[Book Review 今週のラインナップ]
・『TwitterからXへ 世界から青い鳥が消えた日 ジャック・ドーシーからイーロン・マスクへ、炎上投稿、黒字化、買収をめぐる成功と失敗のすべて』
・『就職氷河期世代 データで読み解く所得・家族形成・格差』
・『宮田珠己の楽しい建築鑑賞』
評者・東洋経済記者 山田俊浩
電気自動車世界最大手の「テスラ」、民間宇宙開発最大手の「スペースX」など先端企業を率いるイーロン・マスク。保有株式の合計時価総額は4000億ドルを突破しており、米国のトランプ新政権にも大きな影響を与える、突出した起業家である。
サブスク転換、社員半数を解雇、「ロジカル、かつ強権的」経営
先端テクノロジーを主軸とする事業ポートフォリオの中で異色といえるのが、短文投稿サイトのツイッター(現X)だ。マスクが繰り返し述べていた買収の理由は「言論の自由の場を守りたい」。2022年4月に買収を発表。経営幹部との深刻な意見対立により一度は撤回したが、結局は同年10月に買収を完了。ツイッターは上場廃止となった。
瞑想(めいそう)を日課とする物静かなツイッター創業者、ジャック・ドーシーとマスクは共闘してみたり、激しく対立してみたり、最後は「ウォール街による支配から解放されたこと」を喜び合ったり。関係は目まぐるしく変化する。そんな主役の2人だが、残念ながら本書の取材に応じていない。
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