小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「なぜBBCだけが伝えられるのか」(光文社新書)、既刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)など。


by polimediauk

日本の軍事費は巨大 英シンクタンク調べ


 昨日、英シンクタンクIISSというところが、「ミリタリーバランス2006」という情報を出した。

 以下は共同の記事。

中国軍事費、公表の3倍超 英戦略研報告書

 【ロンドン24日共同】英国の有力シンクタンク国際戦略研究所(IISS)は24日、各国の軍事力と地域情勢を分析した報告書「ミリタリー・バランス2006」を発表した。2004年の中国の軍事費が、研究開発費などを加えて人民元の購買力平価などに基づく独自のドル換算をした結果、公式発表の3倍超になるとの試算を明らかにした。
 03年の軍事費は独自のドル換算前の段階で公式発表の1・7倍だった。
 報告書では、04年の中国の軍事費は843億ドル(約9兆5000億円)で、ロシアを抜き米国に次ぐ世界第2位の規模。05年は995億ドルで、チップマンIISS所長は「急激な増加傾向にある」と指摘、軍事力強化を急ぐ中国の姿が浮き彫りとなった。
(共同通信) - 5月25日12時41分更新

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 そうだったのか・・・中国ってすごいな、と思い、日本はどうなっているのだろうと新聞を買ってみた。

 ガーディアンの紙面を開いて、驚いてしまった。(ここからが無知・不勉強をさらけだすことになるが、お許し願いたい。)それは、日本のことだ。

 日本にいるときは、あまり意識しなかったのだが、英国に住んでいると、「日本の軍事費はでかい。日本は(予算の面からは)軍事大国だ」という意見を、よく聞く。軍事力の話をするとき、「日本は実際の戦闘に関わっていないから・・・」ということで、何となく漠然とした態度を示すと、「甘い!」とよく言われるのだった。

 そこでガーディアンを開くと、日本は戦闘員の数=軍事力と見た場合、約26万ほどで、世界19位になるのだが、軍事費ということで比べると、世界第4位だ。(米国、英国、フランスにつぐ。日本の下は中国。)

 大きさの面からは19位なのに、軍事費からは4位?

 これは一体、どういうことなのか?(ご存知の方は教えていただきたい。)高い機材があるということなのか、米軍の肩代わりをしていることなのか。

 ちなみに、英国、フランス、日本の軍事費はほぼ似たり寄ったりだが、米国はこの3つの国のそれぞれの額の、10倍である。異様に大きい。力で世界を席巻???

 それと、中国だが、日本が大体26万から30万の戦闘員がいるとして、中国は公式には225万、実際には700万、とIISSは結論付けている。

 共同以外では、この報告書を記事にした日本の新聞はあるのだろうか?共同の記事は、何故全く日本のことに触れないのだろう?日本の状況は、(私以外の)多くの日本人が既によく知っているから、なのだろうか?
 
 今までぼうっとして(あまりにも)していたが、これもきちんと見ていこうと思った日だった。


 
by polimediauk | 2006-05-26 00:28 | 日本関連