AirframeでPlayを動かそうとした

taroleoさんが開発しているAirframeが最近Twitterのタイムラインで話題になっていることが多いので、そろそろ触ってみようかと思い、とりあえずPlay frameworkのDIコンテナをGuiceからAirframeに置き換えるというのをやって見ました。結果は失敗に終わったんですが、GuiceとAirframeの違いを知ることはできました。

PlayではデフォルトではRuntime DIにはGuiceが利用されますが、Play2.6ではDIコンテナのためのインターフェイスが作られたのでGuice以外のDIコンテナも利用できます。ApplicationLoaderというクラスがPlayのApplicationオブジェクトをロードする役割を担っているのでこれを好きなDIコンテナで実装します。

class AirframeApplicationLoader extends ApplicationLoader {
  override def load(context: ApplicationLoader.Context): Application = {
    import wvlet.airframe._
    // ここでAirframeでApplicationオブジェクトを構築する
  }
}

実際にはPlayとの橋渡し的なコードをそれなりに書く必要があり、そんなに簡単ではないです。例えばPlayが定義しているInjectorインターフェイスを実装する必要があったり、Playのビルトインモジュールを利用したいDIコンテナで使えるように変換するようなコードを書いたりです。実用的なことを考えるとPlayが提供しているGuiceApplicationBuilderみたいなコードも書く必要があり、なかなか骨が折れます。

Airframeの場合、実際にPlayの各モジュールをロードする段階でもつまづきます。Playの各モジュールは @Inject アノテーションでDIコンテナに対してクラスの生成方法のヒントを与えていますが、Airframeは @Inject アノテーションには対応していない方針のようでそれが機能しません。自分でクラスの生成方法を記述する必要があるのですが、Playの各モジュールの構築を手動でやるのはかなり面倒、ということで挫折しました。

その他Guiceとの違いで重要そうなのはsessionという概念でしょうか。Airframeではsessionが有効な間だけ機能を利用でき、また@PostConstruct, @PreDestroy アノテーションを利用するとsessionの開始時、終了時をフックして処理を挟みこめます。例えばスレッドの開始や終了などをAirframeに任せると便利ですね。Guiceにはこの機能はないので、Playでは @PostConstruct や @PreDestroy の代わりに各クラスのコンストラクタとApplicationLifecycleというクラスでライフサイクルフックが実装されています。

同じDIコンテナという種類のライブラリでも比較して見るとそれなりに差異があります。それにDIコンテナはアプリケーションの基盤部分を担うようなものなので、気軽に置き換えられるようなものではないですね。でも気が向いたら再チャレンジしてみようと思います(多分やらない)。