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大阪再始動 万博開幕まで半年

13日で2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の開幕まで半年。会場となる人工島「夢洲(ゆめしま)」ではパビリオンの建設が着々と進み、大阪の街中も大きく変わっている。万博は長く停滞してきた関西経済の復活の起爆剤になるのか。変化の波を追う。

  • 1万博会場
  • 2夢洲駅
  • 3IR予定地
  • 4天保山客船ターミナル

ベイエリア 見えてきた万博会場
変わるベイエリア

パビリオンや大屋根(リング)の建築工事が進む万博会場
1パビリオンや大屋根(リング)の建築工事が進む万博会場(9月30日撮影)
夢洲では更地の状態から万博会場の建設が進んだ
夢洲では更地の状態から万博会場の建設が進んだ(23年4月から24年9月まで7枚の写真を使用)

万博会場は大阪市の湾岸エリアにある夢洲だ。8月21日には会場のシンボル「大屋根(リング)」がつながった。25年1月19日には最寄り駅になる大阪メトロ中央線「2夢洲駅」が開業する。

万博会場の最寄り駅として開設される「夢洲駅」のイメージ
2万博会場の最寄り駅として開設される「夢洲駅」のイメージ=大阪港湾局提供

ベイエリア

開業予定のIR施設のイメージ
3開業予定のIR施設のイメージ=大阪IR株式会社提供

万博会場の隣では統合型リゾート(IR)の建設工事が25年春以降に本格化する。30年秋の開業を目指す。敷地面積はおよそ49.2万平方メートル。カジノのほか、6000人以上収容の会議室を有する国際会議場や高級ホテルなどを併設する施設になる予定だ。

リニューアルし、世界有数規模の22万総トン級クルーズ船の受け入れが可能になった天保山客船ターミナル
4リニューアルし、世界有数規模の22万総トン級クルーズ船の受け入れが可能になった天保山客船ターミナル(グレーの屋根の建物)

5月には大阪湾の「4天保山客船ターミナル」がリニューアルし、大型クルーズ船の受け入れ能力を拡大。万博をきっかけに「水の都」の再興を目指す。

天保山客船ターミナルに寄港したクルーズ船
天保山客船ターミナルに寄港したクルーズ船
  • 1グラングリーン大阪
  • 2イノゲート大阪
  • 3JPタワー大阪

キタエリア 「キタ」のにぎわい、さらに

グラングリーン大阪
1グラングリーン大阪

9月6日、JR大阪駅北側の「1グラングリーン大阪(うめきた2期)」が先行まちびらき。「大阪最後の一等地」ともいわれる旧梅田貨物駅跡地の再開発が進み大阪の玄関口「キタ」のにぎわいは増す。

再開発の前には梅田貨物駅が広がっていた(2006年撮影)
再開発の前には梅田貨物駅が広がっていた(2006年撮影)
9月に先行開業したグラングリーン大阪。中央には広さ約4万5000平方メートルの「うめきた公園」が広がる
9月に先行開業したグラングリーン大阪。中央には広さ約4万5000平方メートルの「うめきた公園」が広がる
グラングリーン内には水遊びできるスペースも
グラングリーン内には水遊びできるスペースも

キタエリア

JR大阪駅西口に隣接する「イノゲート大阪」
2JR大阪駅西口に隣接する「イノゲート大阪」

大阪駅西側には新たな駅ビル「2イノゲート大阪」と複合施設「3JPタワー大阪」も7月末に開業。梅田は東側に百貨店や繁華街が集中していたが西側や北側にも新たなヒトの流れが生まれる。

大型複合施設「JPタワー大阪」内の自治体のアンテナショップ
3大型複合施設「JPタワー大阪」内の自治体のアンテナショップ
  • 1なんば広場
  • 2なんばパークス サウス
  • 3OMO7大阪

ミナミエリア 「ミナミ」も変わる、広がる

2007年撮影の南海難波駅前
2024年撮影の南海難波駅前

南海難波駅前(:2007年撮影、:2024年撮影)

もう一つの一大繁華街「ミナミ」の変化も速い。23年には南海電気鉄道の難波駅に歩行者専用の「1なんば広場」が一部オープン。雑然とした街の特徴を残しながら、ゆとりのある空間が生まれた。駅南部でも開発が進む。

2023年に開業したなんばパークス サウス。ホテルやオフィスビルが入居する
22023年に開業した「なんばパークス サウス」。ホテルやオフィスビルが入居する
多くの人が行き交う大阪・道頓堀
多くの人が行き交う大阪・道頓堀

ミナミエリア

JR新今宮駅前の「OMO7大阪」
3JR新今宮駅前の「OMO7大阪」。近くには労働者の街として知られる「あいりん地区」がある

難波以南にも変化の波。22年にはJR新今宮駅前に星野リゾートの「3OMO7(おもせぶん)」が開業し話題を集めた。

空の玄関口、関空も進化

外国人観光客らで混雑する関西国際空港の到着ロビー
外国人観光客らで混雑する関西国際空港の到着ロビー

3空港全体で発着数を増やす

関西国際空港、神戸空港、大阪国際空港の年間発着数
(注)関空は処理能力、神戸・伊丹は上限

開業30年を迎えた「空の玄関口」関西国際空港は大規模改修を進めてきた。国際線ターミナルを刷新するなど万博に向けてインバウンド(訪日外国人)の受け入れ体制を整える。新たな飛行ルートで発着枠も拡大へ。

ホテルも開業ラッシュ
インバウンド
受け入れ体制着々

新型コロナウイルス禍を経て大阪のインバウンドは急回復。大阪市内を中心に外資系ホテルなどの宿泊施設建設が相次ぐ。

「ダブルツリーbyヒルトン大阪城」が入居している複合ビル
1「ダブルツリーbyヒルトン大阪城」が入居している複合ビル(中央)。奥は大阪城

大阪市内では
ホテルの開業が相次ぐ

開業時期地点ホテル名
5月1日1ダブルツリーbyヒルトン大阪城
6月12日2キャプションby Hyatt なんば 大阪
7月17日3カンデオホテルズ大阪ザ・タワー​
31日4大阪ステーションホテル・オートグラフコレクション
8月1日5フォーシーズンズホテル大阪
9月6日6キャノピーbyヒルトン大阪梅田
24年後半以降7Garner Hotel大阪本町御堂筋、大阪本町北船場、大阪本町駅
25年8ウォルドーフ・アストリア大阪

大阪府の
宿泊の受け入れ能力は拡大

宿泊施設数推移
宿泊施設数推移
(出所)国土交通省・宿泊旅行統計調査。各年12月時点の宿泊施設数

関西経済、
復活の契機になるか

大阪の経済は長く低迷が続いた。人口や給与の伸びを東京と比べると、その差は歴然だ。万博の成否は関西経済の先行きを左右する。

人口は東京への集中が進む

人口推移
東京と大阪の人口推移
(出所)総務省

足元の成長率は
東京・大阪で拮抗

GDP実質成長率
東京と大阪のGDP実質成長率推移
(出所)内閣府

コロナ後のインバウンドは
東京の伸びが鮮明

外国人延べ宿泊者数(人泊)
東京と大阪の外国人延べ宿泊者数の推移
(出所)国土交通省

給与の伸びも
東京が大阪を上回る

現金給与総額
東京と大阪の現金給与総額の推移
(出所)厚生労働省。事業所規模30人以上の月額平均