13日で2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の開幕まで半年。会場となる人工島「夢洲(ゆめしま)」ではパビリオンの建設が着々と進み、大阪の街中も大きく変わっている。万博は長く停滞してきた関西経済の復活の起爆剤になるのか。変化の波を追う。
- 1万博会場
- 2夢洲駅
- 3IR予定地
- 4天保山客船ターミナル
ベイエリア
見えてきた万博会場
変わるベイエリア
万博会場は大阪市の湾岸エリアにある夢洲だ。8月21日には会場のシンボル「大屋根(リング)」がつながった。25年1月19日には最寄り駅になる大阪メトロ中央線「2夢洲駅」が開業する。
ベイエリア
万博会場の隣では統合型リゾート(IR)の建設工事が25年春以降に本格化する。30年秋の開業を目指す。敷地面積はおよそ49.2万平方メートル。カジノのほか、6000人以上収容の会議室を有する国際会議場や高級ホテルなどを併設する施設になる予定だ。
5月には大阪湾の「4天保山客船ターミナル」がリニューアルし、大型クルーズ船の受け入れ能力を拡大。万博をきっかけに「水の都」の再興を目指す。
- 1グラングリーン大阪
- 2イノゲート大阪
- 3JPタワー大阪
キタエリア 「キタ」のにぎわい、さらに
9月6日、JR大阪駅北側の「1グラングリーン大阪(うめきた2期)」が先行まちびらき。「大阪最後の一等地」ともいわれる旧梅田貨物駅跡地の再開発が進み大阪の玄関口「キタ」のにぎわいは増す。
キタエリア
大阪駅西側には新たな駅ビル「2イノゲート大阪」と複合施設「3JPタワー大阪」も7月末に開業。梅田は東側に百貨店や繁華街が集中していたが西側や北側にも新たなヒトの流れが生まれる。
- 1なんば広場
- 2なんばパークス サウス
- 3OMO7大阪
ミナミエリア 「ミナミ」も変わる、広がる
もう一つの一大繁華街「ミナミ」の変化も速い。23年には南海電気鉄道の難波駅に歩行者専用の「1なんば広場」が一部オープン。雑然とした街の特徴を残しながら、ゆとりのある空間が生まれた。駅南部でも開発が進む。
ミナミエリア
難波以南にも変化の波。22年にはJR新今宮駅前に星野リゾートの「3OMO7(おもせぶん)」が開業し話題を集めた。
空の玄関口、関空も進化
3空港全体で発着数を増やす
開業30年を迎えた「空の玄関口」関西国際空港は大規模改修を進めてきた。国際線ターミナルを刷新するなど万博に向けてインバウンド(訪日外国人)の受け入れ体制を整える。新たな飛行ルートで発着枠も拡大へ。
ホテルも開業ラッシュ
インバウンド 受け入れ体制着々
新型コロナウイルス禍を経て大阪のインバウンドは急回復。大阪市内を中心に外資系ホテルなどの宿泊施設建設が相次ぐ。
大阪市内では
ホテルの開業が相次ぐ開業時期 | 地点 | ホテル名 |
---|---|---|
5月1日 | 1 | ダブルツリーbyヒルトン大阪城 |
6月12日 | 2 | キャプションby Hyatt なんば 大阪 |
7月17日 | 3 | カンデオホテルズ大阪ザ・タワー |
31日 | 4 | 大阪ステーションホテル・オートグラフコレクション |
8月1日 | 5 | フォーシーズンズホテル大阪 |
9月6日 | 6 | キャノピーbyヒルトン大阪梅田 |
24年後半以降 | 7 | Garner Hotel大阪本町御堂筋、大阪本町北船場、大阪本町駅 |
25年 | 8 | ウォルドーフ・アストリア大阪 |
大阪府の
宿泊の受け入れ能力は拡大宿泊施設数推移
関西経済、
復活の契機になるか大阪の経済は長く低迷が続いた。人口や給与の伸びを東京と比べると、その差は歴然だ。万博の成否は関西経済の先行きを左右する。