米F-15C、早期退役か? 空自主力機と同型 背景に厳しい台所事情 2017.05.21 関 賢太郎(航空軍事評論家) 3 Tweet いいね! お気に入り tags: ミリタリー, 航空, 軍用機, 戦闘機, F-15「イーグル」, アメリカ軍, 航空自衛隊 米空軍は、航空自衛隊の主力戦闘機F-15Jの同型機であるF-15Cに関し、早期退役案を検討しています。あと30年は飛び続けられるともいわれるF-15Cですが、どのような事情があるのでしょうか。 米空軍、F-15Cの退役を前倒しに? 2017年5月現在、アメリカ空軍では、かつて「最強」とうたわれた主力制空戦闘機F-15C「イーグル」の退役を前倒しにし、性能にやや劣るものの安価なF-16をもってこの代替にするべきではないか、という案が検討されています。 アメリカ空軍のF-15C「イーグル」(画像:アメリカ空軍)。 アメリカは世界でもっとも多くの防衛費を投じている国ですが、その反面国家財政における監査制度は極めて厳格であり、高い透明性が求められます。税金の無駄遣いが許容されないため、アメリカ軍とはその膨大な兵力を、ある意味では世界でもっとも厳しい台所事情によって支えているともいえます。 F-15Cは原型機のF-15Aが1970年代に導入されはじめ、現在もなお200機以上がアメリカ空軍に在籍中であり、沖縄県の嘉手納基地をはじめ日本、米本土、欧州に配備されています。配備開始から長い時がたちもはや老朽機ともいえる存在ですが、レーダーや電子戦システムなどの搭載機器、ミサイルなどはほぼまるごとアップグレードされており、いまもなお世界有数の強い戦闘機であり続けています。 ではなぜ、その空中戦に強いF-15Cを退役させなくてはならないのでしょうか。それはF-15Cには「空中戦しかできない」という欠点があるからです。 【次ページ】早期退役のもっともな理由とその否定材料になる驚きの現状 この記事の画像をもっと見る(2枚) [動画] がみさんが100万円のカメラに驚嘆! これは撮り鉄がはかどるぞ 1 2 3 4