桐ノ院整体院

浮気どころか不倫だぞと罵られ隊

人生に行き詰まったアラサーがロザンというお笑い芸人に出会って救われた話

この記事はしきさん(@shikishaa)主催の「おたく楽しいAdvent Calender 2016」参加エントリです。

www.adventar.org

 

ちなみに去年も参加していて、男子大学駅伝のことを薄っぺらい感じで書きました。

tounoin.hatenablog.com

 

今年も参加できて嬉しいです!! 僭越ながらトップバッターをつとめさせて頂きます。今回のテーマは、疲れたアラサーがお笑い芸人「ロザン」に出会ったお話と、ジャニオタにおすすめしたい、その魅力について。

 

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その頃の私はなにもかもに行き詰っていた。

 

新卒で入った会社を4年目で辞めて転職した会社は超絶ホワイトで、オフィスには常に産休育休の人がいるくらい女性が働きやすく、かつ業績も右肩上がりの上場企業だった。人間関係にも恵まれ、こんなに良い会社はない、この会社にずっと勤めて結婚出産を経て定年まで安定した生活を送りたい、と心から思っていた。しかしどうにもこうにも仕事内容が自分には全く向いておらず、常に常に薄い氷の上を歩いているような気持ちだった。自分のミスで会社に大きな損害を与えてしまう…という夢を見て汗びっしょりで目覚め、定時ギリギリで会社へ行く日々。

もうすぐ20代が終わってしまう。目の前が真っ暗になるほど仕事が出来ないのに30代になってしまう。せめて誰かに必要とされたい、という焦りから、数年来の恋人――今の夫であるが――に鬱々と仕事の愚痴をぶつけ、「結婚して欲しいオーラ」を出すことで彼からも完璧に嫌われ、別れを告げられ、それでもすがりついていた、そんなある日のことだった。

 

いつものように足の踏み場も無い汚部屋へ22時頃帰宅し、床に散乱するマンガや服を足で蹴散らしてまずパソコンの前へ行き、電源を付ける。ファーン、というMacの立ち上がる音を聞きながら着ていたものをそのへんに脱ぎ捨て、テレビを付け、音量をごくごく小さくし、コンビニで買ってきたサラダとビールをごそごそと取り出す。立ち上がったPCからニコニコ動画に接続。酒を飲みつつ、深夜までかけてランキング上位50個くらいの動画をくまなくチェックするのが日課だった。私は音楽を聴かないかわりにBGMとしてTVのバラエティを流す習慣があって(人がいっぱいざわざわしている音がすると安心するのだ、居酒屋のように)、その日も同じようにTVをBGMとして流しニコニコ動画に集中していた。

 

なぜTV画面を見たのかわからない。とにかくふと目をやると、アメトークが始まるところだった。

「愛方大好き芸人」というテーマで何人かの芸人さんが出てきた。キャイーンのウドちゃん、おぎやはぎ矢作さん。オードリー春日さん…は、M1でブレイクした人だよね。Qちゃん…はエンタ?最近流行らしい1発ネタで有名になった人だっけ…。ん、ひとりだけ知らない人がいるな。でも見たことあるな、誰だっけ。

ぼーっと見ていたらその名前のわからない人は「すがちゃん」と呼ばれていた。相方は「宇治原」だという。

ああそうだ、ロザンだ。あの、京都大学出身の。クイズ番組でちょっとありえない賢さを見せていた記憶がある。へー、相方あまり東京で見たこと無いけど、仲良しなんだな。

 

 菅「うーちゃん、めっちゃ賢いでしょ? クイズ出てる時のあいつ、めっちゃ賢くないですか? あと、みんな注目してないんですけど、間違えた時がぁ… めっちゃ可愛い♥」

 

 うわ、かわいい。この人かわいいな!

はにかみながら相方をかわいいと褒めている人がめちゃくちゃかわいかった。ちょっと溜めてから肩をすくめて「…めっちゃ可愛い」と言ったその声色と表情が完璧にかわいかった。

 

これは今日面白そうだな、とボリュームを上げる。

先に出ていた面々は2人がけのラブソファーにひとりで座っていて、相方を呼ぶと出てきてくれて隣に座るという。まずハイキングウォーキングのQちゃんが、相方の松田さんを呼ぶ。愛情を全面に出して喜ぶQちゃんに、戸惑いながら出てくる松田さん。次がロザンの番だった。菅さんが「うーちゃん!」と呼ぶと、満面の笑み(ものすごいドヤ顔にも見える)で登場し、菅さんに手を振る宇治原さん。

 

宇治原「我々けっこう相思相愛なんで。実際どっちが先に(スタジオに)出て、どっちが呼んでもよかったんですよ」

 

開口一番なんだそれ。なに言ってんだ。いやネタなんだろうけど(次に出てきたオードリーやおぎやはぎは完全に仲良し仲良しコントのていで演技っぽくキャーキャーしていたし)それにしてもなんか…なんか違う…この人たちの空気感、なんでこんなに優しいんだろう???

その後もそれぞれのコンビのトークが続いていく。ロザンが喋る度にときめきが止まらない。お互いを褒めあうふたり、目線を合わせて笑う姿。優しい。画面が優しい。高校時代のエピソードを語りだすロザン。同級生だった高校時代いつもふたりでお昼ご飯を食べていた。ある日菅さんが風邪で休んだので、次の日「お前、お昼ご飯どうしたん?」と聞いたら宇治原さんは「クラブのメンバーと食べたよ」と。

 

菅「内心ちょっと嫉妬してたんですよ。ああ、クラブのメンバーと食べんねや、と。食べるんかい、と。でも、あとあと噂で聞いたらぁ、宇治原がぁ…ひとりで食べてた、って(笑顔)」

 

この瞬間会場が「ヒェー!?」って言ったのだけど私もテレビの前で「ひええ」って声に出した。生ハムサラダを食べていた箸が完全に止まった。

 

菅「あー、って。キュン!って! ああそうなんや、やっぱりそうなんやな、って」

宮迫「ごめんやけど、お前らってどう思われたいの?w」

宮迫さんに突っ込まれてもふんわり笑うだけのロザン。

 

菅「そんでまあまあ、進路決めるときに、僕がずっと一緒にいたいんで、一緒に居れる仕事ってなんや、ってなったら漫才師で。んで、(宇治原は)賢かったから、漫才師になったときにウリになるから京大入れや、って(僕が)言ったら、京大に入ったんですよ」

蛍原「そうなの!? 漫才やろうってのが(京大入るより)先なんや!?」

宇治原「高3の時に、菅が漫才やろうって言い出して、んで京大入ったらって言われたんで、じゃあお前が言うんやったら勉強するわ、って」

菅「で、誘った僕が一浪したんですよw」

 

菅「でも1年間待たすのあれじゃないですか。芸人っていうのもあれかな(無理かな)って思ってたら、『1年待つよ』って」

宮迫「…ただの恋愛やん、なんなんそれ」

菅「いや、ただの恋愛ですよだから」

 

 

 ニコニコしているふたりがあまりにもかわいくて、なんだか胸があたたかくなった。

いいコンビだなあ、いいものを見たなあ、という気持ちでその日は寝た。

翌日、相変わらず苦手な仕事をしながらふと昨夜の2人の姿を思い出す。「ロザン」「仲良し」で検索。それが沼への大きな落とし穴だった。

まだその頃はTwitterがあまり普及しておらずブログが全盛期だったのだが、ロザンについて書いているブログはそれほど多くはなかった。それでも、熱心なファンの方が何人かいて、関西の番組や昔のライブのレポを見つけることができた。そこに書かれていたのはアメトークの比ではない仲良しエピソードの数々だった。ファンの方は皆一様に「アメトークはちょっとキャラ作ってたね(笑)」「普段の素の姿の方がよっぽど仲良し(笑)」と落ち着いている。マジかよ、私が衝撃をうけたあの姿より仲良しってどういうことだよ!

その「普段の姿」とやらを見てみたくて、動画検索してみた。すると「ロザン仲良し動画集」というものが出てきた。

今はもう消えていて見ることができないのだが、それはロザンが関西の番組で見せている色々な場面を編集したものだった。そこには本当にほほえましい2人の姿があった。いつも目を合わせて楽しそうに笑い、ボケては笑い、突っ込んでは笑い、共演者から「あんたらホンマ仲ええな!」と苦笑いされている。

なんという幸福感。なんだこれは。しかもかわいいだけじゃない、面白い。ロケが本当に面白い。ネタも面白い。

一心不乱に動画やファンブログを見続けること3日。当時の自分のブログにアメトークが面白かったこと、特にロザンに惹かれてたまらないことを書いたら、リアルの友人しか見ていなかったブログにコメントがいくつかついた。「はじめまして! 私もアメトークでロザンを見て、それ以来気になって検索したらここにたどり着きました」と見知らぬ方々が口を揃えて言うのだ。

 

そこからはもうあっという間だった。DVDを買い集め、そして現場に行った。知れば知るほど好きになっていった。リア友しか見ていないただの日記だった私のブログは、気がついたらロザンファンブログとして毎日毎日長文を更新し、私と同じようにロザンに落ちた人たちがたくさん見てくれる場所になった。

 

これをご覧頂いているジャニオタの皆様は、こうした「何かにハマる時」のことをよくご存知だろう。しかし私はこれまで、芸能人にここまで熱を上げたことがなかったのだ。もともとお笑い芸人が好きで、雑誌を買ったりしていた時代はあったがいわゆる「茶の間のファン」であり、ライブに行こうなどという発想自体がまずなかったし、ジャニーズや俳優の「おっかけ」をしている人をどこか馬鹿にしてすらいた。

それなのに、今までの価値観が全てひっくり返るくらい好きになってしまった。

ロザンはいつ見ても笑顔で、お互いを信頼しているように見えて、見ているだけでこちらも幸せな気持ちになる。彼らを見ているときだけは、うまくいかない仕事や恋愛を忘れて没頭することができた。癒された。私にとってそこだけが逃げ場所だった。

ロザンが出演する、となればどこへでも観に行く生活が始まった。もちろん仕事はしているので全てというわけにいかないが、軽率に新幹線や夜行バスに乗って現場へ向かう。恋人の影響でサッカーのサポーターをしていたため、遠征をする素地はできていたが、TVの中の人を追いかけてこんなことをしている自分が信じられなくて不思議な気持ちだった。

結局この経験がのちにジャニオタとなる土台を作ったので、本当にロザンが私の人生に及ぼした影響ははかりしれない。というより、ロザンを追いかけたことで、最終的に転職や結婚が決まるところまで繋がっていったので、人生が変わったといっても過言ではないのだがそれについてはまた後半で語ろうと思う。

 

なぜそこまで彼らにのめりこんだのか?

ここからは、私の愛するロザンのジャニオタ向けおススメポイントを記していきたい。

 

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【おすすめポイント1.スペック】

まずまったくロザンをご存じない方に、おふたりの簡単な紹介を。

 

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■向かって右側   宇治原史規(うじはら・ふみのり)さん(1976年4月20日生まれ)

ツッコミ担当。めちゃくちゃ頭が良くてクイズが出来る人、ということで関東の方でもご存知の方は多いだろう。京都大学法学部卒。賢さイメージが先行しているが実は運動神経も抜群で、よしもと陸上(ジャニーズ運動会のよしもと版みたいなもの)では走り高跳びで3連覇していたり、跳び箱18段を軽々跳んだりしている。スタイルおばけ、でもなで肩。関西では目がくぼんでいるとかブサイクとかでいじられることが多かったが、実はすごくかっこよくて何をしていてもセクシーなため、私を含め熱狂的なビジュアルファンもたくさんいるよ! あと手が非常に美しい。すごーく落ち着いていてクールな印象だけど、ネタではけっこう激しめにキレてまくしたてるような役を演じることが多く、頭の回転が速く知識量が膨大なためツッコミの反応と言葉選びが秀逸。ふとした表情やしぐさがめちゃくちゃかわいい。既婚。

 

■向かって左側  菅広文(すが・ひろふみ)さん(1976年10月29日生まれ)

ボケ担当。ネタは菅さんが作っている。背が小さく(162cm)とにかく顔がカワイイのでいつまでたっても老けない「奇跡の40歳」。関西ではずっと単独で大阪ガスのCMに出演しており、すがちゃん、すがちゃんと可愛がられている、ロザンの「カワイイ」担当だが性格はものすごく合理的で、理屈に合わないことにはズバズバ切り込んでいくため、後輩からは「吉本で一番怖い」と恐れられている。関東の民はあまり菅さんに馴染みが無いため、私のように最初「うわっかわいい!」と思ってファンになり、のちのちその怖さと賢さと頼もしい性格を知り余計はまって抜けられなくなる人が多い。その反面とても天然で、バスの中で寝ぼけて宇治原さんの靴を履こうとしたり(宇治原さんが既に履いている上からぎゅうぎゅう足を突っ込んでこようとする)するなど、やっぱり可愛さの塊。左利き。相方のことを書いた小説を出版している作家先生でもある。(後述)

 

 芸人なので見た目は関係ないのだが、それでもロザンの2人はビジュアルのバランスが非常にいいことが、ジャニオタの皆様にも自信をもっておススメできるポイントだ。マイクを挟んで立った時にこの上なく美しい比率となる、15センチという身長差も素晴らしい。

ロザンのトークライブにゲストで来た後輩芸人が2人のことを「清潔感のかたまり」と評していたことがある。まさにその通り、おふたりともスタイルを維持されていて、スーツでもカジュアルな服装でも体系にフィットしたものをピシっと着こなしている。そのスマートで好感度の高い見た目は朝やお昼の情報番組にぴったりで、関西では数々のレギュラーでお茶の間に親しまれている。

ジャニーズが情報番組に出るのと同じで、やっぱり「さわやかで好青年」って大事な要素かと。

 

 【おすすめポイント2.賢い】

これはもう全国の皆様ご存知だろう。勉強の知識が多いことが前面に出がちな宇治原さんであるが、立ち振る舞いや発言を見ていると「本当に地頭から賢いのだろうな…」と感服する。例えばずっと出演していた朝の情報番組(NEWS担おなじみ羽鳥アナの番組)では政治的なニュースも毎日のように扱われていたが、いつでも偏りの無い中立的なコメントをされていた。鋭く切り込むところと一歩離れるところのバランス感覚が非常に優れている点も大好きなところだ。

菅さんも同じように賢いが、菅さんはとりわけ発想力に優れている。定期的に開催しているトークライブでゲストの後輩芸人から悩み相談をされることも多いのだが、菅さんはいつも理論的、かつ大胆なアドバイスを送って共演者を驚かせている。
菅さんが以前「自分は0から1を作るのが得意なタイプで、宇治原は1を100にするのが得意」というようなことを仰っていたが、まさにそれぞれ得意な分野で賢さを発揮し、そしてお互いを補っているコンビなのである。

これは完全に私の偏見なのだけど、はてなブログを読んでるようなタイプのジャニオタって色々な意味で「賢い」人のことを好きな気がするので、そういう意味でもとてもおススメできるかと。

 

 【おすすめポイント3.面白い】

声を!!大にして言いますけど!! ロザンは面白いんですよ!!

 ロザンのネタは品がある。そして芸暦的にももはやベテランの域なので落ち着きと安定感がある。漫才は知的でやわらかく、しかしながら菅さんの持つブラックな風刺が織り交ざっていて、老若男女誰にでも通じる笑いだ。コントは作家業もこなす菅さんの真骨頂という感じで、ストーリー性があるので見ていてわくわくさせられる。また菅さんの組み立てたストーリーを演じる宇治原さんの、表情豊かで縦横無尽な立ち振る舞いは「クイズの宇治原さん」しか見たことが無い人が見たら驚くことだろう。

関西の人にはピンとこないかも知れないが、日常でのロザンの露出がない関東でロザンを見る機会は、宇治原さんがクイズに出演する時くらいである。たまにYahooニュースなんかに載ったりすると、クソコメの温床Yahooコメントには必ず「ネタを見たことが無い」「賢いかもしれないけど面白くないから芸人失格」みたいな書き込みが現れる。

おまえが!! 見たことないだけだろ!!! だいたいネタ番組が無いこのご時世でじゃあどんだけの芸人の「ネタをみたことがある」のか教えてくで!

…と、ね。言いたくもなるけどまあ仕方ない。

せめてジャニオタさんがひとりでもネタを見てくれたらいいなーと思いながらこれを書いている。

 

ロザンのネタを見る方法は大きく分けて3つある

 

①劇場へ行く

関東の方なら新宿ルミネにある「ルミネtheよしもと」、関西なら「なんばグランド花月」などで毎月漫才を披露している。関西の番組レギュラーの都合で、新宿ではたいてい木曜日が出番となっている。詳細は各劇場のスケジュールをご確認いただきたいが、直近では12月8日(木)に14時の部、16時の部、夜公演の3回出演予定である。その日の公演はロザンの他、ダンソン♪で有名になったバンビーノや、あたりまえ体操のCOWCOW、次長課長など皆様が良くご存知の芸人も多数出演される。

そんな豪華なメンバーのネタが見られるのに、昼の2回は前売りならなんと2000円なのだ。

 ジャニオタの皆様には「お笑いオタは現場がいっぱいあって楽しいよ! しかもチケットが安いよ!」と全力でお伝えしたい。

私はロザンにハマるまでお笑いの現場に行ったことがなかったので知らなかったのだが、劇場で披露されるネタは、実は基本的に数種類の鉄板ネタの繰り返しである。(それまでは、新ネタをどんどんやるのかと思っていた)

なので何度も通っているうちに全部のネタを覚えてしまい、冒頭からストーリーとオチがわかった状態で見ることになる。それでも全盛期は、1日3回公演あったら全て入っていた。「同じネタを見るのに3回も行くの…?」と友人に言われたりしたこともあったが、ジャニオタの皆様ならわかって頂けるだろう。できるなら全ステしたいじゃないですか…?

 

確かに、ジャニーズのコンサートと違って、ルミネなどで行われている通常のネタ公演は10分ほどの持ち時間でネタをするのみなので「MCが違う」という旨みがあるわけではないのだが、同じネタでも毎回毎回、間合いだったりテンションだったりが違うものなのだ。特にロザンは他の芸人と比べても比較的アドリブが多く、ツカミでその日のお客さんをいじってみたりと必ず毎回変化がある。個人的に大好きなのが、ネタ途中で2人のうちどちらかがアドリブで何か発言し、それをお互い面白がってどんどんやり合って最終的に本気で笑っちゃう2人…という図だ。文章では伝わらないのでとにかく見て欲しいと言うしかないのだが、ロザンの漫才はそういうちょっとした場面でも仲のよさが伝わるシーンが多くてほっこりする。

 

また、ネタではないが新宿では2ヶ月に1回トークライブを行っており、そこでは2人のフリートークをたっぷり見ることができる。前述の、後輩の悩み相談に答える姿がみられるのもトークライブ。

ちなみに次回は12月17日(土)19時から、チケットもまだございます。2500円で1時間半もロザンが見られるよ!

 

その他関西で定期的に開催している「ロザンの日本向上委員会」(こんな法律があったらいいな、というオモシロ案をゲストの方々と出し合う)というライブなど、本当に色々な舞台に立たれている。ジャニーズも現場が一番楽しいように、お笑いもナマモノである現場が一番。ぜひ1度観に行って頂ければ幸いだ。

 

 ②DVD

そうは言ってもいきなり現場に行くのはハードル高いよ…とお思いだろう。わかる。

そんな皆様にはまずDVD。買ってくださいと言いたい所だがそれもハードルが高いので、とりあえずレンタルしてみてほしい。

そう!! ジャニーズと違って!!! お笑いのライブDVDはレンタルがあります!!!!


(私はNEWSにハマった時、ジャニーズのライブDVDを探して毎日TSUTAYAに寄っていた…レンタルが無いなんて知らなかったんや…)

 

・ロザンの08ベスト

 

ロザンの08ベスト+ [DVD]

ロザンの08ベスト+ [DVD]

 

 

私がファンになった2009年には、ロザンのネタが見られるDVDはこれ1作しかなかったのでほとんどのセリフを覚えるほど繰り返し見た。デビューから毎年新ネタを披露する単独ライブを行っており、これが初めての映像化となる。まずはこのDVDから見るのがおススメ。

ネタはコントのみ。コントとコントの合間にブリッジVTRが入っており、ロザン2人が宇治原さんの運転で思い出の地を巡るドライブが収められている。この映像がファンの間では「ドライブデート」と呼ばれているほど仲のよさが伝わってくるものなので、絶対に見て頂きたい…ほら…NEWSもさ…ドライブしてるところ可愛かったじゃん…コヤシゲとか…あんな感じです…。ていうかロザンは基本コヤシゲだと思ってくれたらいい。

 

 ・ロザンの14ベスト

 

 

 デビュー以来毎年行われていた単独ライブが、例のアメトークがあった2009年頃から東京での活動が増えたからか、はたまた菅さんの執筆活動が忙しかったのもあるのか、理由は不明だが2008年以降はなかなか開催されなかった。2011年に待望の単独があったのだがなぜかDVD化されず、実に6年ぶりの映像化となったのがこちら。

08ベストと同じキャラクターが出てきたりもするので、できれば是非合わせてご覧頂きたい。

個人的には特典映像で入っている「どどん波(東京Ver)」というコントが一押し。

東京、大阪と2回行われた公演の中で大幅な変更を加えられたコントなのだが、DVD収録日ではなかった東京バージョンがあまりにも素晴らしく、是非DVDにして欲しいというファンの要望が届き、記録用の映像ではあるが特典として収められた。菅さんならではの伏線の張り方が秀逸。

こちらにもブリッジとしてドライブする映像がついてくる。

今回も普通にデートしている。2人で水族館に行ってはしゃぎまくります。(そしてはしゃぎすぎて宇治原さんがあるものを無くす)

 

・ロザンのトーク(1~4)

 

 

 

 

 

 

 

 

前述した、新宿ルミネで2ヶ月に1度行われているトークライブのダイジェストを収めたもの。

菅さんが宅配業者にキレたり、宇治原さんがタクシー運転手にキレたり、選挙の予想をしたりする。笑えてためになるトークの数々を是非。仲のよさがめちゃくちゃ伝わってくる。もしトークライブ行ってみたいな~という方がいらしたら、予習としてどれか1本見ておくと雰囲気がつかみやすいかも! 

 

・WEST SIDE「STORY」

・WEST SIDE「LIVE at Zepp Osaka E・Y・E」

 

WEST SIDE: story [DVD]

WEST SIDE: story [DVD]

 

 

 

これは既に正規では購入できない上、おそらくレンタルにもないため中古で購入するしかないのだが、ジャニオタの皆様にこそ是非ご覧頂きたいものなので載せることにした。

 

2001年、島田紳助氏の関西ローカル番組で、吉本の若手芸人で男前を集めて、歌って踊れるユニットを組ませようという企画があった。のちに同氏司会のヘキサゴンから生まれた「羞恥心」などの先駆けである。この企画で選ばれたのがランディーズ、まだデビュー間もないロザン、キングコングであった。

「WEST SIDE」と彼らは名付けられ、元シブガキ隊のフックンが初代プロデューサーとなり、デビュー作は関西オリコンで2位となるなどまたたく間に関西圏ではジャニーズに勝るとも劣らない人気となる。写真集発売、ライブ開催など完全にアイドルとして活動していた当時は、芸人なのに容姿で評価されていることに積極的でなかった部分もあったという。実際キングコングなどは、本職であるお笑いのライブでキャーキャーの声援が酷すぎてなかなかネタが始められないという状況に陥ったりもして、複雑な思いを抱えていたそうだ。またお笑い芸人がアイドル化することに批判的な層もたくさんいて、何をかくそう当時東京芸人が好きだった私も(なんかよしもとでアイドルまがいのことをしてる芸人がいるらしいけど、いけすかない)と思っていたひとりだった。

しかし時を経てロザンに出会い、かつて馬鹿にしていたWEST SIDEのDVDを見て、若い頃の自分を恥じた。どんな仕事だろうと真剣に取り組む人たちの姿がそこにはあり、それはとても美しかった。そしてまだあまり売れていない若手芸人だった人たちが形はともあれ知名度を上げるチャンスを得たことは本当に素晴らしいことだなと感じた。

「Story」は彼らがWEST SIDEとして選ばれデビューし、ライブをするまでのドキュメンタリー。今まで経験の無かったダンスや歌に苦戦しながらも取り組む姿はまぎれもなくアイドルである。

「EYE」はそのライブの模様。セットも簡素だし、ダンスもできていないし、ジャニーズで目が肥えている方々にはとても拙く見えるかもしれないが、それでもスポットライトを浴びて歌う彼らは美しいのだ。

このあたりのことは1年程前にaskにも書いたのでこのへんで。

ask.fm

ちなみにこの「Story」、リンクを貼ったAmazon中古のお値段はご覧の通りだが、私が2009年に購入した金額は18000円である。ちょうどアメトークで私のようなファンが爆発的に増えて一時的に値段が高騰していたタイミングだった。でもどうしても見たかったんだ…わかるだろ…ジャニオタよ…

 

以上、最後「面白い」というおススメポイントからはだいぶずれてしまったが、ロザンのネタを見る方法その②である、DVDのご紹介であった。

 

 

③ググる

まああまり大きな声じゃ言えないけど、ググると動画が出てくるので、とりあえず1、2本でもネタを見てもらえるといいなって…。ちなみにおすすめは「奇跡の草」というコント。
あと関西ロー…ごにょごにょ…番組も…ごにょごにょ…ロケとか面白いよ…ごにょ…

いやほんとネタも勿論だけど、関西で出ている番組が最高に素敵なんだ…。
「ちちんぷいぷい」という番組で、道に迷っている人を案内するコーナーは長年の人気コーナー。菅ちゃんが適当な英語で外国の方と強引にコミュニケーションをとるのが人気。

「よ~いドン」という番組の金曜コーナー「関西ワーカー」では、いろんな仕事をしている人をロザンが紹介する。職業体験みたいなことをする姿も見られて楽しい。

「大阪ほんわかテレビ」の「ロザンのあんたはコーデねーと!」というコーナーは、視聴者からの依頼で、素人さんをメイクやコーディネートで変身させる。宇治原さんが変なダジャレ言ったりしてかわいい。

ロザンファンをやるにあたって一番の難点は露出の地域格差…強く生きる…。関ジュ担ってこんな気持ちなのだろうか…。
あ、あと関西といえば関ジャニさんのジャニ勉にロザンが出たときのもめちゃくちゃおススメです……探せば…でてくるので…ごにょりごにょり

 

ごにょごにょしか言えないので以上。

 

 

【おすすめポイント4.仲良し】

冒頭から散々言った、私がロザンに落ちた最大の理由。

単に「仲良し」という言葉では言い尽くせない。そう、この2人は運命のシンメと言った方がジャニオタの皆様にはわかりやすいかもしれない。

シンメが嫌いなジャニオタいる? いないよね? って前提で話を進めることにする。

 

そもそも2人が芸人になった理由が「ずっといっしょにいたいから」というのだから、もうしょっぱなから完敗だ。高校の同級生で、親友で、でも卒業して別々の進路に進んだらいつか疎遠になってしまうかもしれないから。じゃあ一緒に出来る仕事ってなんだろう、って考えたら芸人だった、と。ロザンが芸人になった経緯、芸人になってからの経緯は菅さんの著書「京大芸人」「京大少年」に詳しいのでよければ是非読んで頂きたい。

 

・京大芸人

 

京大芸人 (幻冬舎よしもと文庫)
 

 

 

・京大少年

 

京大少年

京大少年

 

 

 

僕は以前から考えていたことを宇治原にぶつけた。
「芸人なれへん?」
宇治原がグラスを置いて言った。
「は?」
あたりまえの反応だった。
それまで芸人になるという話どころか、芸人の話もしたことがなかった。
二人とも大阪以外で育った環境もあり、お笑いには疎かった。

(中略)

「おまえとしゃべってるの楽しいし、このまましゃべってるのが仕事になったら一番いいやん?」
僕は思った。
(我ながらなんて幼稚な理由やねん!)
しかし宇治原からもっと幼稚な答えが返ってきた。
「そやな。やろか?」
宇治原の目を見てみると、冗談を言っているようには思えなかった。
僕は思った。
(えーーーーーっ、やるんかい!!! おまえ賢いし、いっぱい選択肢あるやん!! 弁護士でも医者でもやることあるやん!!!)

――「京大少年」p43、p44

 

芸人の道へと宇治原さんを誘った時のことを、菅さんはこう記している。 

菅さんは転校を繰り返し、友達と離れる寂しさから「別れるのが辛くなるから、最初からあまり仲良くならないでおこう」と考える幼少時代を過ごしている。そしてようやく親御さんの転勤がなくなり「親友をつくろう」と思えるようになってから出会ったのが宇治原さんだった。

お笑い芸人がその道を志したきっかけは「モテたいから」「テレビに出たいから」「人を笑わせることが好きだから」「お笑いが好きだから」など様々である。

しかしお笑いのことなど全く知らない、言ってしまえばそれまで全く興味がなかったのに、親友と一緒にいたいというだけでその発想は突飛すぎる。ふたりでしゃべっていれば楽しいからいけるだろう、なんて菅さんがセルフ突っ込みしているように幼稚なようにも思えるが、芸人になろうと誘った流れでそのまま「だから宇治原は京大に入ってや」というところまで指示をする。

ジャニーズも高学歴化しているように、今でこそ高学歴の芸人が珍しくない時代であるが、当時は有名大学を出ている芸人は稀であった。現役京大生という肩書きがあれば売りになる、そんなところまでこの時点の菅さんは将来像を描いていたのだ。

先日コヤシゲがラジオで「今はジャニーズも、アイドル以外にアピールポイントがないと生き残るのが難しい」というような話をしていたがそれは芸人も似たようなもので、医師免許を持っている人がいたり、元料理人だったり、編み物がめちゃくちゃうまかったりとバラエティに富んでいる。菅さんはこの時代に先駆けて「学歴」という「芸」を身に付けるという先見の明があったといえるだろう。

 

そして菅さんの思惑通り宇治原さんは京大に合格。

しかし大阪府立大学を受験した菅さんは不合格となってしまう。

 

 

僕は家に帰り、宇治原に電話した。
落ちた報告と芸人にはなれないことを伝えるためだった。自分から1年で受かろうと言っといて、1年待ってくれというのはあまりにも虫がよすぎると思ったからだ。

「もしもし、菅やけど」
「おう」
「あかんかったわ」
「ははは、そうか」
「とりあえず1年予備校に行くわ」
「了解、ほんなら1年待っとくわ」
「…何を?」
「え? 芸人になるんやろ?」
「……おう!!」
「ほんなら1年後な」
「おう、1年後な!!!」

電話を切った。すこしの時間、受話器を見ていた。そして僕は思った。
(えーーーーーーっ、待つんかい!!! あいつ、ほんまにアホちゃう!!! よう京大の法学部受かったで!!!)

 ――「京大芸人」p131,p132

 

 引用して書き起こしていたら泣きそうになってしまった。

超進学校においても宇治原さんの成績はトップクラスで、なろうと思えば医者だって弁護士だってなれる人だった。ご家族も代々優秀で立派な職業に就いている家柄である彼が、ひとりの親友の、成功するかどうかもわからない誘いに屈託なく応えるこの絆はなんなのだ。

菅さんが浪人している1年間、連絡はほとんど取らなかったという。宇治原さんはチャラついたサークルに入って大学生活を謳歌していたそうだが、それでも1年後にまた会うということについて不安はなかったという、確固たる信頼感。

実はこの間に宇治原さんから手紙を送ったことがあり、昔(2000年)ライブで菅さんの宝物ということでその手紙が披露されたという話がある。実際に自分が見たライブではなくファンの間で語り継がれているだけのエピソードなので真偽のわからない都市伝説のようなものだ、ということを念をおしつつ、その手紙の内容を紹介するとこうだ。

「菅へ

勉強頑張ってるか?

大学の勉強より、お前とお笑いの話してるほうがやっぱり楽しいわ。

待ってます」

 

繰り返しになるが、本当にこの手紙が存在したかの真偽は不明(ロザンクラスタの皆様ではっきりしたソースをご存知の方がいたら教えて下さい……)である。

しかし、とにもかくにも、宇治原さんは菅さんを信じて待っていて、菅さんは宇治原さんが待っていてくれていることを信じて勉強した。

そして晴れてふたりとも大学生となり、デビューを目指すことになる…。

 

ここからデビューまでの苦労は是非「京大芸人」を読んで頂ければと思う。

苦労してデビューした翌日から、彼らは「現役京大生と府大生のお笑いコンビがデビュー!」と新聞の紙面を飾ることになる。「学歴が売りになる」という菅さんの目論見は見事的中したわけだ。

 

デビューしてすぐの映像を見たことがある。それは何組かの若手芸人が次々にネタを披露し審査され、優勝者を決めるという番組だった。まだ後藤さんとコンビを組む前の現フットボールアワー岩尾さんや、中岡さんとコンビを組む前の現ロッチコカドさんなども映像の中にいた。ロザンのふたりは今のように笑顔ではなく、緊張した面持ちで、特に切羽詰まったような菅さんの顔が印象的だった。険しい、神経をはりつめて警戒をしている野性動物のような表情。

「京大少年」を読むとその頃の菅さんが必死だったことがわかる。自分が宇治原さんを芸人の道へ誘ったという責任感。芸人をやることを家族から大反対されていた宇治原さんが認められるには、なんとしてでも売れなければならないというプレッシャー。そういうものが表情に現れて鋭利なナイフのようだった。

今、ふたりとも穏やかな表情になって、ふんわりした笑顔でなめらかに漫才をしている姿を見ていると、ほんとうに素敵な関係のコンビだなぁと胸が暖かくなる。ふたりはどんなに年月が経ってもずっとお互いを尊重している。親しき仲にも礼儀あり、を体現しているような方々。

 

ジャニーズの「シンメ」がジャニーさんの采配である日突然組まされるのとは違って、芸人の「相方」は自ら選ぶことができる。ロザンのようにもともと友達からコンビになる者もいれば、事務所内で何度も解散と結成を繰り返す者もいる。仕事以外の話はしないという芸人も多い。関係性は千差万別だが、活躍しているほとんどのコンビはそれぞれの絆と愛情があるように思う。その中でどの芸人さんの絆に惹かれるかもまた人それぞれだろう。私は多分、ここまであげてきたビジュアルや賢さ含めたスペック、面白さ、そしてお互い思いやりあっていることが伝わってくる絆の強さ、どれが欠けてもロザンに落ちることはなかっただろうと思う。

なんだか真面目なことばかり書いたが、もし興味を持って頂いたシンメ萌えの方がいたら是非ロザンの仲良しエピソードを検索してみてほしい。若い頃は特にキャッキャしていた…

・「相方の嫌いなところは?」という質問に宇治原さん「僕のこと好きすぎるところですね~」

・酔っぱらって大阪の繁華街のど真ん中を「うーちゃん好きや~ うーちゃん大好きや~~」といいながら歩く菅さん

・罰ゲームでコンビ同士でキスをすることになり、他の芸人が嫌がる中あっさり「やりましょやりましょ」と言ってすんなりキスする宇治原さん

・相方の首にしがみついてぶら下がるというゲームの最中、宇治原さんにしがみつきながらずっと耳元で「好きやろ? 好きやろ?」とささやく菅さん

・宇治原さんが幽霊にとりつかれた、というドッキリにひっかかり「こういう(芸能の)世界にいるからそういう悪いものを寄せてしまうんちゃう? しんどかったら芸人辞めよ?」とあっさり言う菅さん。宇治原さんと一緒にいたくて芸人になったのに、宇治原さんが辛いならあっさり辞めようってさぁ…

・そしてドッキリでしたー、と明かされても怒ったりせず、だましてた宇治原さんの演技がうまかった、お前すごいなぁーと褒める菅さん

・毎年誕生日プレゼントを贈り合う。ボケには走らず相手が喜びそうなものをお互いガチで選ぶ

・菅さんの誕生日に電子辞書を贈り、俺もイロチのオソロで買っちゃった♥とライブの観客に自慢する宇治原さん

・かわいいと評判の後輩芸人を上から下まで眺めて「ガチで言うたら、菅のほうがかわいい」と言い放つ宇治原さん

・菅さんがキレたエピソードが大好きで、トークライブの度にちょうだいちょうだいとねだる宇治原さん

・DSでドラクエをはじめてキャラの名前を「うじはら」と「すがちゃん」にする菅さん

・「うじはら」の装備が面白いから見て見てといって舞台上でDSをのぞきこみ爆笑するふたり(当然観客からは見えない)(観客はそんなふたりが微笑ましくてニコニコ)

・道案内のロケで菅さんがトイレに行っている間に道に迷ってる人を発見し、「菅ちゃん…菅ちゃん帰ってきて…」と不安げに弱々しく呟きながらひとりで案内する宇治原さん。菅ちゃんが戻ってくるとかけよって腕をとり「菅ちゃん~(´;ω;`)寂しかったよぉ」「ひとりでやったん?」「ひとりでできたよぉ」

・テレビの企画で菅さんがスネアドラムを練習することになり、不器用な菅さんが頑張って上達した姿を見て感激し「もうええ……」と半泣きで抱き止める宇治原さん。「俺の知ってるお前やない…… 俺の菅ちゃんどこやったんや~!(´;ω;`)」

……いくらでも書ける……キリがないのでやめておこう……

とにもかくにも、本当に素敵なふたりなんだよ! という気持ちが少しでも伝わればうれしい。

 

運命じみたエピソードをもうひとつだけ。ロザンというコンビ名について菅さんは以下のように説明している。

コンビ名を決めるときに、ちょうど『聖闘士星矢』という漫画の話をしていて、その漫画にでてくる必殺技の名前から適当につけた。

――「京大芸人」p168

「ロザン」を数字表記すると「63」と表せるので、ファンは勝手に6月3日をロザンの日といって祝っており、菅さんもTwitterで言及したりするので63という数字は半オフィシャルみたいな存在だ。

そんなロザンの誕生日は、宇治原さんが4月20日、菅さんが10月29日。

全部の数字を足すと4+20+10+29=63となる。

偶然なのか、ひょっとしてひょっとしたら意図的だったのか。

私たちには窺い知ることはできないが、こういう運命っぽいお話はどの世界のオタクも大好きなのである。

 

 

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【終わりに】

ロザンに癒しと逃げ場を求めた仕事のできないアラサーだった私は、いくらロザンに癒されようが幸せな気持ちをもらえようが、行き詰まっていることにかわりはなかった。閉塞感がピークに達した頃、ロザンのインタビューがhitoikiという雑誌に載るという情報を得てネットで購入。会社からの帰り道、歩道橋を登りながらTwitterをチェックすると、一足先に雑誌が届いたファンの方が、紙面の一部を少しだけ紹介していた。そこに載っていた画像を見た瞬間、わけがわからないくらい涙がボロボロこぼれた。

せきをきったように自分の中のすべての感情が溢れだして、まだガラケーだった携帯を握りしめながら、歩道橋の上でしばらくわんわん泣いたらスーっと落ち着き、思った。

「ああ、仕事やめよう。やめればいいんだ」

ストン、と何かが胸の辺りに降りてきた気がした。

 

ガラケーの小さな画面には、天空のような場所の眩しい光の中に立って、どこか遠くを見つめているロザンの後ろ姿が写っていた。そしてその横に「僕らは、『芸人になるために』京大を目指した」という見出し。

賢くて、なろうと思えばどんな職業だって選べたふたりが、世間体やリスクなんか気にせずに芸人になった。「芸人ならへん?」「そやな、やろか」という潔さで、ポーンと飛び込んだ。その清々しいふたりが見つめている方向の先は光で溢れていて。

ふたりに比べてなんの能力もない私が、なにを無理して「安定」にしがみつこうとしてたんだろう、と思った。彼らのように、光に溢れる方角を見つけられるかはわからない。だけど少なくとも今いる場所にずっといても、闇しかないことはわかっていた。闇の中の光であったロザンという存在に、なんでわざわざそんなところにいるの? と言われているような気がした。

 

そうして私は会社を辞めて、別の方向に進み出した。正社員ではなくバイトや派遣でフラフラと働くだけなので収入は激減したが、憑き物が落ちたようになった私を見て恋人が「お前もやっと変わったんだな」と言った。なにがなんでも結婚したいという気持ちが消え失せ、前に進む姿勢が戻ってきたことで、私のことを見限っていた恋人と結果的にうまくいくようになり、のちに結婚することとなった。

収入が激減したことでロザンの現場にはあまり行けなくなった。以前のように雑誌をたくさん買ったりもできなくなった。定期的に新宿でやっているトークライブと、時々ネタライブを見に行くだけ。でも、もうそれでじゅうぶんだった。地方まで追いかけなくても、録画を逃しても、私がロザンを好きであることはもうゆるがないという落ち着いた気持ちだった。

 

それから約6年。相変わらず貧乏で不安定でダブルワークをしないと暮らせないけれど、夫とふたり、毎日楽しい日々を過ごしている。ジャニオタになったきっかけを作った友人はもともと私のロザンブログの読者で、ロザンをきっかけに知り合った人だ。「ジャニオタになった梓さんが見てみたいな~」と言って彼女が見せてくれた映像のおかげで私はNEWSを知り、NEWSファンになったのをきっかけに、今こうしてこの企画に参加してブログを書いている。NEWSに関してもゆるいスタンスで、自分に合った距離感で楽しむことができている。

 

熱心になにかを好きになること。その好きなものに夢中になって時間やお金を費やすこと。それを「無駄なこと」と言う人もいるだろう。

だけど自分が凄く凄く好きになったものは、自分を見つめ直すきっかけを与えてくれたり、自分に良い影響を与えてくれることもたくさんある。

あのとき会社を辞めた選択肢が正しかったのかはわからない。ロザンによって動いた人生が最良のものなのかはわからない。だけどロザンが私を明るい方向にひきずりだしてくれて、また歩き出せたことは、「無駄ではなかった」ことだけは確かだ。

 

誰かが何かを好きなことには理由があって、きっとその誰かにとっては無駄ではない、意味のあること。それは必ずなにかに繋がっていく。

これからクリスマスまで続く「おたく楽しい」を拝読し、たくさんの人の人生に存在する「意味のあるもの」のかけらを発見することを楽しみにしている。

 

 

 

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画像は、私の人生を変えた写真。

 

写真家 阿部了さんという方の作品で、以前はHPに載っていたのですが画像が既に下げられているようでリンクが貼れず。でもどうしても紹介したかったので、保存していたものを貼らせて頂きました。

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