米次期政権とは「エネルギー」を軸に関係構築を 小山堅・エネ研首席研究員が語る日本の活路
2025年1月20日にドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領に再び就任する。エネルギー・環境関連分野の動向や日本が対処すべき課題について、日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員の小山堅氏にインタビューした。
──ドナルド・トランプ氏が1月20日にアメリカの大統領に再び就任します。
トランプ氏は自身のスローガンである「アメリカを再び偉大にする」(Make America Great Again、略称MAGA)の実現を、「アメリカ第一主義」を通じて徹底的に追求していくことになるだろう。おそらくこれは、すべての政策分野に当てはまる。
場合によっては、バイデン政権時の政策から180度方向転換するような政策も取られる。とくに気候変動政策はそうなる可能性が高い。
重要なことは、アメリカという国際社会で最も影響力のある国で、今までとはまったく考え方の異なるリーダーが就任するということだ。すなわち、トランプ氏の大統領再任については、アメリカのみならず世界全体を左右する問題としてとらえなければならない。
世界の気候変動対策に大きな影響も
──トランプ氏は、不法移民問題などを例に挙げて、大統領就任初日からドラスティックな方向転換となる政策を打ち出すと明言しています。
そのうちの一つが、気候変動に関する政策転換だ。気候変動対策の国際合意であるパリ協定から再離脱するとトランプ氏は明言している。大統領就任初日にアクションを起こす可能性は十分にある。
エネルギー分野では、トランプ氏はバイデン政権が打ち出した液化天然ガス(LNG)の新規輸出許可の一時停止措置を解除する考えを明らかにしており、就任後速やかに実施される可能性が高い。
──パリ協定からの再離脱のインパクトの大きさは。
現在、温室効果ガスの最大の排出国は中国だが、アメリカは先進国の代表として、まさに「地球益」、国際秩序の守り手とみなされてきた。そのアメリカが気候変動問題への対処に後ろ向きになり、連邦政府として関心を失うということになると、世界全体でも気候変動対策に取り組もうというモメンタムは相当損なわれる可能性が高い。
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