うちの爬虫類の話

うちの爬虫類たちの話をします。

ゆずのケージを新調しました。

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ゆずのケージを新調しました。

これまで使っていたリス興業のプラ舟60が手狭に感じられるようになってきたためです。

新しいケージに選んだのは、同じくリス興業のプラ舟で、これまで使っていたものよりひとまわり広く深い、G-130深(底面769.3mm×469.3mm、深さ330.5mm)というサイズのものです。

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このプラ舟を見つけたとき、私は、「探していたのはこれだったんだ!」という思いを抱きました。私がリクガメケージに求めているものが、バランスよく備わっていると感じたからです。

実際、このプラ舟は、小型リクガメを飼育するのにうってつけだと私は思います。そこで今日は、私のこのプラ舟を選んだ理由と、導入後のセッティングについて書いてみることにします。

G-130深を選んだ理由

安い

まず、購入した理由のほうから。

ゆずのケージの新調を考えたとき、はじめに頭に浮かんだのは専用ケージへの切り替えでした。なにしろ爬虫類を飼うために作られているわけですから、機能性はいちばんでしょうし、みてくれもよい。「爬虫類を飼ってるぞ」という高揚感を味わえます。

けれども、問題になるのは価格です。もちろん、動物飼うのに金を惜しむなというのは正論ではありますが、金を惜しまないことと無節操に金を使うことは違います。家族もあるなかで、カメだけに無制限にお金を注ぎ込むわけにもいきません。この金食い趣味を許容していてもらうためにも、費用が抑えられる部分は抑えられたほうがいい。そのため、(ソラリウムを買って幾ばくもしないうちに)高価な専用ケージをぽんと買うのは躊躇われました。

その点で、プラ舟はやはり魅力的です。深型のプラ舟は通常の浅いものに比べると高価ですが、それでも、G-130深の市場価格は1万円未満。同じようなサイズの専用ケージと比べると半額以下の出費で済みます。この安さが、この容器を選ぶ第一の理由になりました。

軽くて丈夫

さらに、樹脂製なので同等サイズのガラスケージなどに比べて圧倒的に軽いことも大きな魅力でした。G-130深の重さは5.6kg(1)、グラステラリウムの9030が17.4kg(2)ですから、3分の1以下の重さです。そしてもちろん、ぶつけても割れません。お風呂場に持っていって丸洗いすることもできますし、セッティングによっては、暖かい日に、そのまま外へ運んでカメを日光浴させることもできるでしょう。この取り回しの良さは、めんどくさがりかつガサツな人間(私)にとってはありがたいものです。引っ越しでグラステラリウムを壁にぶつけて大破させるような経験は、正直もうしたくはありません。

深さがある

そして、なにより魅力的、正確にいえば、プラ舟を使うという前提においてG-130深が魅力的だったのは、名前に違わぬその深さでした。

リクガメ飼育に用いられることも多いプラ舟ですが、一般的なプラ舟の大きな欠点として、深さがないことが挙げられます。たいていは深さが20cm弱しかないため、床材を10cmも敷くと、そこから縁まで10cmしか残りません。これだとある程度育ったカメでは脱走する恐れがありますし、脱走しないように金網などで蓋をすると、背甲までの距離がヨツユビリクガメでもきつきつになってしまいます。暖突や照明もケージ内、あるいは蓋の上に直置きすると距離が近くなり過ぎてしまうので、別途スタンドなどを用意して使用しなければいけません。この点で使いにくいため、プラ舟で飼育されている方は、縁に木枠を取り付けたり、コンパネなどで周りを囲って高さを稼いでいることが多いです。

G-130深は、この欠点が解消されていることが魅力的でした。深さは33cmあるため、床材を10cm敷いても、縁まで23cmも残せます。これだけの深さがあれば、少なくともヨツユビリクガメなら蓋をしなくても脱走できないでしょう。蓋をするならそこに暖突を取り付けることもできます。照明器具に関しても、ソラリウムの35Wなら、金網で蓋をした上に置くことで、クランプソケットの高さ込みで25cmの照射距離(メーカー推奨)を確保することができそうですし、バータイプソラリウムも、金網の下に取り付けても20cmほどの距離があるので、強めのモードが使えそうです。もちろんライトドームも置けるでしょう。照明をケージに直接置けるなら、それごと防火布で覆うこともできるので、冬場の保温、保湿も楽になりそうです。

また、後述のあるものを置くためにも、容器の深さは大切でした。

最終的にはこれが決め手となって、私はG-130深の購入を決めることになりました。

セッティング

続いて、ケージ導入後のセッティングについて書いていこうと思います。

床材

まず、ケージが深くなったので、床材の厚みを増やし、10〜12cmくらい敷くようにしました。これだけあれば、大きくなったゆずもすっぽりと、床材の中に潜ることができます。

さらに、爪を摩耗させるための石ゾーンを広くしました。ダイソーのスレートプレートを2枚並べて、ケージの半分弱ほどを石ゾーンにしています。処分の都合で赤玉土などの硬い土が使いにくく、燃えるゴミに出せる柔らかい床材に頼っている現状から、ケージを広くしてもっとも実現したかったのがこれでした。この上をしっかり歩き回ることで、爪の伸びすぎ防止や足腰の強化につながることを期待しています。プレートを2枚敷いても、ゆずが穴を掘るスペースがしっかり確保できているので、やはりケージは広いに越したことはないと思います。

なお、スレートプレートの下はゆずに掘り返されないように、レンガで壁を作ってあります。

パネルヒーター

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もうひとつ、ケージを広くしてやりたかったのは、ゆずの逃げ場を作った上で、床材をしっかり温めるエリアを作ることでした。湿らせた床材を温めることで蒸発を促進し、ケージ内の湿度を保つこと、あわよくば床材を、交換不要な生きた状態に保つことが狙いです。

今回のケージでは、石ゾーンと土ゾーンの境目あたりに、ケージの短辺に平行に、ピタリ適温3号を敷くことにしました。ケージを広くしたおかげで、3号を敷いてもゆずの逃げ場は十分に確保できています(今のところは、半分ヒーターに乗るくらいのばしょで寝ていますが)。

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照明を設置したり猫の侵入を防いだりするために、ケージには引き続きダイソーのワイヤーネットで蓋をすることにしました。

この蓋、62cm×29.6cmのものを横に3枚並べるのが綺麗ではあるのですが、照明の配置の関係で写真のような置き方になっています。左右2枚と奥の1枚は一部を結束バンドでくくりつけているだけですが、照明や暖突を設置する都合上ほぼ開けられなくなり、手前の1枚を開け閉めしてメンテナンスをすることになりました。

この点は、G-130深の(というかプラ舟飼育の)欠点と言えます。上からしか作業ができないので、どうしても蓋の開閉と照明が干渉してしまうのです。我が家のセッティングでは開口部が20cm四方確保できましたし、床材に給水するエリアも真ん中なので、普段のメンテナンスでとくに不都合はないですが、使いにくさを感じる方もいらっしゃるかと思います。

暖突とバータイプソラリウム

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深さが増したことで、これまでワイヤーネットの上から使用していた暖突を、ワイヤーネットの下側に固定できるようになりました。ダイソーで売っていたL型の取り付け金具を付属のワッシャーの代わりに本体に取り付け、その金具にS字フックを通してワイヤーネットにぶら下げています。床材からの距離は15cm程度でいい感じになりました。

バータイプソラリウムも、これまでリフトアップ用の金具をプラ舟の縁にまたがせて使っていましたが、付属の金網取り付け用金具と、これもダイソーで売っていた直型の取り付け金具でワイヤーネットを挟むようにして固定するように変更しました。

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暖突とバータイプソラリウムを取り付けたワイヤーネットには、暖突の熱を逃さないように防火布を被せてあります。

照明器具

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ソラリウムのクランプソケットと、LED電球を取り付けたライトドームは、ワイヤーネットの上に直に置けるようになりました。これにより、配置の自由度はだいぶ上がり、ケージの縁に干渉したり、光が外に逃げてしまったりすることもなくなり、より無駄なくケージ内を照らせるようになっています。

ソラリウムの補助として使っているレフ電球だけはワイヤーネットに置けないため、ケージを置いているラックの柱に固定して使用しています。

加湿器の設置

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そして最後に、新しい備品を設置しました。

自然気化式の加湿器、ミスティガーデンです。おそらく自然気化式の製品としてはいちばんの性能を持つ加湿器で、コップ1杯の水の自然蒸発量の40倍以上の水を気化させてくれます。フィルターが植物を模した形と色なので、爬虫類ケージに置いてもそれほど違和感がありません。

リクガメ飼育に使用されている方もちらほらいるようで、以前から気になっていた製品ですが、高さが20cmあるため、プラ舟60では入れられませんでした。さきほど少し触れましたが、今回、深型のプラ舟に変更したのは、この加湿器を使えるようにするためでもあります。

開放型のケージなので、さすがにこれだけで湿度60%、70%に持っていくのは難しいようですが、設置後は散水から時間が経っても湿度計の数字が50%前後を維持しており、及第点の湿度は維持してくれているようです。

最後に

以上のように、ケージをプラ舟G-130深に変更することで、ゆずの飼育環境をだいぶバージョンアップさせることができたように思います。百均のあれこれを含めても1万と数千円という費用でこの環境が整えられたので、あらためて、いい容器だなという印象を持ちました。

もちろん、鑑賞面では専用ケージに劣りますし、百均で揃うとはいえ追加でいろいろ買ってこないといけないものがあり、お仕着せで飼育を始めることはできません。しかし、リクガメの飼育容器としては、とても優秀な部類ではないかと思います。

もし、リクガメの飼育容器に迷っている方がいたら、検討してみていただいてもよいのではないでしょうか。

 

参考文献

  1. プラ舟G-130深:リスのプラスチックグループ.http://www.risu.co.jp/products/search/detail/t000100014234/
  2. グラステラリウム9030:GEX.https://product.gex-fp.co.jp/exoterra/?m=ProductListDetail&cid=395&id=938

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