卯月ユウトの読書日記

読んだ本を記録や文学賞のまとめなど。読書好きの交流の場です

鷹央の様子が…… -「ファントムの病棟 天久鷹央の推理カルテ 完全版」知念実希人 著

目次

 

はじめに

皆さんこんにちは、卯月ユウトです。

今回取り上げる作品は、天久鷹央シリーズ2作目(時系列で)の知念実希人さんの『ファントムの病棟 天久鷹央の推理カルテ 完全版』です。

↓先日公開したシリーズ1作目の記事はこちら

 

感想

今作では、

  1. 甘い毒
  2. 吸血鬼症候群
  3. 天使が舞い降りる夜

という三つの謎に鷹央が挑みます。どれも真相に辿り着いたとき、「ああ、なるほどな……」と思わされる『善意からのトラブル』が描かれていました。

前作と同様に、テンポよく話が進んでいきあっという間に読み切ってしまいました。

 

「謎」を目の前にすると前のめりで解決しようとする鷹央ですが、今作では凄く興味深い「謎」が目の前にあるにも関わらずその謎を解こうとしません。そこには、今作で出てくるとある患者が大きく関わっていました。

珍しく弱気になる鷹央に、小鳥遊がうまくサポートしていく。前作と比べて小鳥遊の存在感が増して、良いコンビになっていったように感じました。

どんな患者がキーになるのか、鷹央が弱気になっている理由などの詳細は実際に読んで確かめていただきたいのでこれ以上は書きません。一つ書くとすれば、3つ目の『天使が舞い降りる夜』に関しては結末と「謎」の真相のどちらもとにかく切なくて、読んでいて思わず泣いてしまいそうになりました。

 

ちなみに、私が読んだ実業之日本社文庫版の巻末には書き下ろし掌編『ソフトボールと真鶴』が収録されています。本編が終わった後、少し息抜きのような感じで楽しめるのが良いですね。

まだまだシリーズの既刊はたくさんあるので、順に読んでいきたいと思います。

 

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さいごに

ここまで、知念実希人さんの『ファントムの病棟 天久鷹央の推理カルテ 完全版』の感想を書いてきました。

驚異的な知能を持つ鷹央の弱い部分が知ることができ、またそれを乗り越え医師として一つ成長していく一冊でした。

それでは、また。