街全体が「写真映え」で人気急上昇。レトロモダンな港町「尾道」を1泊2日で遊びつくす

歴史情緒ある港町、豊富なご当地グルメ、自然あふれる瀬戸内の島々。広島「尾道」の旅は、女子旅や1人旅、グループ旅など、どの年代も楽しめる人気の国内旅行先です。誰でも気軽に街歩きやサイクリングが楽しめるほか、近ごろはSNS映えするスポットが多いとの声も。

尾道は海も山もあり、小さな港町ながら見どころが多い image by:シカマアキ

その尾道で近年、新しい取り組みや店舗などが続々と登場しています。「しまなみ海道」の玄関口でもあり、自転車での旅も人気です。市内には、自転車向けの案内やスポットなども多く見かけます。

1泊2日で尾道の見どころをくまなく巡る旅。特に最新でおすすめの楽しみ方やスポットなどを紹介します。

尾道は「自転車」の町。16人乗り自転車で一味違うツアー

16人乗り自転車「ICHIROKU ONOMICHI」のツアー image by:広島県

のんびりとした雰囲気漂う、尾道の町。街中の見どころを巡るのに、実はすべて歩くとなるとけっこう距離があります。そのため、レンタサイクルも多く、気軽に利用できます。

自転車で尾道を巡るのに今おすすめなのが、オランダ生まれの16人乗り自転車「ICHIROKU ONOMICHI」でのツアーです。

一般的な自転車と異なり、ハンドルを握る必要がないのが特徴の1つ。ドリンクを片手に、ツアー参加者がペダルをこぎながら楽しむことができます。

しかも、日本で公道を走るのはここだけというレアさ。子どもから中高年まで幅広い年代で参加でき、尾道を訪れるのが初めて、またリピーターにもおすすめです。

  • ICHIROKU ONOMICHI
  • 広島県尾道市土堂二丁目10-24 ONOMICHI SHARE内
  • 0848-38-2912
  • 尾道今昔ツアー3,300円(1ドリンク・クロワッサン付)/尾道ビールツアー3,300円(試飲・ビール1本付き)/尾道体験ツアー1,100円(1ドリンク付)1,650円(ビール1本付)
  • 尾道今昔ツアー 毎週金曜13:00~(約90分)/尾道ビールツアー 土日祝11:00~(約90分)/尾道体験ツアー 金土日祝10:00~、11:30~、13:30~(各回45分程度)※申込期限がそれぞれ異なるので注意
  • 10:00~18:00
  • ホームページ

通常非公開の老舗「尾道造酢」見学。歴史や醸造を直に知る

老舗「尾道酢造」の酢を使ったドリンクをツアーで提供 image by:シカマアキ

まず紹介するのは、尾道の歴史と今がわかる「尾道今昔ツアー」です。尾道名産「酢」を使った特製ドリンクと、フランス本場仕込みという「CASTLE ROCK」の人気クロワッサンを手に、16人乗り自転車に乗り込みます。

「尾道造酢」直売所では工場製造の全商品を販売 image by:シカマアキ

自転車をみんなでこぎながら風景を楽しみつつ、ドリンクとクロワッサンを味わった後、日本最古の酢蔵がある「尾道造酢」を訪ねます。工場内は通常は一般公開されてなく、このツアー限定です。


尾道における「酢」の歴史がこのツアーで見学できる image by:シカマアキ

尾道造酢は、1582(天正10)年創業。大阪の堺から酢の工人を招き、酢の醸造を始めたのが始まりです。

尾道の温暖な気候や良質な水源で、江戸時代に酢の醸造がさかんに。特に、北前船の西廻り航路で、原料の秋田米が運ばれた帰りの船に尾道酢が東北まで運ばれた記録が残っています。

「尾道造酢」で昔から使われ続ける甕。今も現役とのこと image by:シカマアキ

現在は従業員12名。広島県内の老舗酒造メーカーから取り寄せた酒粕から大きな甕で熟成、醸造、出荷まですべて手作業で行われています。

尾道酢造の定番「そのまんま酢のもの」(左)とその他の商品もおすすめ image by:シカマアキ

今も尾道の家庭に必ず1本常備しているという「そのまんま酢のもの」、フルーツを使った酢、ポン酢なども製造。併設の直売所で購入できます。

蔵の中には昔からずっと使われてきた甕、酢を入れていた壺なども見学でき、造酢の流れを知ることができるなど貴重な体験となるでしょう。

  • 尾道造酢
  • 広島県尾道市久保1丁目5-2
  • 0848-37-4597
  • ホームページ
  • ※一般見学不可、直売所あり

尾道産のビールを味わうツアー、レンタサイクルもおすすめ

「BETTER BICYCLE」尾道店では自転車やヘルメットなどもレンタルできる image by:シカマアキ

ほかに、「尾道ビールツアー」では、古蔵を活かした尾道ブルワリーの醸造所を見学後、メイドイン尾道のビールを片手にサイクリングが楽しめます。市街地の東側エリアを一周するサイクリングツアーで、参加者の一体感など体験できる「尾道周遊ツアー」もあります。

ツアーを主催する「BETTER BICYCLE」尾道店では、レンタサイクルも。ロードバイクや電動アシスト自転車などあり、尾道の市街地はもちろん、しまなみ海道へ足を伸ばす際にも便利です。


尾道おすすめスポット①レトロな商店街や無料の展望デッキ

尾道の商店街はどこか懐かしい雰囲気が漂う image by:シカマアキ

尾道にある、話題のスポットも紹介します。まず、JR尾道駅から東に約1.2km続くアーケード商店街「尾道本通り商店街」は5つの商店街で構成され、食料品、衣服、飲食などの店舗が並びます。昔ながらのレトロな雰囲気に加え、新しい店舗も増え、食べ歩きやお土産選びにもおすすめ。

尾道市役所の屋上にある展望デッキ。眺めが素晴らしい image by:シカマアキ

また、尾道の市街地や尾道水道などが一望できるのが「尾道市役所 展望デッキ」です。屋上を1周でき、千光寺やしまなみ海道の新尾道大橋なども良く見えます。夜21時までオープンし、夜景スポットとしても人気です。

サイクリストの聖地としても話題の「ONOMICHI U2」image by:シカマアキ

JR尾道駅から、尾道水道の堤防沿いに西へ歩くと、「ONOMICHI U2」が見えてきます。サイクリスト向けの複合施設で、海運倉庫を改装したモダンな雰囲気。

自転車を部屋に持ち込んで宿泊できるホテル、レストランやカフェ、バー、サイクルショップなどがあります。この堤防沿いの遊歩道は、散策にも心地よい場所です。

  • 尾道本通り商店街
  • 広島県尾道市土堂2-3-19
  • 電話番号
  • 尾道駅
  • ホームページ
  • 尾道市役所 展望デッキ
  • 広島県尾道市久保1-15-1
  • 0848-38-9332(尾道市総務課)
  • 最寄り駅
  • 料金:無料
  • 定休日:なし
  • 8:30~21:00
  • 尾道市ホームページ

尾道おすすめスポット②千光寺山からの絶景と「猫の細道」

ロープウェイで空中散歩。寺を真下に越えるのも珍しい image by:シカマアキ

尾道は海だけでなく、市街地すぐに山もあります。JR尾道駅の北側にある千光寺山(標高144.2m)は、徒歩でも登ることができますが、ロープウェイ(片道500円、往復700円)だと山麓から山頂まで3分で到着します。

新展望台「PEAK」にはらせん状の歩道とエレベーターもある image by:シカマアキ

山頂から中腹にかけて「千光寺公園」が広がっています。2022年3月29日、新展望台「PEAK(ピーク)」がリニューアルオープン。全長約63m、まるで長い陸橋のような造りで、尾道の市街地、瀬戸内海の島々、天気が良い日は四国連山まで見渡せます。

春は桜やつつじ、初夏は藤が紫とピンクの花をつける名所でもあり、日が暮れた後は夜景スポットで人気。園内には「尾道市立美術館」や「文学のこみち」、千光寺公園視点場「MiTeMi(ミテミ)」など見どころが点在しています。

「PEAK」からの眺め。瀬戸内の多島美もよく見える image by:シカマアキ

また、「PEAK(ピーク)」から少し下った場所に「千光寺」があります。創建806年で、弘法大師が開基したとされます。珍しい舞台造りの朱塗りの本堂(別名、赤堂)があり、昔から「火伏せの観音」と称されて火難除けで知られます。

猫の細道には福石猫をはじめ猫にまつわるスポットが多数 image by:シカマアキ

千光寺からさらに下るとある「猫の細道」は、SNS映えスポットとして話題に。作家の園山春二さんが生み出した「福石猫」が、良神社の東側から天寧寺三重塔にかけて約200mの路地に置かれ始めたのが由来だとか。

空き家を再生した隠れ家のようなカフェや美術館などあり、まるで猫の気分で散策が楽しめます。

  • 千光寺公園
  • 広島県尾道市西土堂町19-1
  • 0848-38-9184(尾道市観光課、平日8:30~17:15)
  • 尾道駅
  • 定休日:なし
  • 24時間 ※「PEAK(ピーク)」内エレベーターは9:00~17:15
  • 尾道市ホームページ
  • 千光寺
  • 広島県尾道市東土堂町15-1
  • 0848-23-2310
  • 尾道駅
  • 拝観時間:9:00~17:00
  • ホームページ

1泊2日で自転車も地元グルメも。誰もがリフレッシュできる旅先

必ず食べたい「尾道ラーメン」は店舗が多いので事前リサーチを image by:シカマアキ

尾道は食の宝庫でもあります。有名な「尾道ラーメン」は、麺は中細で平打ちが多く、スープの表面に浮く「背脂ミンチ」などが特徴。尾道市内の至るところに店舗があります。

ほかに、砂ずりとイカ天が入ったお好み焼き「尾道焼き」、穴子丼やオコゼの唐揚げ、レモンケーキやはっさく大福なども。瀬戸内の海の幸も新鮮でおいしくて絶品です。古い建物をリノベーションしたおしゃれなカフェやパン屋、スイーツ店なども次々と登場しています。

尾道水道を行き交う渡し船や新尾道大橋(奥)など image by:シカマアキ

尾道の市街地を巡るなら、自転車と徒歩で十分楽しめます。宿泊施設は、ビジネスホテルから旅館まで充実。尾道で1泊2日、歴史と自然、最新スポットなど巡り、身も心もいやされる旅はいかがでしょうか。

  • image by:Shutterstock.com
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
  • ■ひろしま公式観光サイト「Dive!Hiroshima」:https://dive-hiroshima.com/
    ■ひろしま観光アプリ「KINSAI」:https://dive-hiroshima.com/feature/feature-55552/
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ジャーナリスト・フォトグラファー。飛行機・空港、旅行、ホテル、グルメなどをメインに、国内外で取材、撮影などを行う。雑誌やWEB向けの記事、写真や旅行などのセミナー講師も務める。元全国紙記者。大阪在住。

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