Jugend ohne Sex
ドイツ人「日本人は性欲を失ってしまったようだ」(ドイツの反応)
ドイツ人「日本人は性欲を失ってしまったようだ」(ドイツの反応)
この記事、長文につき注意
ttp://www.zeit.de/2014/24/japan-jugend-sex
13. Juni 2014 17:36 Uhr
日本人は愛への興味を忘れてしまった。
不安が渦巻く国の象徴、日本。
年功序列が横行し、感情を押し殺さなければならない。
この運命をドイツも辿るのだろうか。
村田光の思い描いていたスーツ、それは今自分が着ているものとはかけ離れたものだった。
一着の一張羅。一張羅とは言っても、これが村田の持つ唯一のスーツである。
このスーツは18畳ほどのアパートにあるベッドの上にかけてある。
壁は紙のようにぺらぺらで、床には空のカップ麵容器がいくつも転がっている。
東京は快晴。街中にはあちこちで花も咲いている。
村田は暗い中でタンスを漁っていた。こんな日にお似合いの白いワイシャツを摘み上げる。
今日もまた、夢を見るのである。
こなれたようにネクタイを結ぶと、背筋もぴんとする。
「これがサラリーマンなんだ」と村田は和製英語を使い自分を奮い立たせる。
ドアを開けると、村田は地下鉄の駅へと向かっていった。
夕暮れ時、高層ビルの陰も長い影をつくり始める頃、スーツを着た人々が道を埋め尽くす。
村田は彼らの中に紛れ、また、彼らと同じように携帯をいじる。忙しいようにみせるためだ。
長い信号待ち。村田は通勤ラッシュと戦っていた。
あたかも自分が高給取りのサラリーマンであるかのように。
あたかも自分の生活が豊かであるかのように、あたかも自分に妻がいるかのように…
こんな幻想を見るために、村田は何週間に一回、東京へと繰り出すのである。
村田は、スーツを着た人々が飲み食いする居酒屋に来ていた。
年配のサラリーマンがタバコを吸い、気持ちよく話をしている。
「やっぱ仕事終わりのビールは最高だ!!」という声が聞こえる。
そう、彼らは今日も勤勉に働いていた。彼らの顔には、残業の疲れが見えている。
村田ひかる、29歳。彼はあまり嬉しくなかった。
ほとんどいつも、独りでいる。海外にだって一度も行ったことがない。
大学にだっていけるような良い生徒だったのに、普通の日本人が進むべき道をどこかで間違ってしまった。
先生たちの希望、親からのプレッシャー。
人生はそう上手くは行かない。村田は映画とゲームにどっぷりとはまっていった。
村田は現在、ブルーの制服に身を包み、24時間のコンビニの夜勤を週に4日している。
彼の憧れるサラリーマンに会うのは、朝方に彼らがコーヒーを買いに来たときくらいである。
親はいつも言っていた、お前の夢は何かと。
村田はサラリーマンという曖昧な答えしか持っていなかった。
日本人としてこの答えは決して間違ってはいない。
ただ、村田の場合、道を踏み外してしまったのだ。
彼の年代の青年にはよくあることである、そして彼らはほとんど元の道に戻ることは出来ない。
この調査はインターネット新聞のある記事からは始まった。
この記事に出てきた日本人は愛に対する、もっと言えば性交に対する興味を無くしてしまっていた。
記事は無気力世代と呼ばれる混乱した状態の中にいる日本人の典型例を特集している。
私たち外国人から見れば、こんなにも裕福でこんなにも平和な国で、この世代だけあたかも悪性の病に犯されているのではないかと思う。
80年代の後半にそれは起こった。しかし、それが何か分かるものはいなかった。
日本人はそれが経済危機だと思った。そして、それが情勢を乱す一時のものだと思っていた。
成長率が沈み、ローンが上がっても、政治家や専門家は楽観視していた。
日本人はみな、数年もすれば日本はまた活気のある国に戻る、アジアの大国に返り咲く日が来る、そう思っていた。
しかし、沈みゆく日本が浮き上がってくることはなかった。
政府は橋や道を作るために負債を次々と重ね、時には買い物券を配ることもした。
しかし、日本の経済が回復することはなかった。
もしかしたら、日本を支配しているのは経済危機ではないのかもしれない。
「危機」というのは25年も続くものではない。
それに、経済危機に苛まれている人々というのは、ギリシャのように、水道代や電気代、健康保険なんかをどうやって支払えばいいのか分からなくなっているものである。
物質的に観れば、日本はまったくギリシャなんかとは比べ物にならない。裕福なのだ。
しかし、成長してはいない。
確かに物を売り買いはしているが、それが年々増えているわけでもないのだ。
もしかしたら、沈黙というのが日本の新しい日常なのかもしれない。
日本は末期に来ている。日本人はみな言うのだ「未来がある」と。
何世紀にも渡り、この国の人間は「来年こそは!」「来年こそは裕福になれるはず!」と、より良い暮らしのため、将来の子どものため、より厳格に、より一生懸命頑張ってきた。
まるで「もっとお金を出せばもっと幸せになれます」という宗教のように人間は幸福を追って来た。
そうして、日本はどんな国よりも早く、先進国になりあがったのだ。
だからこうして日本人は今日も東京へ向かう。
未だに世界の中心地である、未だに裕福である、未だに清潔で、未だに完璧に機能している東京へ。
そして、将来を担う若者のために日本人は働くのである。そう、若者に未来を託して…
このレポートはそんな若者について書かれている。
例えば天野宗助はストレスに押しつぶされそうになると、車のキーを掴んで家を飛び出す。
天野の父が小さなアトリエから駆け出してきて、叫ぶ。どこへいくのか、と。
天野は一言、ちょっと走ってくるだけだよ。
灰色の空の下、彼は親の普通車をショッピングセンターへ、そしてお気に入りの車屋へ走らせた。
ハンドルを握りながら天野は考える、エリック・クラプトンが言っていた本当の愛ってなんなのか、と。
もし自分に彼女がいたなら…親とじゃなく、彼女と食べるご飯の味はどう違うんだろうか…
思考と願望が渦巻くなか、彼はいつも同じ感覚に悩まされる。孤独であると。
分かっているんだ。誰が親元を離れられないこんな29歳に興味を持ってくれる?
天野は未だかつて彼女がいたことがなかった。部屋に立ち入った唯一の女性は、彼の母である。
それゆえに分からなかった。自分がいったい何をしたらいいのか。
ふとした時、彼はいつもどこかのダムにいた。
天野はダムが好きだった。ダムを見ると、自分がほんとうにほんとうにちっぽけな人間だと感じられるからだ。
だから、ダムの地図だって持っている。見つけられる限りの地図は、みんな集めた。
それから天野はギターも弾く。大抵は一人で弾いている。
これが彼の余暇の過ごし方だ。
彼が未だに使っている自身の子ども部屋には、自慢のギターが10本も飾られている。
徐にお気に入りのフェンダー・テレキャスターを手に取ると、ぽろんぽろんと弾き始める。
次第にしっかりした音になると、電子音が部屋中に響き渡る。
天野は、大きな音を出してよかった。
もし母親が五月蝿いと感じれば台所からメールをよこすはずだ、でもこれまで母がそんなメールを送ってきたことはほとんどなかった。
この部屋こそ、趣味に明け暮れることが出来る、そして辛い世界から逃避できる唯一の場所なのだ。
勉強机にケーブルが絡まり、絨毯の上にはステレオが、そして壁には車のポスターが貼られている…まるで80年代、いや70年代の青春ミュージアムに来ているような錯覚を覚える。
ごく平凡な一軒家。
木製の人形、本、旅行の写真…25年の家族の軌跡がそこにはある。
天野の部屋の丁度上には25歳になる弟が一日中寝ている。
天野の弟は職についていない。そして、探してもいない。
さながら、赤ちゃんにまで戻ってしまったかのようである。
殆どの日本人の若者は外へ行き、他の人間と接することを嫌う。
彼らは自身の人生を体たらくに送り、まるで高齢者であるかのように世界に希望を抱いていない。
こういった日本人は「ひきこもり」と呼ばれている。
90年代の終わりに精神科医がこの名前をつけてから、この言葉は現実逃避する若者のメタファーとなっている。
日本に行けばすぐに気付くことだが、若い男性が「え?ここ数年、部屋出たのなんてトイレ行くときくらいだったっすよ?」なんてさも当然のごとく口にする。
それでもラッキーなひきこもりは、両親がセラピストを呼び、社会復帰が望めるらしい。
天野は音響学を勉強した。
100通以上のエントリーシートを書いて、今はケーブルテレビの会社で働いている。
50歳、60歳になれば少ないが、遺産が入ってくる。
もちろん親には長く生きてもらいたい。
遺産が入ってくるまで、息子として独身で暮らしていくんだろう。
天野の父は言う。「息子が健康なことが一番大切。今の若い子は、自分が今やっていることに重要性が見出せるかが肝心なんです」
そして天野の母も、「息子はいつまででもここに住んで良いって言ってあるんです。今の時代じゃあ普通ですよ。それに、あの子がどこか違うところに住んでギターを弾いたら近隣に迷惑になってしまうでしょう?ここにいれば誰も何も言いませんから…」
つまり、天野の両親はこの三十路の息子を、食欲旺盛で甘えっ子の太った猫と思っているのだ。
しかし、である。一見異常に思えるこの日本人家庭も、彼らの過去を知ればドイツのそれとあまり変わらないのではないか、と思えてくる。
大戦後、彼らは貧困から一気に成長し、一気に減退した。
ベビーブームというものがあり、大戦後、日本人は後にも先にも最も多い数の子どもを持った。
そしてベビーブームはドイツにもあったが、日本ではもっと早く起こった。
ここで生まれた人々が、今の日本を作ってきた。そう、天野の父親のように。
天野の父親は東京で建築業を営んでいたが、今は定年で退職し、隠居の身である。
彼らは俗に団塊の世代と呼ばれる。
彼らは未だかつてないほど長生きし、そして未だかつてないほど少ない子どもを生んだ。

日本人は世界一長生きの人種である。
日本農民は大抵70歳で、東京に住んでいる女性は平均1人の赤子しか授からない。
そうこうしている内に、日本は年に何万人も人口が減少しているのだ。
明らかに、高齢者が多すぎるのである。そして彼らが、日本経済に歯止めをかけている。
老人の国と化している日本には新しいものへの挑戦が不足している。
新しい会社は設立されなくなっているし、人々も物をそれほど買わない、これではお金は回らないし、彼らの言う老後はいつになるのか分からない。学校や大学といった建物は直ぐに空っぽになってしまうだろう。
何にしても日本には若者のやる気が欠けている。彼らの親と同じくらいのことを成そうという意志が欠けている。
日本とは、勤勉な人々の聖地である。そして彼らの生き方は皆、脚本に書いてあるように統一されている。
高校卒業前、もしくは大学卒業前に就職活動が始まり、4月には皆が皆、新入社員として社会人の仲間入りをする。
日本の文化というのは社会にとって自分の役割をヨーロッパよりはっきりと映し出している。
化粧を含む身だしなみから、名刺交換の仕方、お辞儀の仕方、これら全てを若者たちは会社で始めて学ぶ。
こういったことの次に、始めて昇進、昇給、社会保険、家、家族というのが来るのである。
こういった生活が送れれば、日本人としての人生は幸福であったといえるだろう。
しかし、高校もしくは大学卒業後1,2年しても仕事を得られない場合、その人が定職を得られる確立は一気にゼロに近くなる。
日本企業はまだ個性のない、言ってしまえばいくらでも個性を作っていける若者を欲しているのだ。

80年代後半からだろうか、日本には氷河期が訪れた。
株価は氷結し、日本経済は眠りについてしまった。同時に、社会の熱気もどこかへと行ってしまった。
企業は新入社員をあまり雇わなくなった。そしてこれは年々増え続ける不採用の多さにも反映されている。
不採用を受けた者に選択肢はない。天野のように、実家に留まり続けるのだ。
日本人は、経済を立て直そうとするとき、なぜ足元を固めようとしないのかもう一度よく考えるべきである。
40歳以上の社員が職を失うことはほとんどない。
その分、パートやバイトといった不安定な仕事が増えているのだ。今、2人に1人の日本人の若者がこういった不安定な職についているという。
氷河期の子どもたち。つまり20才から34才までの人々は現在ほぼ2人に1人の割合で実家に両親と住んでいる。
若者は自身の父親からお小遣いをもらい、母親が洗濯物を洗う。
これが、日本の現状である。

日本は先進国の中でも特に進んだ国だった。
欧米以外では初の先進国、そして先進国の中で始めて高齢化が顕著になった国。
政治、メディア、会社、どこにいっても団塊の世代が管理職を占めている。
これだけ明白な差別がありながら、なぜ若者は立ち上がらないのか?
なぜ、若者はデモ行進するでもなく、天野のようにギターを弾きながら自分探しに走ってしまうのか。
労働組合はパートの若者が電話をかけてくるとでも思っているのか。
そして、性や愛といった気持ちの捌け口はどうなってしまったのだろうか。
曾根原ユリさんは結婚したい。できれば今年中にも。
しかし、彼女は好みが激しく、「Machi-Con.com」に42ユーロも払って登録している。
そこでの職業欄には「OL」と書いてある。
厚化粧し、パールのネックレスと膝丈スカート…これで積極的、つまり結婚に前向きなのだという姿勢が見せられればいいのだけれど、と曾根原は願う。
そう、曾根原は婚活パーティーに出席するのだ。
かくして東京のとある居酒屋で、ジョブハンティングもとい旦那ハンティングは始まった。
40名の女性。そして、目の前には魅力的な旦那候補が30名。
新しいセ○クスシンボルを語っているのは曾根原だけではないはずだ、彼女たちの狙いは皆、公務員である、それも国土交通省の。それだけではない、法務省に勤めている人もいれば内務省、外務省勤務の人もいる。
26才の曾根原はファストフード店の店員。彼女は控えめに消防士に狙いを定めた。
まず景気づけにビールをいっぱい飲み干し、手を合わせ、公務員が誰か自分のところに来ますようにと祈る。
15分ごとに男性は席を替わる。
オーバー19アンダー30パーティーで痛い目をみていた曾根原は、こっちのシステムの方が良いなと思っていた。
もう次の男性が前に来ている。曾根原の気迫に少々困惑しているようだった。
曾根原は税務省についての話に身を投じる。
税務省の勤務時間、管理職へ就く難しさ、栄誉など。
「税務省の人間は国民の皆様から好かれていないことは知っています」男性は言った。「みなさんのお金を使っているんですからね」
「はい、はい」と、曾根原。
「でも知っていますか、私たちも税金は払っているんですよ」
作り笑い。ビールをもういっぱい。
なぜ曾根原やほかの女性たちは大金をはたいて公務員と話ができる場に来たのか。
応えは単純明快である。安定性。
彼女たちにとって理想の男性とは、定職に就き収入の安定した人のことなのである。
こういった理想は、人生を偏った方へ導く。
近頃の日本人女性の間では、「男性が働いて、女性は家事をする」という生活に同調する傾向が強まっている。
チャンスがなくなればなくなるほど、この夢は達成される。
定職に就き、高収入な男性はそんな生活へと導いてくれるリソースであり、女性の間では取り合いになる。
この傾向は男性女性の両サイドで敗者を生み出す。
どんな女性も公務員を見つけられるわけではないし、天野のような定職についてない男はその後も94パーセント結婚できないという可能性と共に30代を生き抜かなければならない。

何万人という男が負け組みとなり、家庭を持つことが出来ない。
他の殆どの国では、若者は活力に満ち、働きたい意志の塊である。
若者はホルモンに溢れており、何にも情熱的に打ち込み、何でも体験したがる。
そして、戦争や失恋に強く失望する。
人間は20代で成したことを一番よく記憶するものである、という研究もある。
しかし、若者というのはそういう種類ばかりではない。
日本の運命が語るのは、若者には「自分の人生にはチャンスがある」という気持ちが大切だということである。
若者には、競争を勝ち抜くための未来が必要なのである。
生きる意義を見出せなくなったとき、若者は失望し、混乱するのである。
午後も終わりに近づき、部屋の中の人々が最後のビールを飲み干す頃、曾根原は結果を得ようと必死になっていた。
短い愛想笑い、そして向かいの男性の目を見る。お互いに差し出す携帯電話。
赤外線がお互いのアドレスを伝え合うので、指を動かすことはない。
日曜日、曾根原は水道管理局の職員とデートすることになった。
どちらかというとやつれたその男性は彼女を食事に誘うでもなく、ボーリングやカラオケを提案した。
彼は何度も携帯と曾根原を見て、質問した。ラブホテルに行かないか、と。
曾根原は「ごめんなさい」と一言、しかしまた会う約束はした。
曾根原の狙いは、彼の同僚たちなのかもしれない。
彼女は、東京のただっぴろい道を歩く。
東京、そこは他のどの国の都市より独身が多い都市。
東京の男性は、女性恐怖症なのである。みな、自分など他の女性に値しない存在だと思い込んでいるのだ。
親御さんのところに住んでない男性も、働き先から小さい小さい住居へと帰るだけだ。
東京では、1度も自宅に人を呼んだことのない30代によく遭遇する。
これには、レストランやインターネットカフェといった比較的エネルギーを使わない場所の存在が起因している。
そこで彼らは一人ですわり、他人との間に壁を作るのである。
地下鉄の中ですら、多くの人々はマスクをしている。
確かにウィルス感染を防ぐ役割もあるだろう、しかしマイケル・ジャクソンがそうしていたように、自身の顔を社会から隠そうとしているのではないだろうか。

東京について語るとき、必ず誰かが口にすること。
そう、「東京では全てが揃う」ということである。
携帯、ギター、両親の車、コンピュータ、インターネット、時間厳守の地下鉄に安全性。
DVDのコレクションや、良い医者、健康的な食事にアイドルグループのコンサートへ行くためのお金。
氷河期の子どもは、彼らの両親の時代にはなかったような最高の時代を満喫している。
そして彼らこそ、職がなくてお金を殆ど稼げなくても苦難にならない初めての世代である。
彼らの両親は子どもにずっと仕送りできるほど裕福で、それが青年たちの反抗期に拍車をかけている。
日本は豊かだ。資本主義の最高点に達するほど豊かなのだ。
金利だけで暮らしていけるほど豊かなのだ。
若者は自由時間を謳歌し、田舎に引越し、家庭を築き、子どもを授かるのに何の苦労もないほど豊かなのだ。
彼らはただ、勤勉さや定職といったものに囚われない新しい幸福の形を見つけるべきなのだ。
しかし、日本人はそれをしようとはしない。
彼らはうなだれながら東京を歩き、己のファンタジーの中で生きている。
家庭、仕事、生涯の伴侶。この3点のみが彼らの頭の中で渦巻いている。
そして望みがかなわなかったとき、彼らは自分の殻の中に閉じこもってしまうのである。
日本を観察すると、「もっともっと!」だった社会が「もういいや」という社会になっているのがよく分かる。
古い考えはとうに消えてしまっているのだ。
昔の日本の資本主義は成長する企業だけでなく成長する人間すらも欲っしていた。
頑張れば頑張るほど、給与も上がった。
成長を止めた者は中だるみになり、中だるみになった者は価値がなく、キチガイだった。
しかし、今の若者にはこの考え方がない。
西文彦は内務省の職員で55歳。彼は若い世代を調査するという政府からの案件を担っている。
彼は居酒屋で中華料理と酒を飲んでいる同僚に質問するとき、さげすみを隠そうとはしなかった。
「彼女とか、いるの?」
西は、答えのわかっている質問をした。
「いません。でも結婚はしたいですね、30になる前には。でも、やっぱ収入が少ないですし…」
と、27歳の同僚は応えた。
「お前は女性のことなんて全く知らないだろう!ただ、極度に恥ずかしがってるだけなんだよ!」
「そうですね…少し、臆病ってのは当たってます」
「前に美しい女性を紹介したろう!カラオケに一緒に行ったじゃないか。ちゃんと目標も明確にしてやった。家に誘え、ってな。それがどうだ、なんであんな良い機会を逃しちまったんだ?」
「複雑なんです…」
西は今年で結婚29年目となる。そして、もう跡継ぎも成長している。
彼が若かったときには、将来は約束されていた。
「私たちが若いとき、今の若い世代よりずっとずっと貧しかった。でも、将来を確信できていたんです」と、西は語る。
日本では、両親が子どもを溺愛する。プレッシャーとさえ言えるだろう。
しかし、他の大人は彼らを愛さない。
日本のメディアが彼ら未来の担い手をどのように報じているか。まるで生物学者の動物分類と同じである。
草食男子…シャイでひ弱な若い男性。
負け犬…三十路で独身の女性。
パラサイトシングル…両親の元に暮らし、養ってもらっている若い人間。

「日本の若者はこういう名前に甘んじてるんです。ぜんぜん悪ぶれる風でもない。彼らが何処へ向かうか。こういうピーターパンは子ども部屋から閉め出さなければならない」と西は言う。
彼らこそ、働き、日本の成長を促すために消費しなければならないのだ。
西は人口統計の責務も負っている。そして、様々な統計が彼を不安にさせているのだ。
例えば自殺。年配層の自殺率が下がっているのに反し、若者の自殺率は上がっているのだ。
また、34歳以下の未婚男性のうち実に61パーセントが独身であり、その内5人に4人は彼女がいないほうが気楽で良い、とポジティブに思っている。
毎年、年金を払う若者は減っている。そしてある新聞によると、アメリカのあらゆるトップ大学で中国人学生が溢れかえっているというのにハーバードで勉強している日本人はたった5人だけという。
海外生活、友だちづきあい、社交性、余暇の過ごし方。全てが加工している。
「あなた、自分の外見が好きですか?」という質問に、多くの国の若者の2人に1人は「はい」と答える。しかし、日本では実に10人に1人しかそんな人はいない。
人は、他人と親しむということをまるで外国語のように忘れることができるのだろうか。
世界第3位の経済大国の若者が隠居生活を送っている。
しかし、それでも人間は欲求というものには逆らえないはずだ。
もちろん日本の若者も恋愛はする。
日本は結婚と家族についてとても厳しい考えを持っている。
しかし、結婚前のセ○クスについては寛容だ。
性交渉についての統計では、日本人の性交渉の回数は減ってはいない。
処女、もしくはもう何年も性交渉をしていない第2処女が雇用されていない日本人の若者の中には多く見られる。
簡単に言ってしまえば、日本では仕事につけなければ恋愛も上手くいかないということである。
日本の若者が育った氷河期は、感情をも凍らせてしまった。
今年の春、日本では村上春樹著「女のいない男たち」が出版された。
東京の大手百貨店には夜中から長い列が出来た。
最初の購入者は32歳の会社員だった。
「家に帰ったら速攻読みます。タイトルでもう買う気になりました。だって俺も、彼女いないですもん」
東京には80年代にドイツ語を学べる研究所「ゲーテインスティトゥート」が設立された。
この研究所の使命は、ドイツの企業にかつて世界市場を制覇した日本企業について教えることだった。
現在この研究所は高齢化社会を研究している、それがドイツのためになると考えているからだ。
研究者たちは、過労死や孤独死といった日本語をなんとかドイツ語に出来ないか四苦八苦している。
ここ最近では西洋の、特にドイツの若者たちはほぼ日本と同じ道をたどっているとみて良いだろう。
戦争後の成長、ベビーブームが生み出した団塊の世代、社会保証への憧れ、新しい物への投資ではなく老人への投資。これを見ても日本と重なるところは多い。
同時に、経済成長はどの先進国でもここ数年停滞している。
これも、氷河期と呼べるのだろうか。
しかし、日本と他の先進諸国との決定的な違いを見落としてはいけない。
日本と違い、ドイツでは職業はそこまで重要視されず、無職でも彼女は出来る。
日本人と違い、高齢化社会に歯止めをかけるため殆どのドイツ人は移民を受け入れる。
そして日本と違ってドイツは小さな島国ではない。まぁ、この大陸はカオスではあるが…
兎に角、ドイツの未来はまだ救いようがある。
日本が今経験しているのは、人口だけが要因ではないのである。
ただ、危機があるところには、その恩恵を受ける人もいる。
東京在住の中川綾子もその一人だ。
ある土曜日の夕方、オフィス街の空を厚い雲が覆う頃、駅の裏の細い道を中川は急ぎ足で歩いていた。
プラスチックのかばんの中には胸の部分が開けた制服が入っている。
彼女は急ぎながらお客さんにメールを売っていた。それも、太陽のように笑う絵文字を沢山使って。
『昨日はとっても楽しかった!祝日は予定ある?またうちのバーに来てよ!』
そして、直ぐに返信が来る。
『本当はね、君のことキスしたかったんだ。ありがとう、でも祝日は働かなきゃいけないんだ…』
中川は打ち返す。
『ありがとう、わたしのことそういう風に想ってくれてて!じゃあ、今日の仕事も頑張ってくるね!』
男性が幻想を買う場所。そう、中川はホステスでバイトしているのだ。
女性たちが会話をリードする、話題を振ったり…まるでラジオのパーソナリティのように。
これが、礼儀正しく沈黙を続ける国、日本でのお金の使われ方である。
ホステスで働く女性はみな女優のようであり、また、会話のエキスパートでもある。
中川は、自分自身の幻想を追い求めるため、午前中は専攻していた介護の仕事をしている。
90歳の老人の透析治療を済ませると、彼女はまた「いつ結婚するのか」という質問に耐えなければならない。
孤独な男性と介護が必要な老人、32歳の中川はこの2つのグループのちょうど間にいる。
いくつもの鏡が輝き、机の上にはいくつものウィスキーグラスが並べてあるバー「クラブ・クイーン」。
中川は夜な夜なそこで、不安に苛まされ悩む女の子が憧れる魅力的な女性に変身する。
中川はレジ前の入口で待機し、マネージャーが目配せするとお客の元へ座る。足を組み、背筋をぴんと伸ばして。

一体誰が45ユーロも払って彼女と45分も話したいというのだろうか。
もしかしたら30代後半のバス運転手やフランス映画について情熱的に語る優男のような常連客だろうか。
この運転手は未だに両親と共に住んでおり、今まで一度だって、そう、たったの一度だって女の子と関係を持ったことがない。
中川は「わたしはお客さんと最後までいったりはしませんね。わたしも孤独なんですよ?最後に彼氏がいたのだって、もういつだか忘れちゃいました。福島の事故があったちょっと前だったかなぁ、別れたんです…」
旅行もいつも一人。映画をみたり、親友と話をしたり。そんな彼女はもう、パートナーが欲しいとは思わなくなった。
そんなのは過ぎ去った可能性なのだ。
恋愛の達人という仮面を被った女性、中川。永遠の独身男性、天野。婚活中の女性、曾根原。そしてサラリーマンを夢見る村田。彼らは一度、友だちになってみたらどうだろうか。
結局のところ、彼らは同じ巨大な町の中ですんでいるのである。ただ、一度も出遭ったことがないというだけで。
しかし中川は今日も夜のバーでお金を出してくれるお客を待っている、天野はたった3人の観客を前にギターを弾き、曾根原は公務員を探して友だちと共に居酒屋めぐり、そして村田はサラリーマンの中に溶け込んでいる。
同じ日、この孤独の中心地である東京では興味深い光景があった。
なんと、若い男性たちが自身の気持ちを女性に伝えているのである。
ショッピングセンターの壁にはカラフルな張り紙がしてあり、これまたカラフルな文字が書いてある。
「愛する寧々ちゃん、明日は僕らの日だね。共にいられて本当に幸せだよ」
「愛する寧々ちゃん、僕たちは本当に愛し合っているんだね!この瞬間は僕たちのためだけにある!」
「お誕生日オメデトウ!いつまでも今のようにキレイでいてね!」

姉ヶ崎寧々は18歳の高校生である。優しい声と茶色の髪、右目のしたには小さなほくろがある。
彼女となら誰でも楽しく話せ、彼女となら誰でも楽しくなることが出来、撫でてあげたりすれば彼女も精一杯喜んでくれる。
必要なのはゲーム機だけ。なぜなら寧々は、ゲームの中の住人だからだ。
繰り返そう。姉ヶ崎寧々はゲームの登場人物なのである。
姉ヶ崎寧々を買った男性は誰でも彼女とバーチャル世界で恋愛が出来る。それも、永遠に終わらない恋愛が!
寧々は常に持ち歩いていなければならない。そして小まめな会話も欠かせない。
放ったらかしにしておくと、寧々は不機嫌になる。時には、病気になってしまうこともある。
この商品ジャンルは「デートシミュレーション」という。
製造元によれば、このジャンルは20代30代の男性を虜にしているらしい。
彼らは、女性と話すことがどんなことなのか知りたいのだ。
今日も、東京の空には太陽が昇り、孤独な人々を優しく見守っている…
コメント
金利だけで暮らしていけるほど豊かなのだ。
若者は自由時間を謳歌し、田舎に引越し、家庭を築き、子どもを授かるのに何の苦労もないほど豊かなのだ。
彼らはただ、勤勉さや定職といったものに囚われない新しい幸福の形を見つけるべきなのだ。』
確かに、こういう暮らしができたら夢のようだな!
『この商品ジャンルは「デートシミュレーション」という。
製造元によれば、このジャンルは20代30代の男性を虜にしているらしい。
彼らは、女性と話すことがどんなことなのか知りたいのだ。』
日本人は昔から俺たちの遥か先を行ってる。
インターネット上でもそう。
20年後にはドイツも同じようになってるよ。
それに、日本人はここに書かれているほど殻に閉じこもってないし、想像力不足でもない。
彼らこそ漫画という文化を生み出した張本人。
ここに書かれてること、超わかるわぁ。
何年か日本にいたことがあるんだけど、道には1組もカップルを見かけなかったし、どこもかしこもクローンみたいなサラリーマンだらけ。
だから、女子高生のアニメが人気なんだろうね。
それから、内務省の西さんの言ってることはとても共感できるわ。
去年、日本人の会社員の方がドイツに出張に来たんだけど、西さんの同僚とほぼおんなじだった。
日本はアジアだ。そして日本の現在はドイツの未来には成りえない。
普通に考えれば分かるだろう、日本人と俺たちドイツ人のメンタリティーは根本的に違うんだ。
日本のことになると、ヨーロッパ人はすぐに大きな勘違いをする。
「日本は自身の経済力とG8の一員として今も西欧諸国と肩を並べている」
↑この考えは間違っている。
日本は、韓国やベトナム、中国と同じように、アジアなんだ。
ここを取り違えるから全てが間違ってしまうんだ。
schlomoschorsch
そして彼らこそ、職がなくてお金を殆ど稼げなくても苦難にならない初めての世代である。
彼らの両親は子どもにずっと仕送りできるほど裕福で、それが青年たちの反抗期に拍車をかけている。』
ってとこなんて、ドイツでも、ほとんど同じ状況じゃん。
俺も氷河期の子ども世代だけど、親は全然俺たちのこと分かってくれてないし、何かにつけて「今のドイツを作り上げたのは自分たちだ。よく働いた」ってバカみたいに言ってくる。
まぁ、俺たちと日本人の違いってのはセ○クスかな。
でも、それも失業率が生み出した悲惨な現状だよな。
日本でも、ドイツの若者がセ○クスしなくなってるなんて記事が出てるんだろうか。
俺たち欧米人は日本や中国、ロシアの文化ってのを下に見がちだけど、たとえ占領した国の文化だって見下してはいけないと思う。
日本は自身の歴史を見返してみるといい、どれだけ自身の文化が周りから影響を受けているか。
日本文化の大部分がすでに今の日本からは消えてしまっているんだ。
『日本人は愛への興味を忘れてしまった。
不安が渦巻く国の象徴、日本。
年功序列が横行し、感情を押し殺さなければならない。
この運命をドイツも辿るのだろうか。』
なんでドイツが日本の運命を辿らなくちゃあいけないわけ?
俺たちは『移民』っていう武器で高齢化を「解決」したでしょ?
少子化も、他の社会から若者を受け入れることで解決する。
日本人と違って、ヨーロッパには色んな回復アイテムが揃ってるんだよ。
俺たちは未来に向かって進んではいるけれど、やはり25年後には今の日本と同じ場所にいるのだろうか。
これじゃあ理論的にすらチャンスは生まれていない。
反抗するって?日本人が?
日本人はなぁ、俺たちドイツ人と同じように、革命家に生まれてこなかったんだよ。
俺たちドイツ人と同じように、生粋の働き者なんだ。
社会の秩序を乱すくらいだったら過労死や孤独死を選ぶんだよ。
記事:クニッゲ
フルートで留学していた日本人音楽生が、昨日無事にウィーンの音楽学校を卒業いたしました。
音楽には全く精通していないのですが、彼の演奏には人を惹き付ける何かがあるように感じます。むしろ、音楽家はそういう人でないとやっていけないんでしょうね。
とにかく、これが1人の日本人フルーティストがウィーンで5年間涙を流し、歯を食いしばって練習してきた集大成です。
どうぞ、BGMとしてでも良いので聞いてあげて下さいますよう心よりお願い申し上げます。はい。
日本人は愛への興味を忘れてしまった。
不安が渦巻く国の象徴、日本。
年功序列が横行し、感情を押し殺さなければならない。
この運命をドイツも辿るのだろうか。
村田光の思い描いていたスーツ、それは今自分が着ているものとはかけ離れたものだった。
一着の一張羅。一張羅とは言っても、これが村田の持つ唯一のスーツである。
このスーツは18畳ほどのアパートにあるベッドの上にかけてある。
壁は紙のようにぺらぺらで、床には空のカップ麵容器がいくつも転がっている。
東京は快晴。街中にはあちこちで花も咲いている。
村田は暗い中でタンスを漁っていた。こんな日にお似合いの白いワイシャツを摘み上げる。
今日もまた、夢を見るのである。
こなれたようにネクタイを結ぶと、背筋もぴんとする。
「これがサラリーマンなんだ」と村田は和製英語を使い自分を奮い立たせる。
ドアを開けると、村田は地下鉄の駅へと向かっていった。
夕暮れ時、高層ビルの陰も長い影をつくり始める頃、スーツを着た人々が道を埋め尽くす。
村田は彼らの中に紛れ、また、彼らと同じように携帯をいじる。忙しいようにみせるためだ。
長い信号待ち。村田は通勤ラッシュと戦っていた。
あたかも自分が高給取りのサラリーマンであるかのように。
あたかも自分の生活が豊かであるかのように、あたかも自分に妻がいるかのように…
こんな幻想を見るために、村田は何週間に一回、東京へと繰り出すのである。
村田は、スーツを着た人々が飲み食いする居酒屋に来ていた。
年配のサラリーマンがタバコを吸い、気持ちよく話をしている。
「やっぱ仕事終わりのビールは最高だ!!」という声が聞こえる。
そう、彼らは今日も勤勉に働いていた。彼らの顔には、残業の疲れが見えている。
村田ひかる、29歳。彼はあまり嬉しくなかった。
ほとんどいつも、独りでいる。海外にだって一度も行ったことがない。
大学にだっていけるような良い生徒だったのに、普通の日本人が進むべき道をどこかで間違ってしまった。
先生たちの希望、親からのプレッシャー。
人生はそう上手くは行かない。村田は映画とゲームにどっぷりとはまっていった。
村田は現在、ブルーの制服に身を包み、24時間のコンビニの夜勤を週に4日している。
彼の憧れるサラリーマンに会うのは、朝方に彼らがコーヒーを買いに来たときくらいである。
親はいつも言っていた、お前の夢は何かと。
村田はサラリーマンという曖昧な答えしか持っていなかった。
日本人としてこの答えは決して間違ってはいない。
ただ、村田の場合、道を踏み外してしまったのだ。
彼の年代の青年にはよくあることである、そして彼らはほとんど元の道に戻ることは出来ない。
この調査はインターネット新聞のある記事からは始まった。
この記事に出てきた日本人は愛に対する、もっと言えば性交に対する興味を無くしてしまっていた。
記事は無気力世代と呼ばれる混乱した状態の中にいる日本人の典型例を特集している。
私たち外国人から見れば、こんなにも裕福でこんなにも平和な国で、この世代だけあたかも悪性の病に犯されているのではないかと思う。
80年代の後半にそれは起こった。しかし、それが何か分かるものはいなかった。
日本人はそれが経済危機だと思った。そして、それが情勢を乱す一時のものだと思っていた。
成長率が沈み、ローンが上がっても、政治家や専門家は楽観視していた。
日本人はみな、数年もすれば日本はまた活気のある国に戻る、アジアの大国に返り咲く日が来る、そう思っていた。
しかし、沈みゆく日本が浮き上がってくることはなかった。
政府は橋や道を作るために負債を次々と重ね、時には買い物券を配ることもした。
しかし、日本の経済が回復することはなかった。
もしかしたら、日本を支配しているのは経済危機ではないのかもしれない。
「危機」というのは25年も続くものではない。
それに、経済危機に苛まれている人々というのは、ギリシャのように、水道代や電気代、健康保険なんかをどうやって支払えばいいのか分からなくなっているものである。
物質的に観れば、日本はまったくギリシャなんかとは比べ物にならない。裕福なのだ。
しかし、成長してはいない。
確かに物を売り買いはしているが、それが年々増えているわけでもないのだ。
もしかしたら、沈黙というのが日本の新しい日常なのかもしれない。
日本は末期に来ている。日本人はみな言うのだ「未来がある」と。
何世紀にも渡り、この国の人間は「来年こそは!」「来年こそは裕福になれるはず!」と、より良い暮らしのため、将来の子どものため、より厳格に、より一生懸命頑張ってきた。
まるで「もっとお金を出せばもっと幸せになれます」という宗教のように人間は幸福を追って来た。
そうして、日本はどんな国よりも早く、先進国になりあがったのだ。
だからこうして日本人は今日も東京へ向かう。
未だに世界の中心地である、未だに裕福である、未だに清潔で、未だに完璧に機能している東京へ。
そして、将来を担う若者のために日本人は働くのである。そう、若者に未来を託して…
このレポートはそんな若者について書かれている。
例えば天野宗助はストレスに押しつぶされそうになると、車のキーを掴んで家を飛び出す。
天野の父が小さなアトリエから駆け出してきて、叫ぶ。どこへいくのか、と。
天野は一言、ちょっと走ってくるだけだよ。
灰色の空の下、彼は親の普通車をショッピングセンターへ、そしてお気に入りの車屋へ走らせた。
ハンドルを握りながら天野は考える、エリック・クラプトンが言っていた本当の愛ってなんなのか、と。
もし自分に彼女がいたなら…親とじゃなく、彼女と食べるご飯の味はどう違うんだろうか…
思考と願望が渦巻くなか、彼はいつも同じ感覚に悩まされる。孤独であると。
分かっているんだ。誰が親元を離れられないこんな29歳に興味を持ってくれる?
天野は未だかつて彼女がいたことがなかった。部屋に立ち入った唯一の女性は、彼の母である。
それゆえに分からなかった。自分がいったい何をしたらいいのか。
ふとした時、彼はいつもどこかのダムにいた。
天野はダムが好きだった。ダムを見ると、自分がほんとうにほんとうにちっぽけな人間だと感じられるからだ。
だから、ダムの地図だって持っている。見つけられる限りの地図は、みんな集めた。
それから天野はギターも弾く。大抵は一人で弾いている。
これが彼の余暇の過ごし方だ。
彼が未だに使っている自身の子ども部屋には、自慢のギターが10本も飾られている。
徐にお気に入りのフェンダー・テレキャスターを手に取ると、ぽろんぽろんと弾き始める。
次第にしっかりした音になると、電子音が部屋中に響き渡る。
天野は、大きな音を出してよかった。
もし母親が五月蝿いと感じれば台所からメールをよこすはずだ、でもこれまで母がそんなメールを送ってきたことはほとんどなかった。
この部屋こそ、趣味に明け暮れることが出来る、そして辛い世界から逃避できる唯一の場所なのだ。
勉強机にケーブルが絡まり、絨毯の上にはステレオが、そして壁には車のポスターが貼られている…まるで80年代、いや70年代の青春ミュージアムに来ているような錯覚を覚える。
ごく平凡な一軒家。
木製の人形、本、旅行の写真…25年の家族の軌跡がそこにはある。
天野の部屋の丁度上には25歳になる弟が一日中寝ている。
天野の弟は職についていない。そして、探してもいない。
さながら、赤ちゃんにまで戻ってしまったかのようである。
殆どの日本人の若者は外へ行き、他の人間と接することを嫌う。
彼らは自身の人生を体たらくに送り、まるで高齢者であるかのように世界に希望を抱いていない。
こういった日本人は「ひきこもり」と呼ばれている。
90年代の終わりに精神科医がこの名前をつけてから、この言葉は現実逃避する若者のメタファーとなっている。
日本に行けばすぐに気付くことだが、若い男性が「え?ここ数年、部屋出たのなんてトイレ行くときくらいだったっすよ?」なんてさも当然のごとく口にする。
それでもラッキーなひきこもりは、両親がセラピストを呼び、社会復帰が望めるらしい。
天野は音響学を勉強した。
100通以上のエントリーシートを書いて、今はケーブルテレビの会社で働いている。
50歳、60歳になれば少ないが、遺産が入ってくる。
もちろん親には長く生きてもらいたい。
遺産が入ってくるまで、息子として独身で暮らしていくんだろう。
天野の父は言う。「息子が健康なことが一番大切。今の若い子は、自分が今やっていることに重要性が見出せるかが肝心なんです」
そして天野の母も、「息子はいつまででもここに住んで良いって言ってあるんです。今の時代じゃあ普通ですよ。それに、あの子がどこか違うところに住んでギターを弾いたら近隣に迷惑になってしまうでしょう?ここにいれば誰も何も言いませんから…」
つまり、天野の両親はこの三十路の息子を、食欲旺盛で甘えっ子の太った猫と思っているのだ。
しかし、である。一見異常に思えるこの日本人家庭も、彼らの過去を知ればドイツのそれとあまり変わらないのではないか、と思えてくる。
大戦後、彼らは貧困から一気に成長し、一気に減退した。
ベビーブームというものがあり、大戦後、日本人は後にも先にも最も多い数の子どもを持った。
そしてベビーブームはドイツにもあったが、日本ではもっと早く起こった。
ここで生まれた人々が、今の日本を作ってきた。そう、天野の父親のように。
天野の父親は東京で建築業を営んでいたが、今は定年で退職し、隠居の身である。
彼らは俗に団塊の世代と呼ばれる。
彼らは未だかつてないほど長生きし、そして未だかつてないほど少ない子どもを生んだ。

日本人は世界一長生きの人種である。
日本農民は大抵70歳で、東京に住んでいる女性は平均1人の赤子しか授からない。
そうこうしている内に、日本は年に何万人も人口が減少しているのだ。
明らかに、高齢者が多すぎるのである。そして彼らが、日本経済に歯止めをかけている。
老人の国と化している日本には新しいものへの挑戦が不足している。
新しい会社は設立されなくなっているし、人々も物をそれほど買わない、これではお金は回らないし、彼らの言う老後はいつになるのか分からない。学校や大学といった建物は直ぐに空っぽになってしまうだろう。
何にしても日本には若者のやる気が欠けている。彼らの親と同じくらいのことを成そうという意志が欠けている。
日本とは、勤勉な人々の聖地である。そして彼らの生き方は皆、脚本に書いてあるように統一されている。
高校卒業前、もしくは大学卒業前に就職活動が始まり、4月には皆が皆、新入社員として社会人の仲間入りをする。
日本の文化というのは社会にとって自分の役割をヨーロッパよりはっきりと映し出している。
化粧を含む身だしなみから、名刺交換の仕方、お辞儀の仕方、これら全てを若者たちは会社で始めて学ぶ。
こういったことの次に、始めて昇進、昇給、社会保険、家、家族というのが来るのである。
こういった生活が送れれば、日本人としての人生は幸福であったといえるだろう。
しかし、高校もしくは大学卒業後1,2年しても仕事を得られない場合、その人が定職を得られる確立は一気にゼロに近くなる。
日本企業はまだ個性のない、言ってしまえばいくらでも個性を作っていける若者を欲しているのだ。

80年代後半からだろうか、日本には氷河期が訪れた。
株価は氷結し、日本経済は眠りについてしまった。同時に、社会の熱気もどこかへと行ってしまった。
企業は新入社員をあまり雇わなくなった。そしてこれは年々増え続ける不採用の多さにも反映されている。
不採用を受けた者に選択肢はない。天野のように、実家に留まり続けるのだ。
日本人は、経済を立て直そうとするとき、なぜ足元を固めようとしないのかもう一度よく考えるべきである。
40歳以上の社員が職を失うことはほとんどない。
その分、パートやバイトといった不安定な仕事が増えているのだ。今、2人に1人の日本人の若者がこういった不安定な職についているという。
氷河期の子どもたち。つまり20才から34才までの人々は現在ほぼ2人に1人の割合で実家に両親と住んでいる。
若者は自身の父親からお小遣いをもらい、母親が洗濯物を洗う。
これが、日本の現状である。

日本は先進国の中でも特に進んだ国だった。
欧米以外では初の先進国、そして先進国の中で始めて高齢化が顕著になった国。
政治、メディア、会社、どこにいっても団塊の世代が管理職を占めている。
これだけ明白な差別がありながら、なぜ若者は立ち上がらないのか?
なぜ、若者はデモ行進するでもなく、天野のようにギターを弾きながら自分探しに走ってしまうのか。
労働組合はパートの若者が電話をかけてくるとでも思っているのか。
そして、性や愛といった気持ちの捌け口はどうなってしまったのだろうか。
曾根原ユリさんは結婚したい。できれば今年中にも。
しかし、彼女は好みが激しく、「Machi-Con.com」に42ユーロも払って登録している。
そこでの職業欄には「OL」と書いてある。
厚化粧し、パールのネックレスと膝丈スカート…これで積極的、つまり結婚に前向きなのだという姿勢が見せられればいいのだけれど、と曾根原は願う。
そう、曾根原は婚活パーティーに出席するのだ。
かくして東京のとある居酒屋で、ジョブハンティングもとい旦那ハンティングは始まった。
40名の女性。そして、目の前には魅力的な旦那候補が30名。
新しいセ○クスシンボルを語っているのは曾根原だけではないはずだ、彼女たちの狙いは皆、公務員である、それも国土交通省の。それだけではない、法務省に勤めている人もいれば内務省、外務省勤務の人もいる。
26才の曾根原はファストフード店の店員。彼女は控えめに消防士に狙いを定めた。
まず景気づけにビールをいっぱい飲み干し、手を合わせ、公務員が誰か自分のところに来ますようにと祈る。
15分ごとに男性は席を替わる。
オーバー19アンダー30パーティーで痛い目をみていた曾根原は、こっちのシステムの方が良いなと思っていた。
もう次の男性が前に来ている。曾根原の気迫に少々困惑しているようだった。
曾根原は税務省についての話に身を投じる。
税務省の勤務時間、管理職へ就く難しさ、栄誉など。
「税務省の人間は国民の皆様から好かれていないことは知っています」男性は言った。「みなさんのお金を使っているんですからね」
「はい、はい」と、曾根原。
「でも知っていますか、私たちも税金は払っているんですよ」
作り笑い。ビールをもういっぱい。
なぜ曾根原やほかの女性たちは大金をはたいて公務員と話ができる場に来たのか。
応えは単純明快である。安定性。
彼女たちにとって理想の男性とは、定職に就き収入の安定した人のことなのである。
こういった理想は、人生を偏った方へ導く。
近頃の日本人女性の間では、「男性が働いて、女性は家事をする」という生活に同調する傾向が強まっている。
チャンスがなくなればなくなるほど、この夢は達成される。
定職に就き、高収入な男性はそんな生活へと導いてくれるリソースであり、女性の間では取り合いになる。
この傾向は男性女性の両サイドで敗者を生み出す。
どんな女性も公務員を見つけられるわけではないし、天野のような定職についてない男はその後も94パーセント結婚できないという可能性と共に30代を生き抜かなければならない。

何万人という男が負け組みとなり、家庭を持つことが出来ない。
他の殆どの国では、若者は活力に満ち、働きたい意志の塊である。
若者はホルモンに溢れており、何にも情熱的に打ち込み、何でも体験したがる。
そして、戦争や失恋に強く失望する。
人間は20代で成したことを一番よく記憶するものである、という研究もある。
しかし、若者というのはそういう種類ばかりではない。
日本の運命が語るのは、若者には「自分の人生にはチャンスがある」という気持ちが大切だということである。
若者には、競争を勝ち抜くための未来が必要なのである。
生きる意義を見出せなくなったとき、若者は失望し、混乱するのである。
午後も終わりに近づき、部屋の中の人々が最後のビールを飲み干す頃、曾根原は結果を得ようと必死になっていた。
短い愛想笑い、そして向かいの男性の目を見る。お互いに差し出す携帯電話。
赤外線がお互いのアドレスを伝え合うので、指を動かすことはない。
日曜日、曾根原は水道管理局の職員とデートすることになった。
どちらかというとやつれたその男性は彼女を食事に誘うでもなく、ボーリングやカラオケを提案した。
彼は何度も携帯と曾根原を見て、質問した。ラブホテルに行かないか、と。
曾根原は「ごめんなさい」と一言、しかしまた会う約束はした。
曾根原の狙いは、彼の同僚たちなのかもしれない。
彼女は、東京のただっぴろい道を歩く。
東京、そこは他のどの国の都市より独身が多い都市。
東京の男性は、女性恐怖症なのである。みな、自分など他の女性に値しない存在だと思い込んでいるのだ。
親御さんのところに住んでない男性も、働き先から小さい小さい住居へと帰るだけだ。
東京では、1度も自宅に人を呼んだことのない30代によく遭遇する。
これには、レストランやインターネットカフェといった比較的エネルギーを使わない場所の存在が起因している。
そこで彼らは一人ですわり、他人との間に壁を作るのである。
地下鉄の中ですら、多くの人々はマスクをしている。
確かにウィルス感染を防ぐ役割もあるだろう、しかしマイケル・ジャクソンがそうしていたように、自身の顔を社会から隠そうとしているのではないだろうか。

東京について語るとき、必ず誰かが口にすること。
そう、「東京では全てが揃う」ということである。
携帯、ギター、両親の車、コンピュータ、インターネット、時間厳守の地下鉄に安全性。
DVDのコレクションや、良い医者、健康的な食事にアイドルグループのコンサートへ行くためのお金。
氷河期の子どもは、彼らの両親の時代にはなかったような最高の時代を満喫している。
そして彼らこそ、職がなくてお金を殆ど稼げなくても苦難にならない初めての世代である。
彼らの両親は子どもにずっと仕送りできるほど裕福で、それが青年たちの反抗期に拍車をかけている。
日本は豊かだ。資本主義の最高点に達するほど豊かなのだ。
金利だけで暮らしていけるほど豊かなのだ。
若者は自由時間を謳歌し、田舎に引越し、家庭を築き、子どもを授かるのに何の苦労もないほど豊かなのだ。
彼らはただ、勤勉さや定職といったものに囚われない新しい幸福の形を見つけるべきなのだ。
しかし、日本人はそれをしようとはしない。
彼らはうなだれながら東京を歩き、己のファンタジーの中で生きている。
家庭、仕事、生涯の伴侶。この3点のみが彼らの頭の中で渦巻いている。
そして望みがかなわなかったとき、彼らは自分の殻の中に閉じこもってしまうのである。
日本を観察すると、「もっともっと!」だった社会が「もういいや」という社会になっているのがよく分かる。
古い考えはとうに消えてしまっているのだ。
昔の日本の資本主義は成長する企業だけでなく成長する人間すらも欲っしていた。
頑張れば頑張るほど、給与も上がった。
成長を止めた者は中だるみになり、中だるみになった者は価値がなく、キチガイだった。
しかし、今の若者にはこの考え方がない。
西文彦は内務省の職員で55歳。彼は若い世代を調査するという政府からの案件を担っている。
彼は居酒屋で中華料理と酒を飲んでいる同僚に質問するとき、さげすみを隠そうとはしなかった。
「彼女とか、いるの?」
西は、答えのわかっている質問をした。
「いません。でも結婚はしたいですね、30になる前には。でも、やっぱ収入が少ないですし…」
と、27歳の同僚は応えた。
「お前は女性のことなんて全く知らないだろう!ただ、極度に恥ずかしがってるだけなんだよ!」
「そうですね…少し、臆病ってのは当たってます」
「前に美しい女性を紹介したろう!カラオケに一緒に行ったじゃないか。ちゃんと目標も明確にしてやった。家に誘え、ってな。それがどうだ、なんであんな良い機会を逃しちまったんだ?」
「複雑なんです…」
西は今年で結婚29年目となる。そして、もう跡継ぎも成長している。
彼が若かったときには、将来は約束されていた。
「私たちが若いとき、今の若い世代よりずっとずっと貧しかった。でも、将来を確信できていたんです」と、西は語る。
日本では、両親が子どもを溺愛する。プレッシャーとさえ言えるだろう。
しかし、他の大人は彼らを愛さない。
日本のメディアが彼ら未来の担い手をどのように報じているか。まるで生物学者の動物分類と同じである。
草食男子…シャイでひ弱な若い男性。
負け犬…三十路で独身の女性。
パラサイトシングル…両親の元に暮らし、養ってもらっている若い人間。

「日本の若者はこういう名前に甘んじてるんです。ぜんぜん悪ぶれる風でもない。彼らが何処へ向かうか。こういうピーターパンは子ども部屋から閉め出さなければならない」と西は言う。
彼らこそ、働き、日本の成長を促すために消費しなければならないのだ。
西は人口統計の責務も負っている。そして、様々な統計が彼を不安にさせているのだ。
例えば自殺。年配層の自殺率が下がっているのに反し、若者の自殺率は上がっているのだ。
また、34歳以下の未婚男性のうち実に61パーセントが独身であり、その内5人に4人は彼女がいないほうが気楽で良い、とポジティブに思っている。
毎年、年金を払う若者は減っている。そしてある新聞によると、アメリカのあらゆるトップ大学で中国人学生が溢れかえっているというのにハーバードで勉強している日本人はたった5人だけという。
海外生活、友だちづきあい、社交性、余暇の過ごし方。全てが加工している。
「あなた、自分の外見が好きですか?」という質問に、多くの国の若者の2人に1人は「はい」と答える。しかし、日本では実に10人に1人しかそんな人はいない。
人は、他人と親しむということをまるで外国語のように忘れることができるのだろうか。
世界第3位の経済大国の若者が隠居生活を送っている。
しかし、それでも人間は欲求というものには逆らえないはずだ。
もちろん日本の若者も恋愛はする。
日本は結婚と家族についてとても厳しい考えを持っている。
しかし、結婚前のセ○クスについては寛容だ。
性交渉についての統計では、日本人の性交渉の回数は減ってはいない。
処女、もしくはもう何年も性交渉をしていない第2処女が雇用されていない日本人の若者の中には多く見られる。
簡単に言ってしまえば、日本では仕事につけなければ恋愛も上手くいかないということである。
日本の若者が育った氷河期は、感情をも凍らせてしまった。
今年の春、日本では村上春樹著「女のいない男たち」が出版された。
東京の大手百貨店には夜中から長い列が出来た。
最初の購入者は32歳の会社員だった。
「家に帰ったら速攻読みます。タイトルでもう買う気になりました。だって俺も、彼女いないですもん」
東京には80年代にドイツ語を学べる研究所「ゲーテインスティトゥート」が設立された。
この研究所の使命は、ドイツの企業にかつて世界市場を制覇した日本企業について教えることだった。
現在この研究所は高齢化社会を研究している、それがドイツのためになると考えているからだ。
研究者たちは、過労死や孤独死といった日本語をなんとかドイツ語に出来ないか四苦八苦している。
ここ最近では西洋の、特にドイツの若者たちはほぼ日本と同じ道をたどっているとみて良いだろう。
戦争後の成長、ベビーブームが生み出した団塊の世代、社会保証への憧れ、新しい物への投資ではなく老人への投資。これを見ても日本と重なるところは多い。
同時に、経済成長はどの先進国でもここ数年停滞している。
これも、氷河期と呼べるのだろうか。
しかし、日本と他の先進諸国との決定的な違いを見落としてはいけない。
日本と違い、ドイツでは職業はそこまで重要視されず、無職でも彼女は出来る。
日本人と違い、高齢化社会に歯止めをかけるため殆どのドイツ人は移民を受け入れる。
そして日本と違ってドイツは小さな島国ではない。まぁ、この大陸はカオスではあるが…
兎に角、ドイツの未来はまだ救いようがある。
日本が今経験しているのは、人口だけが要因ではないのである。
ただ、危機があるところには、その恩恵を受ける人もいる。
東京在住の中川綾子もその一人だ。
ある土曜日の夕方、オフィス街の空を厚い雲が覆う頃、駅の裏の細い道を中川は急ぎ足で歩いていた。
プラスチックのかばんの中には胸の部分が開けた制服が入っている。
彼女は急ぎながらお客さんにメールを売っていた。それも、太陽のように笑う絵文字を沢山使って。
『昨日はとっても楽しかった!祝日は予定ある?またうちのバーに来てよ!』
そして、直ぐに返信が来る。
『本当はね、君のことキスしたかったんだ。ありがとう、でも祝日は働かなきゃいけないんだ…』
中川は打ち返す。
『ありがとう、わたしのことそういう風に想ってくれてて!じゃあ、今日の仕事も頑張ってくるね!』
男性が幻想を買う場所。そう、中川はホステスでバイトしているのだ。
女性たちが会話をリードする、話題を振ったり…まるでラジオのパーソナリティのように。
これが、礼儀正しく沈黙を続ける国、日本でのお金の使われ方である。
ホステスで働く女性はみな女優のようであり、また、会話のエキスパートでもある。
中川は、自分自身の幻想を追い求めるため、午前中は専攻していた介護の仕事をしている。
90歳の老人の透析治療を済ませると、彼女はまた「いつ結婚するのか」という質問に耐えなければならない。
孤独な男性と介護が必要な老人、32歳の中川はこの2つのグループのちょうど間にいる。
いくつもの鏡が輝き、机の上にはいくつものウィスキーグラスが並べてあるバー「クラブ・クイーン」。
中川は夜な夜なそこで、不安に苛まされ悩む女の子が憧れる魅力的な女性に変身する。
中川はレジ前の入口で待機し、マネージャーが目配せするとお客の元へ座る。足を組み、背筋をぴんと伸ばして。

一体誰が45ユーロも払って彼女と45分も話したいというのだろうか。
もしかしたら30代後半のバス運転手やフランス映画について情熱的に語る優男のような常連客だろうか。
この運転手は未だに両親と共に住んでおり、今まで一度だって、そう、たったの一度だって女の子と関係を持ったことがない。
中川は「わたしはお客さんと最後までいったりはしませんね。わたしも孤独なんですよ?最後に彼氏がいたのだって、もういつだか忘れちゃいました。福島の事故があったちょっと前だったかなぁ、別れたんです…」
旅行もいつも一人。映画をみたり、親友と話をしたり。そんな彼女はもう、パートナーが欲しいとは思わなくなった。
そんなのは過ぎ去った可能性なのだ。
恋愛の達人という仮面を被った女性、中川。永遠の独身男性、天野。婚活中の女性、曾根原。そしてサラリーマンを夢見る村田。彼らは一度、友だちになってみたらどうだろうか。
結局のところ、彼らは同じ巨大な町の中ですんでいるのである。ただ、一度も出遭ったことがないというだけで。
しかし中川は今日も夜のバーでお金を出してくれるお客を待っている、天野はたった3人の観客を前にギターを弾き、曾根原は公務員を探して友だちと共に居酒屋めぐり、そして村田はサラリーマンの中に溶け込んでいる。
同じ日、この孤独の中心地である東京では興味深い光景があった。
なんと、若い男性たちが自身の気持ちを女性に伝えているのである。
ショッピングセンターの壁にはカラフルな張り紙がしてあり、これまたカラフルな文字が書いてある。
「愛する寧々ちゃん、明日は僕らの日だね。共にいられて本当に幸せだよ」
「愛する寧々ちゃん、僕たちは本当に愛し合っているんだね!この瞬間は僕たちのためだけにある!」
「お誕生日オメデトウ!いつまでも今のようにキレイでいてね!」

姉ヶ崎寧々は18歳の高校生である。優しい声と茶色の髪、右目のしたには小さなほくろがある。
彼女となら誰でも楽しく話せ、彼女となら誰でも楽しくなることが出来、撫でてあげたりすれば彼女も精一杯喜んでくれる。
必要なのはゲーム機だけ。なぜなら寧々は、ゲームの中の住人だからだ。
繰り返そう。姉ヶ崎寧々はゲームの登場人物なのである。
姉ヶ崎寧々を買った男性は誰でも彼女とバーチャル世界で恋愛が出来る。それも、永遠に終わらない恋愛が!
寧々は常に持ち歩いていなければならない。そして小まめな会話も欠かせない。
放ったらかしにしておくと、寧々は不機嫌になる。時には、病気になってしまうこともある。
この商品ジャンルは「デートシミュレーション」という。
製造元によれば、このジャンルは20代30代の男性を虜にしているらしい。
彼らは、女性と話すことがどんなことなのか知りたいのだ。
今日も、東京の空には太陽が昇り、孤独な人々を優しく見守っている…
コメント
Outside_Observer
15. Juni 2014 12:25 Uhr
『日本は豊かだ。資本主義の最高点に達するほど豊かなのだ。
金利だけで暮らしていけるほど豊かなのだ。
若者は自由時間を謳歌し、田舎に引越し、家庭を築き、子どもを授かるのに何の苦労もないほど豊かなのだ。
彼らはただ、勤勉さや定職といったものに囚われない新しい幸福の形を見つけるべきなのだ。』
確かに、こういう暮らしができたら夢のようだな!
『この商品ジャンルは「デートシミュレーション」という。
製造元によれば、このジャンルは20代30代の男性を虜にしているらしい。
彼らは、女性と話すことがどんなことなのか知りたいのだ。』
日本人は昔から俺たちの遥か先を行ってる。
インターネット上でもそう。
20年後にはドイツも同じようになってるよ。
それに、日本人はここに書かれているほど殻に閉じこもってないし、想像力不足でもない。
彼らこそ漫画という文化を生み出した張本人。
Ser_Jorah
15. Juni 2014 12:38 Uhr
ここに書かれてること、超わかるわぁ。
何年か日本にいたことがあるんだけど、道には1組もカップルを見かけなかったし、どこもかしこもクローンみたいなサラリーマンだらけ。
だから、女子高生のアニメが人気なんだろうね。
それから、内務省の西さんの言ってることはとても共感できるわ。
去年、日本人の会社員の方がドイツに出張に来たんだけど、西さんの同僚とほぼおんなじだった。
kommentarus
15. Juni 2014 12:43 Uhr
日本は第二次大戦敗戦国ってことで、ドイツとよく比べられるよね。
日本の文化っていうのは、アメリカ軍に占領されたときすでに壊されてしまったんだよ。
そこから静養の、ネオリベラルな思想が根付き始めたんだ。
アメリカの下僕として、日本は人間をこき使う先進国に上り詰めた。
まぁ、中国を始めとする今のアジアを見てみれば、日本も一時期はああだったんだな、って気付くね。
かつて日本も、ハイクオリティーの電子機器を西欧に輸出してたもん。
日本は第二次大戦敗戦国ってことで、ドイツとよく比べられるよね。
日本の文化っていうのは、アメリカ軍に占領されたときすでに壊されてしまったんだよ。
そこから静養の、ネオリベラルな思想が根付き始めたんだ。
アメリカの下僕として、日本は人間をこき使う先進国に上り詰めた。
まぁ、中国を始めとする今のアジアを見てみれば、日本も一時期はああだったんだな、って気付くね。
かつて日本も、ハイクオリティーの電子機器を西欧に輸出してたもん。
mono_01
15. Juni 2014 13:06 Uhr
日本はアジアだ。そして日本の現在はドイツの未来には成りえない。
普通に考えれば分かるだろう、日本人と俺たちドイツ人のメンタリティーは根本的に違うんだ。
日本のことになると、ヨーロッパ人はすぐに大きな勘違いをする。
「日本は自身の経済力とG8の一員として今も西欧諸国と肩を並べている」
↑この考えは間違っている。
日本は、韓国やベトナム、中国と同じように、アジアなんだ。
ここを取り違えるから全てが間違ってしまうんだ。
schlomoschorsch
15. Juni 2014 13:09 Uhr
この記事は多くの経済大国にも言えることだと思う。
例えば『氷河期の子どもは、彼らの両親の時代にはなかったような最高の時代を満喫している。
この記事は多くの経済大国にも言えることだと思う。
例えば『氷河期の子どもは、彼らの両親の時代にはなかったような最高の時代を満喫している。
そして彼らこそ、職がなくてお金を殆ど稼げなくても苦難にならない初めての世代である。
彼らの両親は子どもにずっと仕送りできるほど裕福で、それが青年たちの反抗期に拍車をかけている。』
ってとこなんて、ドイツでも、ほとんど同じ状況じゃん。
俺も氷河期の子ども世代だけど、親は全然俺たちのこと分かってくれてないし、何かにつけて「今のドイツを作り上げたのは自分たちだ。よく働いた」ってバカみたいに言ってくる。
まぁ、俺たちと日本人の違いってのはセ○クスかな。
でも、それも失業率が生み出した悲惨な現状だよな。
日本でも、ドイツの若者がセ○クスしなくなってるなんて記事が出てるんだろうか。
coolray
15. Juni 2014 13:13 Uhr
日本人を西洋化するため、欧米人はあらゆる手を尽くした。そして、成功したんだ。
でも、日本人の持っていた価値観や歴史観なんてのは西洋化の際には無視されてしまった。
まぁ、ほとんどアメリカがやったことなんだけどね。あの頃、アメリカは自分は世界の中心だと思ってたみたいだから。
日本人を西洋化するため、欧米人はあらゆる手を尽くした。そして、成功したんだ。
でも、日本人の持っていた価値観や歴史観なんてのは西洋化の際には無視されてしまった。
まぁ、ほとんどアメリカがやったことなんだけどね。あの頃、アメリカは自分は世界の中心だと思ってたみたいだから。
俺たち欧米人は日本や中国、ロシアの文化ってのを下に見がちだけど、たとえ占領した国の文化だって見下してはいけないと思う。
日本は自身の歴史を見返してみるといい、どれだけ自身の文化が周りから影響を受けているか。
日本文化の大部分がすでに今の日本からは消えてしまっているんだ。
Zugriff verweigert
15. Juni 2014 13:14 Uhr
『日本人は愛への興味を忘れてしまった。
不安が渦巻く国の象徴、日本。
年功序列が横行し、感情を押し殺さなければならない。
この運命をドイツも辿るのだろうか。』
なんでドイツが日本の運命を辿らなくちゃあいけないわけ?
俺たちは『移民』っていう武器で高齢化を「解決」したでしょ?
少子化も、他の社会から若者を受け入れることで解決する。
日本人と違って、ヨーロッパには色んな回復アイテムが揃ってるんだよ。
freiganger
15. Juni 2014 14:41 Uhr
日本には何千年にも渡るアジア的考え方に囚われている。
「禅」という文化がこの姿勢をなにか説明してくれるかもしれない。
弓を限界まで引いて、目標を定める、そして矢を放つといった弓道にも似ている。
「無との邂逅」というのは日本人の中に染み込んでいて、「無」という文字は知識に惑わされず、また、失われない若者を表しているんだ。つまり「全て」の象徴であり「ゼロ」の象徴でもある。
知り合いの日本人が言ってたけど、日本人はいつでも「無」の境地に入れるんだって。
そういう知識を持たない俺たち欧州人が計れる人種じゃないんだよ、日本人は。
その前の日本ってのはサムライたちが支配していたいわば軍国主義の最高形のような国だった。
ラストサムライなんて、俺たちの作り出した空想の映画でしかない。
日本に一度でも長く滞在したことあるやつは誰も日本が西洋化したなんて思わないだろうな。
まぁ、マクドナルドやスターバックスは西洋のものだけど、寿司バーがそこかしこにあるドイツを誰も日本化してるなぁなんて言わないだろ?
ドイツ人と比べたら、日本人は恐ろしいくらいに伝統を重んじている。
確かに戦後、アメリカの影響は受けているけれど、ドイツみたいにそのまま受け入れるんじゃなくて、日本風にアレンジして受け入れてるんだ。
日本には何千年にも渡るアジア的考え方に囚われている。
「禅」という文化がこの姿勢をなにか説明してくれるかもしれない。
弓を限界まで引いて、目標を定める、そして矢を放つといった弓道にも似ている。
「無との邂逅」というのは日本人の中に染み込んでいて、「無」という文字は知識に惑わされず、また、失われない若者を表しているんだ。つまり「全て」の象徴であり「ゼロ」の象徴でもある。
知り合いの日本人が言ってたけど、日本人はいつでも「無」の境地に入れるんだって。
そういう知識を持たない俺たち欧州人が計れる人種じゃないんだよ、日本人は。
Voskari
15. Juni 2014 14:41 Uhr
アメリカには文化がない。
文化がないのにも関わらず、アメリカは日本を含め他の全世界に文化的な影響を強く与えている。どんな国だってアメリカほど他国に与えた影響が強い国はないだろう。
それは俺たちが映画やドラマ、先進技術やモードなんかを文化として捉えていないからなんだと思う。
ロシアや中国って、他の国に影響与える文化持ってるの?アメリカには文化がない。
文化がないのにも関わらず、アメリカは日本を含め他の全世界に文化的な影響を強く与えている。どんな国だってアメリカほど他国に与えた影響が強い国はないだろう。
それは俺たちが映画やドラマ、先進技術やモードなんかを文化として捉えていないからなんだと思う。
HeidiS
15. Juni 2014 15:30 Uhr
俺たちの思い描く形ではないとはいえ、セ○クスは日本人の若者の間でも頻繁に行われていると思う。
ただ、愛となるとちょっと話は変わってくる。
愛っていうのはキャリアを考えたときに邪魔でしかない。
今の時代、ドイツだって若くして家庭を持つってのは大変なことでしょ。
俺たちの思い描く形ではないとはいえ、セ○クスは日本人の若者の間でも頻繁に行われていると思う。
ただ、愛となるとちょっと話は変わってくる。
愛っていうのはキャリアを考えたときに邪魔でしかない。
今の時代、ドイツだって若くして家庭を持つってのは大変なことでしょ。
42317
15. Juni 2014 15:40 Uhr
日本が1945年以降アメリカ軍によって社会主義の夢の国になったって考えは捨てたほうがいい。
1860年あたりにヨーロッパの産業や軍事力によって目を覚ましてから、日本は資本主義まっしぐらだったんだ。
日本が1945年以降アメリカ軍によって社会主義の夢の国になったって考えは捨てたほうがいい。
1860年あたりにヨーロッパの産業や軍事力によって目を覚ましてから、日本は資本主義まっしぐらだったんだ。
その前の日本ってのはサムライたちが支配していたいわば軍国主義の最高形のような国だった。
ラストサムライなんて、俺たちの作り出した空想の映画でしかない。
Kaijin
15. Juni 2014 15:51 Uhr 日本に一度でも長く滞在したことあるやつは誰も日本が西洋化したなんて思わないだろうな。
まぁ、マクドナルドやスターバックスは西洋のものだけど、寿司バーがそこかしこにあるドイツを誰も日本化してるなぁなんて言わないだろ?
ドイツ人と比べたら、日本人は恐ろしいくらいに伝統を重んじている。
確かに戦後、アメリカの影響は受けているけれど、ドイツみたいにそのまま受け入れるんじゃなくて、日本風にアレンジして受け入れてるんだ。
parrot0815
15. Juni 2014 16:11 Uhr
記事に載ってることってのは、典型的な日本人ってわけではなくて、典型的な東京人って感じだな。
大都会で自分の小ささを感じ、存在意義を自問する。
日本についてだけど、両親がどんな役割を持っているかっていうのが興味深い。
ボクは思うんだけど、子供の成長には親がどう振舞っていたかというのが他の何より大きく強く影響すると思うんだ。
多分、日本の親は子どもにプレッシャーを与えすぎたんだよ。
彼らは成長社会の中に住んではいるけれど、自主的に生きているわけじゃあないんだ。
減少していく若い日本人が定職に就けないのなら、子どもを多く生んだり移民を受け入れたりってのは問題を大きくするだけ。
記事に載ってることってのは、典型的な日本人ってわけではなくて、典型的な東京人って感じだな。
大都会で自分の小ささを感じ、存在意義を自問する。
日本についてだけど、両親がどんな役割を持っているかっていうのが興味深い。
ボクは思うんだけど、子供の成長には親がどう振舞っていたかというのが他の何より大きく強く影響すると思うんだ。
多分、日本の親は子どもにプレッシャーを与えすぎたんだよ。
neoistderBeste
15. Juni 2014 16:30 Uhr
日本人の誰が親の脛かじって生きてようが、履歴書にはかけないような仕事を低賃金でしていようが、独身として見られていようが、関係ない。
お役所で働くことだけが全ての日本人の夢だって?ばかばかしい。
この記事によれば、そのお役所で働いてる職員も結婚できてないじゃないか。
まぁ、読んで分かったことは一つだな。
日本人は愛があって結婚してるわけじゃない。年取ったから焦って結婚してるんだってこと。
よく調査されてて、良記事だと思う。ただ残念なのは、日本のことをアニメや福島でしか知らないやつらがコメントしてるってこと。
日本は小さな島国で、引きこもりや独身の若者が辛い問題になってるってこと。
若い日本人はどこかで道を見失ってしまったってこと。
私はドイツ人がこういった日本人と全く別物であるなんて思ってない。
もちろん文化的な相違はあるけど、状況は似ているから。
日本の孤独世代の問題っていうのは、ドイツでも違う形で存在している。
だからこそ村上春樹の本だって、ドイツでもバカ売れしたでしょ。
村上の特徴は、20代30代の心の声を代弁してくれているところ。
大都市の人間の心の問題を察知して、それを物語の中で共感できる形で再現してくれている。
Klesk222
日本人の誰が親の脛かじって生きてようが、履歴書にはかけないような仕事を低賃金でしていようが、独身として見られていようが、関係ない。
お役所で働くことだけが全ての日本人の夢だって?ばかばかしい。
この記事によれば、そのお役所で働いてる職員も結婚できてないじゃないか。
まぁ、読んで分かったことは一つだな。
日本人は愛があって結婚してるわけじゃない。年取ったから焦って結婚してるんだってこと。
Beat Schwegler
15. Juni 2014 16:32 Uhr よく調査されてて、良記事だと思う。ただ残念なのは、日本のことをアニメや福島でしか知らないやつらがコメントしてるってこと。
日本は小さな島国で、引きこもりや独身の若者が辛い問題になってるってこと。
若い日本人はどこかで道を見失ってしまったってこと。
私はドイツ人がこういった日本人と全く別物であるなんて思ってない。
もちろん文化的な相違はあるけど、状況は似ているから。
日本の孤独世代の問題っていうのは、ドイツでも違う形で存在している。
だからこそ村上春樹の本だって、ドイツでもバカ売れしたでしょ。
村上の特徴は、20代30代の心の声を代弁してくれているところ。
大都市の人間の心の問題を察知して、それを物語の中で共感できる形で再現してくれている。
Klesk222
15. Juni 2014 17:59 Uhr
記事に書かれていることがドイツの未来なのだろうか。
成長社会がそんなに華やかしい未来なのだろうか、成長や進歩なしではいけないのだろうか。
俺たち欧州人は日本は影響されすぎた社会で、日本人の若者はそんな社会から締め出されていると言いたがる
記事に書かれていることがドイツの未来なのだろうか。
成長社会がそんなに華やかしい未来なのだろうか、成長や進歩なしではいけないのだろうか。
俺たち欧州人は日本は影響されすぎた社会で、日本人の若者はそんな社会から締め出されていると言いたがる
彼らは成長社会の中に住んではいるけれど、自主的に生きているわけじゃあないんだ。
減少していく若い日本人が定職に就けないのなら、子どもを多く生んだり移民を受け入れたりってのは問題を大きくするだけ。
俺たちは未来に向かって進んではいるけれど、やはり25年後には今の日本と同じ場所にいるのだろうか。
ticktacktuck
15. Juni 2014 18:30 Uhr
記事のいたるところに、日本の若者には現実味のあるチャンスがないって書かれてるけどさ、今の時代の基本的な問題だよな。
金や手段、権力なんかは全部ベビーブームが生んだ老人たちの手の中にあって、若者たちが活躍できるメカニズムがかけてしまってるんだよ。
「いません。でも結婚はしたいですね、30になる前には。でも、やっぱ収入が少ないですし…」
↑ これっていうのはさ、全てを含んでる気がするんだ。
役所で働く人間なんだから、彼は一家をまかなえるほどには稼いでると思う。
でも今の経済状態じゃあお役所の人間でも社会的に絶対安泰ってわけじゃあないからな。
俺たちドイツ人の間じゃあお金の出ないインターン制度が問題になっているじゃないか。
若者はどんなことでも無償でやると企業は思ってる。こういうのが我慢ならない。
企業は新世代に全く投資しようとしていないんだ。
記事のいたるところに、日本の若者には現実味のあるチャンスがないって書かれてるけどさ、今の時代の基本的な問題だよな。
金や手段、権力なんかは全部ベビーブームが生んだ老人たちの手の中にあって、若者たちが活躍できるメカニズムがかけてしまってるんだよ。
「いません。でも結婚はしたいですね、30になる前には。でも、やっぱ収入が少ないですし…」
↑ これっていうのはさ、全てを含んでる気がするんだ。
役所で働く人間なんだから、彼は一家をまかなえるほどには稼いでると思う。
でも今の経済状態じゃあお役所の人間でも社会的に絶対安泰ってわけじゃあないからな。
俺たちドイツ人の間じゃあお金の出ないインターン制度が問題になっているじゃないか。
若者はどんなことでも無償でやると企業は思ってる。こういうのが我慢ならない。
企業は新世代に全く投資しようとしていないんだ。
これじゃあ理論的にすらチャンスは生まれていない。
Ereignend
15. Juni 2014 21:23 Uhr 反抗するって?日本人が?
日本人はなぁ、俺たちドイツ人と同じように、革命家に生まれてこなかったんだよ。
俺たちドイツ人と同じように、生粋の働き者なんだ。
社会の秩序を乱すくらいだったら過労死や孤独死を選ぶんだよ。
記事:クニッゲ
フルートで留学していた日本人音楽生が、昨日無事にウィーンの音楽学校を卒業いたしました。
音楽には全く精通していないのですが、彼の演奏には人を惹き付ける何かがあるように感じます。むしろ、音楽家はそういう人でないとやっていけないんでしょうね。
とにかく、これが1人の日本人フルーティストがウィーンで5年間涙を流し、歯を食いしばって練習してきた集大成です。
どうぞ、BGMとしてでも良いので聞いてあげて下さいますよう心よりお願い申し上げます。はい。


日本を見ながら自慰に耽る自分達ドイツ人の方が異常でキモいと自覚しろよ。
少なくとも日本人はドイツ人の下半身事情には興味ないから。
子供の名前一位がマホメッドやっけ?
イギリスだっけか?
どっちにしろEUがムスリムになるまであと半世紀
自分の国の心配してろ。そもそも今の日本は人が多すぎるから少子化は問題じゃないんだよ。
老害が多すぎることが問題なんだよ。
これがネットの辺境のガキのコメントじゃ無けりゃドイツ人のレベルの低さには驚かされるな。
おいおい、それは流石にない
君達欧米人と違って人前ではイチャイチャしないだけ
感情論オンリーの池沼は何者にも劣るよ
記事に書かれてることがそのままあてはまる現状のようには思えないなぁ
まぁドイツはドイツで問題あるんだろうけど(移民等)それだって外からあーだこーだ言われるまでもなく
自分たちで理解してるだろうし対策だってとってるでしょ?
それと同じ。要するに大きなお世話。
昨日も手を繋いでるカップルや、彼氏の肩に頭をのせていちゃこらしてる人とか見かけたし
若い世代の閉塞感や虚無感、現実に対しての諦めに近い感情、漠然とした未来への不安、色々な要因が負のスパイラルになり巻き込まれ加速してるという点では的を射てるかもね
特にバブル以降の世代はあの調子コいてた前世代に少し嫌悪感すらあると思うw
反動からか平均をそこそこを求める傾向がある
我欲を抑える思想がエコを通して随分浸透してるし子供時代のTVや漫画も影響あるかもね
まぁ何にせよ長い記事の翻訳お疲れ様w
日本の現状ほぼそのまんまじゃないか。誇張はあるにしてもね。
「なぜ日本の若者は自立できないか」という教育制度について語った本があるけど、日本みたいな教育就職制度はむしろまれって書いてあるよ。
他国はかなり若者の就職には気を使ってるみたいだよ。
i片だけを切り取った偏見よりはマシ
下世話な好奇心の塊に理性を持って反論したところで何がどうなるのよ?
慰安婦や捕鯨問題と同じで、向こうはハナから事実なんぞどうでもいいと思ってるのに。
ドイツも日本の気持ちがよく分かると思うよ
「音楽学校」と「音楽大学」は違うのかな?
最近まで(現在も?)、ドイツの大学は授業料無料だったから、それ目当てにタダ乗り留学してた日本人がわずかながらいたようだけど、他国のインフラただ乗りはどうだろうね。
一応、たくさん働いてる若者がいることも知ってほしいな。
ドイツも不安や負の部分をいっぱい抱えてるから、下を見たいんだよ。前もこんな日本の負の部分を扱ったドイツの記事を何回か見たよ。
移民の弊害で雇用されない若者がナチに走ったり、暴力や盗みをしたり、治安もどんどん悪くなってるから不安なんだろうね。
いやそれはないだろう流石に
別にドイツ人が自虐するのは構わないんだけど
そういうひねた感情で世界中を見るのは止めてほしいわ
自然環境の一部だということを忘れて
アリの巣の空洞になった部分しか見ずに
空虚を彷徨い続けてる
虚しくなって当然だろう
それを否定するがごとく躁でありつづける人も多いが
ドイツポルノってどえらいヘンタイ系ばかりだときくぞ?
同じ敗戦国でもドイツより優遇されてるように思ってる 分割統治されなかったから・・・
実際はドイツの方が近隣国がましなだけ恵まれているのにそれがわからない
ドイツ人にも現状認識のできる学のある人はいる
上の現象はいま世界中の先進国の中で問題になっている潮流なのさ
唯一アメリカが世界の優秀なのを集めて新産業をおこし意気軒昂にみえるけれど、実際はジョブスの子供たちを言われた超エリートでさえ学歴をかくしてバイトみたいなので食いつなぐ惨状
日本国内の問題に対処できるのは日本人だけなんだから。
日本人は日本が良くなることを考えて、他の国の見方に関しては「へー」くらいに思ってれば良いとおもう。他国を貶したって何の得もないのだ。
アメリカは日本とヨーロッパの中間的な仕事の仕方なんだよな。フランスなんかも、新しい業種に従事してる奴らは、平社員でも昼飯の時間も惜しんで仕事してる。今までの業種は、ドイツより激しく、エリート層とそれ以外の層には壁があって、考え方も生活の質も仕事量もテレビで見るスポーツまで何もかもが違うと本で読んだわ。勿論サッカーやる層は底辺で、サッカーに携わっているとは、底辺以外の層では家族相手でも口に出すのは、恥ずかしいことみたいね。出身大学で出世出来るかが決まり、日本より厳格で、流動的でないという。そう考えたら、やっぱり日本はまともなんじゃないかと思った。
日本のメディアがよく使う手と一緒。
彼らは安定した社会におけるノウハウを全く有していない、変化に継ぐ変化の中で一定の価値観を構築することが出来ずに全く無責任になってしまった。
彼らの経験は安定化時代には全く通用しない。
人の可能性を信じていないのだ。
だから早計な判断で子供を公務員のような非生産的な
職業に送り込もうとする。かれらの経験が役立つのは
そこだけだから
日本は中国文化と同じく西欧文化を発展の道具にているだけで同化していない
太字&カラーで強調して誤字はやめて欲しい。一気に萎える。
「確率」ね。
お金持ちかな?とか思う自分は汚れてるわw
良い演奏でしたよ。
一部の特権階級の子孫がそれを相続するだけ
二世議員とか三世議員なんて、そこらじゅうに居る
TV局社員の息子はTV局にコネ採用
公務員家庭の息子は官公庁にコネ採用
東電社員の息子も電力会社にコネ採用
それ以外は安月給で頑張ってください
ドイツの教育制度と学校の種別を調べればわかるよ
外国人枠に関しても、割り当てや必要資格、能力等あるから
そして、ここのコメントで、何故かドイツ人に慰められると勘違いしていたせいで頭に来てる一部の海外反応乞食に冷静になれといいたい
見た目も中身もナヨっとした女々しい男が増えたし、意見主張の強いフェミも増えた。
女の体は好きだけど女の性格は嫌いって男が増えてるし、男は信用ならないって女も増えてる。
異性を必要としない人がこれからもっと増えてくんじゃ。やばいね日本www
モテないから恋愛に興味ないとかもあるだろうけどマジで興味ない奴本当に増えてるよ絶食系ww
かくゆう自分も25過ぎたあたりから性欲廃れてきた感があるwww
それはともかく、日本にももちろん問題はいろいろあるが、こんな三流ホラーみたいな話にされても、その、困る(反応に)。
ドイツメディアはどこも中国一辺倒だから、翻訳しようとしても日本の記事となるとこんな感じなんだろうとは思うが。
EUの自己陶酔もいよいよ極まってきて、日本が邪魔だという意識が表に出てるんだろうが。