マイナス金利解除の準備を進める日銀だが、金融緩和策修正で2%目標が問題となる。
日本銀行は、マイナス金利政策解除を金融市場に織り込ませる「地ならし」を一気に進め始めた。10年以上にわたる異例の金融緩和策が、いよいよ本格的に修正されるときが近づいている。効果が乏しい一方、多くの副作用を生み出した異例の金融緩和策を修正することは大いに歓迎したい。もっと早くに着手すべきだった。
そこで問題となるのは、2%の物価目標の扱いだ。日銀は2%物価目標達成を宣言したうえで、マイナス金利政策解除に踏み切ることを想定しているだろう。
日本だけ+2%維持見通しは不自然だ
しかし、中長期の期待インフレ率、実際の物価上昇率を2%程度で安定させることは、依然としてかなり難しい。コアCPI上昇率は、今年1月には+2.0%と1年前の半分以下まで低下し、今年後半以降は+2%割れが定着することが見込まれる。
新型コロナウイルス流行を受けて物価上昇率が加速的に高まる前に、アメリカのインフレ率は+2%程度、ユーロ圏は+1%、日本は0%程度だった。アメリカのインフレ率は一時10%近くまで上昇したが、2025年には2%にかなり接近する見通しだ。他方、隣の中国では物価の下落が続いており、中国からデフレが輸出されている。
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