスリリングで、何度も読み返すと思う。

そして、書かれている科学的アプローチを、たぶん自分は( 誰もが )無意識に行った場面はこれまでにあるように思う、ここからは自覚的に行えるようにと、読む毎に学びたい。

「たとえば、貴女は、自分が思いつき、正解はこれではないか、という仮説を確かめようとする場合、どうする?」サイカワは滑らかな口調で質問した。まるで、その問いを用意していたみたいだった。

「その仮説が正しいという証拠を集めます。その仮説を支持するものを探しますね」

「それは、科学的アプローチとはいえない」

「どうしてですか?」

「効率が悪いから」

「それじゃあ、サイカワ先生は、どうするのですか?」

「自分が持っている仮説を否定する証拠を集める努力をする」サイカワは答えた。「疑わしいものを調べ、否定的な証拠を集め、それが間違っていることを確かめる。これが科学のやり方だ。反証を丹念に潰していくことの方が、正解に近づける。一方で、正しさを立証しようとする試みは、宗教的なアプローチといえる。神は存在し、奇跡を起こす、という証拠を必死に集める。信者は、自分たちが信じたいものにしか目を向けない。ここに宗教のジレンマがある」

 

 

 

 

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