モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

新しい時代のモーレツ企業作りを考える

最近、私の最も多い仕事は「21世紀型モーレツ企業作りの支援」という仕事です。



みなさん、モーレツ社員、モーレツ企業という言葉をご存じでしょうか?

まだ、若い20〜30代の方はご存じないかもしれません。私が子供の頃、70年代に流行った言葉です。石油会社のコマーシャルで有名になった言葉が「モーレツ」という言葉。確か、車の風でミニスカートが上がり、パンチラしそうになった女性が、「オー!モーレツ」っていうコマーシャルだったと思います。





高度成長期は、高度経済成長を支えたサラリーマンの事を指して「モーレツ社員」という言葉もできました。まだ貧乏だった私達の父親の世代は、その貧乏から抜け出し、豊かな暮らしをしていくために、また振り落とされないために、長時間モーレツに働き、家族を養ってくれました。

しかし、高度成長が終わり、90年代を超えると、この言葉は死語になりました。(まだバブル期までは、リゲインのコマーシャルのキャッチコピー「24時間働けますか?」という名残がありましたが・・)90年代から「時短」「ゆとり」という言葉が流行り始め、「モーレツ」という言葉が、格好悪いイメージになっていきました。





2009年現在、私達は、今、モーレツに働かなければ、生き残りが厳しい時代になっています。金融危機に始まる大不況。国際的にも、中国、インドが追い上げ。国内においても大競争時代。





こんな中、企業も生き残りが大変です。この大不況期に、のんびりしていては会社の倒産も視野にいれる必要がある。サラリーマンといえども、生き残るのはそうカンタンじゃなくなってきました。





この大競争時代、やはり生き残りに不可欠になるのが、原点回帰の「モーレツに働く」という事だと思うのです。

企業レベルで言えば、「全社員がモーレツに働く」ことで、他社との差別化を生み出していくという体質作りです。





ただモーレツに働くといっても、私が1960年代〜1970年代と明らかに違うことがあります。その時代は、「大量生産型社会」です。仕事も製造業が主体。「ルーチン作業を正確に、早く、長くこなしていく」ことに価値がありました。だから、働く人達も「豊かになるには我慢が必要。イヤなこと、退屈なことでもガンバらなければいけない。」ということでOKだったと思うのです。





しかし、2009年の現在は全く違います。「ルーチン作業を正確に、早く、長くこなしていく」だけでは、高い付加価値は望めません。そんな仕事の仕方では、中国やインドの人に勝てることはできません。私達の土俵ではない。私達の土俵は、もっと高付加価値な土俵です。デザイン、新しい機能、ストーリー、ユニーク性、ユーモア、アイデア等などが重視される高付加価値な分野という土俵。その土俵で勝つには、、ただモーレツに働くのではなく、「創造性を発揮しながら、モーレツに働く」ことが必要になると思うのです。創造性を発揮して貰おうとすれば、70年代型モーレツ社員の「イヤなことでも我慢してガンバル」というパターンではムリ。創造性は「楽しんでいる者」からしか生まれないからです。





モーレツに働く状態を作っていかなければいけないが、70年型のモーレツ企業ではアウト。それでは「高い付加価値の商品、サービス」など作れない。ただ、「ゆとり」ばかりを言ったって、現実に企業競争には勝ち残りはできない。これからは、21世紀型モーレツ企業=「会社や仕事が楽しくて仕方がないから、夢中でハマッている趣味のように仕事に取り組んでいる人達の集まり」を作っていかなければ、勝ち残れないと思うのです。誰から命令されるワケでなく、恐怖からではなく楽しいから、金のためではなく、やりがいから働くような集団作りが不可欠だと思うのです。





当然、その為には、「社員のモチベーションを高めるための制度」も必要になるでしょうし、「リーダー達が社員へのモチベーションを高めるような管理スタイル」も必要になるでしょうし、社員に「楽しさ創造力」を磨くことを指導していく必要にもなるでしょう。この3つの視点で「21世紀モーレツ度」を多くの企業を診断しているのですが、とてもバランスが崩れているケースが多いのが現実。いまだに、70年代型モーレツ企業を目指している会社が多かったりします。残念なことです。