山口県防府市商工会議所のお招きで、防府市の地域デザインとブランディング(グランドデザイン)について考えるセミナーにデザインマーケティングの講師として登壇させていただきました。
防府市には菅原道真公が祀られた防府天満宮があります。セミナーの前日に、市内視察とともに寄らせていただきました。日本最古の天満宮でもあり、北野天満宮(京都市)、太宰府天満宮(太宰府市)と共に日本三天神と称せられています。この日はちょうど七夕の飾り付けが美しく彩りを添えていました。
今回お招きいただきました、[防府商工会議所]では、[防府商工高等学校]「防府市」とも連携して地域のブランド力を強化する
防府ブランド「しあわませます」プロジェクトを推進中。日本ユネスコプロジェクト未来遺産にも登録されています。
地元の高校生が地域にブランディングに戦力として参加しているのはずばらしいですね。防府商工高等学校にもお伺いさせていただき、校長室で校長先生やご担当される教諭陣とお写真を撮らせていただきました。
防府市には、規模の大きな工場地帯と2つの港があり、見たことの無い多数大容量のコンテナが大量に運ばれ積まれる壮観な風景もあります。そして中心市街地には先ほどの防府天満宮や商店街など、文化の異なる区域が存在しています。
「地域ブランド」の推進には、いくつかの高いハードルがありますが「らしさの表現」「持続継続」などと同等に、異なる地域の特色をどう繋ぐのか、繋げるデザイン(印象統一と連携のストーリー)は一つの課題ではないでしょうか。
市内をひととおり見せていただき、職員の方に少し大胆な提案もしてみました。「市政、地域デザインの一つとしてのサイン、そしてのフォント(文書などに使う日本語の書体ももちろん含めて)の統一」です。
パリのシャルルドゴール空港などを例に挙げ、コミュニケーションデザイン、ブランンドデザインの立場からではありますが、高校だけでなく、行政や経営指南に携わる組織からも一丸となってデザインリテラシーの向上に努めていただきたい、そのために都市のサイン計画のデザイン性向上にも取り組んでいただければと。なぜなら、デザインに対する理解や実行能力は、国際社会にブランドとして必ず伝わる「都市の知性」そのものだと思うからです。
企業や商品ブランド、あるいは美術館図書館といった施設の単位では、こういったこころみは普通ですが、行政でのVI(ビジュアルアイデンティテイ)導入となれば、日本でもまだ珍しい試みのはずです。ロゴだけ、キャラクターだけという単発プロジェクトではなく、ウェブも紙も空間もイベントも町そのものも・・・となったら素晴らしいと思います。
当日は50人の高校生、30名の議員さん(商工会議所所属)、他にもデザインマーケティングやブランドプロジェクトに関わられる職員の方、日頃教鞭をとられるご担当の先生方にもご聴講いただきました。(セミナー終了後に許可を得て記念にとらせていただきました。高校生がいっぱい!)
こちらでは、実は日頃からデザインマーケティングの授業などにも力を入れていらっしゃるそうで、しかも教科書に
『デザインセンスを身につける』をご採用いただいていました。ビジネスセミナーで指定教材に自著をご指定いただいた事は何度かありますが、高校生の学生教材としてご採用いただきました事は本当に光栄な事だと感じています。(ありがとうございます!)
こちらのプロジェクトは、外部の専門家の知見を積極的に取り入れ、かつ市民自らの手で協力し合って持続継続力のあるブランドプロジェクトを推進中ということです。都市デザインにご興味のある方、あるいはご専門のみなさま、ぜひご利益多き防府天満宮もあります防府市に、近くお出かけになられてみては如何でしょうか。
防府商工会議所
防府ブランド「幸せます」
【編集後記】
街中(商店街)になぜか「カジュアルな昭和館博物館」のようなものがあり(笑)ブランドプロジェクトの他に「お笑いのプロジェクト」もあるのだそうです。
ちなみに防府は「鱧」の産地としても有名で
鱧のフルコースをいただきました。お刺身、すり身、天ぷらなどはもちろん、肝や浮き袋といった珍味もすばらしくここはぜひフルコースをおすすめです。
かまぼこ、生ういろう、葉山葵(はわさび)もこちらの名産品です。防府にお越しの際はぜひチェック!
天満宮の近くのお蕎もおいしかったです。商工会議所の議員、職員のみなさま、二日間、大変にありがとうございました。